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賢者の書
著者 喜多川泰
ディスカバリー · トゥエンティワン
読書ノートが写経になってしまった、、、
九人の賢者のそれぞれの教えがとても奥深く、後で振り返って読む自分が勘違いを起こさないように段落まるまる書いてしまった部分も。まあ特にルールのないノートなのでいいのですが。
賢者の書はとても大きな盛り上がりのある類の小説ではなく、人生についての教訓を小説形式で登場人物と共に学んでいくような感じ。
特にグサっときたものを書いてみようと思います。
すべての土台となる第一の賢者『アクト』の教え。
お前がひとつの行動を起こす。そうすると、それに対してピースがひとつもらえる。人生というのは、単にこの連続でしかない
行動によって得たピースを使ったパズルの完成形を思い描くことを夢、完成されたパズルのことを成功の人生と呼ぶ。
行動を起こした結果は良いものとは限らない。それでもピースは手にはいいる。ピースは行動の結果学んだことであって、失敗も成功も、ピースが欲しかったものと同じかなども関係ない。それをどのように絵に使っていくのかを考えることが大切なのだ。
多く行動すればより多くのピースがもらえ、それはより大きな絵、夢が描けるということだ。逆に言えば、大きな夢をかなえたければそれだけ多く行動しなければならないということでもある。
私は今描いている夢の絵を完成させるだけの行動をしているだろうか。
そして、失敗だと決めつけてピースを捨ててしまったことはないか。
第五の賢者『デイル』の教え。
人間の一生というのは、自らの伝記を書きつづっているようなものだ。君が最高の賢者になり、死後、伝記が書かれるとするならば、今の君はまさに三津からの伝記の一部を成すエピソードをつくっていることになる。つまり、生きるというのは、自らの伝記を自ら書くということなのだよ。
どの偉人の伝記にも、その人の将来の成功を確信させるエピソードが必ずある。
ということは、成功したいのならばすることはただ一つ。
今日一日、成功者になるにふさわしい過ごし方をすること。自分の伝記を読んでいる人に、自分の成功を確信させるのだ。
それができれば、今持っているものに関係なく、未来の成功は約束されたも同然である。
これは簡単にできるようなことでは全くない。それでも、成功には一日の積み重ねが必要なのだと、過去や未来に固執して無駄にする時間などないのだと改めて教えてくれた。
第八の賢者『ワーズワース』
言葉はあらゆるものを導くわ。あなたが日頃、意識的にであれ、無意識であれ使っている言葉に人が引き寄せられたり、離れていったりする、つまり言葉は出会いや別れを生むの。言葉が行動を生み、言葉によってある選択が生じ、決断が生まれる。
あなたの言葉を一番聞いているのはあなた自身なの。そしてあなたは誰の言葉よりも自分自身の言葉に強い影響を受けて人生をつくっているの。
noteにいる方々は言葉に気を付けている人が多いように思う。でも周りを見てみれば、思ったことをそのまま吐き出してぶつけたり、自分の価値を下げることばかりを言う人は少なくない。
相手に渡す言葉も、自分にかける言葉も、なりたい自分ならどんな言葉を使うのか考えていきたい。
そして最後の教え。第九の賢者が少年サイードから教えられたこと。
真に学ぶ姿勢がある者にとっては、世の中のあらゆる人が師となりうるのだ。教えた側が賢者なのではない。学んだ側が賢者だったのだ。そして最高の賢者とは、だれよりも多くの人からいろいろなことを学べる素直な心を持つ人なのだろう。
「学んだ側が賢者」
確かにそう。
学ぶ姿勢の大切さは『勉強が面白くなる瞬間』(パク・ソンヒョク)にも書かれていたと思う。
何をするにも誰と話すにも学べることは必ずある。学ぼうとしなければピースは見つからず、見つかったとしても要らないものとして捨ててしまうだろう。
賢者の書に書かれた教えはどれも基本的なものだと思う。誰もが聞いたことのある内容。教えられるときは大体聞き流して、理解してもすぐおろそかになる類の。
この本はそれぞれの教えに教科書とは違う新しい角度の見方があり深く納得させられた。
本の文体は子供向けのような感じがしますが、大人でも自身の人生を見直すことのできる良い機会になると思います。