タキセル#5 キャンセル…
白血球減少
9時半からの抗がん剤治療の予約に合わせ
バタバタと玄関で靴を履いていた矢先
病院から電話が…
nurse:
今、熱だとか体の不調はないですか?
私:いや…ないです。なぜですか?
nurse:昨日の採血の結果ですが
白血球の数値がアベレージより低いため
Dr Kang Officeから
今日のキモセラピーはホールドする
と連絡を受けました
来週月曜の採血に再度行ってもらい
その採血の結果によって
来週火曜に治療を再開します
ありゃま…
ふとここ1週間を振り返ってみると
確かに思い浮かぶ点が2つある
① 鼻血が止まらない
軽く鼻をかむだけでも鼻血が出て
止まるのに時間がかかる
ほぼ100%の確率でツーっと
ティッシュで鼻栓をしていても
5〜6回ティッシュを変えないと
血で真っ赤ににじんできてしまう
鼻の中の傷ついた血管を
なかなか修復できない
② 疲れやすい
先週の土曜の朝
夫の店の仕込みが忙しく
日本語の塾に
息子を連れて行って欲しいと言われ
癌治療を始めて以来初めて
車で往復2時間以上する場所へ
送迎した
かなり気が張っていたと思う
最近一気に視力が弱まり
乱視を矯正するために今年に入って
作ったばかりのメガネですら
ぼやけてきてしまう
ものすごく目も疲れた
そんな中
結構大丈夫だったので
来週も行けるかも!
なんてホッとしていたのも束の間
夕方帰宅後
夕食を作り
息子と一緒に食べた後あたりから
異常なほどの眠気と
だるさに襲われた
目を開けて
立っていられないくらい
すぐ夫にテキストを打ち
今日は早く帰ってきて
息子のお風呂を入れてあげて欲しいと
打ったのだけど
レストランを経営しているため
いきなりそんな事を言われても
来れるはずはなく
いつもの時間まで帰ってはこなかった
彼なりに早く
上がってきてくれたとは思うが…
まだお風呂に入りたくないと
さっきまで言っていた息子が
パパを待っているのが
億劫になってきたのか
「ベッドで横になってるから
パパが来たらお風呂に入るんだよ」
と行って消えようとしたら
「やっぱりママと一緒にお風呂に入る!」
と言い出した
仕方ないのでお風呂に入り
宿題を見たあと
本読みをしながら彼が寝るまで
ずっと付きっ切りだった
その間
意識は朦朧
かなり辛かった
これまさに
白血球が少ない証拠
はあ…
長引いた咳はやっとこさ治ったものの
今度は白血球が少ないとは…
困ったのお
までも
延期になっている治療について
これ以上鬱々と案じても仕方ない
昨日採血に行った際
ナースから聞いた面白い話をしよう
この写真は
昨日採血に行ったついでに
PICC LineのDressingを
してもらっている時のもの
夕方5時近くのロサンゼルス
外はもうこんなに暗い
先週の金曜の朝から昼過ぎまでは
何事もなく仕事をしていたというナースの彼女
夕方に労働組合が
ストライキを起こした
と言う連絡を受けた
すぐに病院側と労働組合が
仮契約を交わしたので事なきを得たが
もしすぐに契約が病院側と
まとまらなかった場合
強行突破で仕事を1週間休み
道端で仲間達とプラカードを掲げ
デモに参加する予定だったそう
これで向こう4年間は安泰なので
ストライキはないから安心してね
とも言われた
私:もしデモに参加して休んだ場合
給料はどうなるの?
nurse:もちろんもらえない
だからうちの旦那に
「頼むからストライキは1週間だけにしてくれよ」
と念を押されていたわ 笑
給料をもらえない事を覚悟で
彼らはストライキを起こしていた
そこまでしないと
給料や待遇は良くならないのだろうか
今一番必要とされている職業なのに…
アメリカの医療機関の闇を垣間見た瞬間
今いろんなことが見直されている
New Normal
なんて言葉もたくさん生まれてる
今まで普通だったことが
それではうまくいかなくなり
みんなでもっと住みやすいように
ルールを変えていく必要がある
変わって行くことが
とても自然な今だからこそ
アメリカの医療機関に
大きな革命が起こって欲しいと切に願う
毎週病院に通っているからこそ
現場のナースたちの複雑な心境を
聴くことができた
私にできることと言えば
このエッセイを通じて
自分がリアルに見たこと
感じたことを発信していくしか
方法がないかもしれない
でも他人事のように
知らないふりをしているのは違う
自分の意見を発信し続けていくこと
それが私の唯一彼らにできる事
医療従事者の方
いつもありがとうございます
がんばってください‼️