感性を記録する貸出履歴
見渡す限りの本の壁と、インクと古びた紙の匂いが充満するその空間。
そこで深呼吸することが毎月の私の魂の洗浄になっている。
ひと月に一度、市立図書館に行く。
図書館で借りて来た本のうち、私の場合は3割読めれば良い方だ。
もちろん借りて来た本を読んで、その知識を吸収する方が良いかもしれないけれど、借りて来た本を読むのに腰が重くなる時がある。
しかし、棚に並ぶ本たちをじーっと眺めて心の感性のセンサーが反応したものを次々と両腕に載せていく。
そうして借りて来た本のラインナップは毎回違っていて、私のその時の関心や感性が反映されているような気がいつもする。
特に今回は、「このジャンルを読もう!」という目的を持たずに棚を眺めていたから、その時の感覚のまま選ぶことができた。
本屋さんで本を買うと、少し金銭的な理由がちらついて、思うままに本を手に取ることは出来ないから、感覚のまま選んでいくのは図書館の特権。
貸出履歴を眺めるだけで、その時の記憶が呼び起こしてくれる図書館は、私の感性記録に役立ってもくれている。だから、図書館の本は例え読めなくっても、良い気がする。
さあ、今回借りて来た本は何割読めるかな。そんなこともまたひとつ楽しみ。
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