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こころは日常に
「有限で枠があるから、無限の展開があるんです」
朗らかな笑顔と共に、軽やかな手つきで様々なお味噌汁が、液晶越しに誕生していたあの時から、すでに半月が過ぎようとしている。
ここ数日、食事が疎かになっていた。
食べることが疎かになると、寝つきも悪くて、朝起きるのもしんどい。食欲もどんどん落ちてきて、もっと食事が疎かになる、、、そんな悪循環に陥っていた。
そうして、悪循環三拍子が揃うと、私の心はいつも落ち込み気味になる。
そんな落ち込みの中に、今日はぷかぷかと浮かんでいた。昨日の元気さはどこに行ったんだ、と自分を少し責めてしまう。自分の足りないところばかりが目に付く。
そんな時間が過ぎ、訪れた夕飯時。
ここ3日間食べ続けたカレーの鍋が空っぽになり、何を作ろうかと冷蔵庫を開けると、そこには生姜とネギ、そしてじゃがいもがある。
何にしようと悩んでいるふりをしながら、心は出来るだけ面倒なことはしたくないと訴えかけてくる。
「あ、お味噌汁にしよう」
そう思いついたのは、冒頭の言葉が脳裏に浮かんだからだった。
9月の初め、土井善晴先生がYoutube配信の中で、艶やかなお椀を愛おしそうに持ちながら語った一言である。
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