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コーチングで”良い質問”をしようとしてはいけない
わたなべあやかです。
ITメガベンチャーでコーチングや心理学などを取り入れ「人とチームを最大化させる風土作り」に取り組んでいます。
今回は、
周囲の人に気づきを与える為「良い質問をしなくちゃ!」とついつい思ってしまう人に、
それ以上に意識する必要のある大切な要素をお伝えしたいと思います。
▶︎ このnoteはこんな人のお役に立つかも
・コーチングを学び始めた人
・周囲の人にコーチングを実践している人
・ついつい成果を上げることを焦ってしまう人
コーチングとは「良い質問をするもの」という誤解
私がコーチングを書籍を読んだりして学び始めた時、
コーチの良さというのは「大きな気づきに繋がる良い質問ができるかどうか」にかかっていると思っていました。
コーチが何か質問することによって、
「は…!そうです!それが自分の本当にやりたかったことなんです!」
みたいに。
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一瞬でモヤモヤの思考が整理されて、目の前がパッと開くような、
そんな質問をする必要があると信じ込んでいました。
しかし学びや経験を深める内、
質問力ばかりにこだわっていると、本当に成長に繋がるような良いコーチングは出来ないということが身に染みて理解できるようになりました。
「良い質問をする」=「満塁ホームランを打つようなもの」
コーチングにおいて、
相手の大きな気づきに繋がるような良い質問をすることは、野球選手における満塁ホームランを打つようなものだと思います。
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それがあれば、
非常に試合展開は有利になるし、成果が分かりやすいとても華やかなものですが、
野球選手全員が絶対満塁ホームランを打たなきゃいけないかと言われれば、そうではないでしょう。
野球選手にとって、それよりも大事なものってなんでしょうか?
めちゃくちゃ基本的なことかもしれませんが、
バットをきちんと球に当てることだったり、
守備でゴロをちゃんとさばく力だったり、
そういうことが全員に求められる必要なことですよね。
もしくは、
長きに渡り選手生活を続ける為に必要な身体管理能力だったり、精神力だったり、そういったものも基礎的な要素として必要かもしれません。
満塁ホームランというのは、それを打つ為に日々鍛錬するもの。というよりも、
その他多くの基礎的なことの積み重ねが、結果として満塁ホームランという形となって表れるものではないかと思うのです。
コーチングもこれと同じで、
「良い質問」というのはその他多くの基礎の積み重ねの結果として、時折表れるものだと思います。
「良い質問」の土台となる基礎能力
では次に基礎となる大切な要素について解説していきます。
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こちらは”コーチングピラミッド”と呼ばれるもので、
「コーチングが効果的に機能する」為に必要な要素が、下から重要な順番に積み重なっている図です。
いくら上の要素があったとしても、
その下の要素が伴っていないと「そのコーチングでは効果は出ませんよ」ということを示しています。
「質問力」というのは、
この図における最上部「スキル」の部分に含まれています。
つまり「良い質問」をしようと思ったら、その下にある以下三つの要素が伴っていないといけない訳です。
自己基盤
コーチングマインド
信頼関係
ここでは簡単に各要素を解説していきます。
自己基盤
コーチングを提供する相手に対してロールモデルとなれるよう、自身の理解に努めると共に、自分の目標に向かって行動を起こす。
ありのままの自分自身、そしてその可能性を認め信じること。
コーチングマインド
コーチングを提供する相手の可能性は無限大であることを信じること。
そして、目標に達するためのアイデアや手段はすべてその人の中にあることを信じること。
信頼関係
コーチングを提供する相手と、心の底から安心して対話できる関係を作ること。
「この人にならなんでも話せる」状態を作ること。
例えば、
チームメンバーをコーチングしていて、その人のコンプレックスに触れたとします。
その人が成長する為にコンプレックスの克服が必要だとして、それに繋がるようなスーパーファンタスティックな質問を投げかけたとします。
しかし、コーチとの信頼関係が築けていなければ、あまりコンプレックスの話なんてしたくないですよね。
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せっかくの良い質問も、正直に答えてもらえないとその効力を発揮することは難しいと思います。
こんな風に良いコーチングをしようと思ったら、
コーチングピラミッドのより下の要素に目を向けていく必要があります。
このnoteでは質問力に繋がるような情報はもちろん、
今回ご紹介した基礎力に繋がる情報もたくさんお届けしていきたいと思います。
また宜しければ読みにきてください。
第2の要素である「コーチングマインド」については、以下のnoteで詳しく解説しています。
実際にメンバーに対して、具体的にどんな質問を投げかけたら良いのか。
実践で使える質問をリストにしてまとめました。
各質問分毎に解説たっぷりでお届けしており、きっとあなたのお仕事の場面で役立てて頂けることと思います。
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