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【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】秋の味覚「きのこ」の魅力!

千葉市内、千葉駅すぐ、女性と子ども専門鍼灸院『鍼灸 あやかざり』です。いつも【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】の記事をお読みいただき、ありがとうございます。

朝晩、ほんの少しずつですが空気がさわやかになり、秋の気配を感じられるようになってきています。
秋と言えば、芸術の秋、スポーツの秋、そして、食欲の秋!!
さんま、栗、さつまいも、柿…と、美味しい食材が食卓に並ぶ季節ですね。
そんな秋の食卓に欠かせない存在と言えば…やはり「きのこ」ではないでしょうか。
先ごろの様々なものの価格高騰で食費を抑えたいと考える主婦にとっても、「きのこ」は強い味方となってくれます。

そこで、今回は「きのこ」について、そのヒミツと「きのこ」の魅力をご紹介していきます。
『5.千葉と「マツタケ」』では、千葉産マツタケ!?をとりあげています。

では、どうぞ最後までお楽しみください!


1.「きのこ」の歴史

「きのこ」というのは通称で、植物の果実や花に相当する部分にあたります。
植物の仲間のひとつだと思っている人も多いとは思いますが、植物でも動物でもない、菌類が作り出す糸状の菌糸が集まって塊状になったものが「きのこ」なのです。
そういえば、確かに、身近にある、しいたけやしめじなども、縦に裂いていくと、細い糸状になっていきますよね。

落ち葉や倒木、切り株に生える「きのこ」は、有機物を分解して無機物へ還元し、植物の栄養として土へ戻す役割を果たしています。
また、生きている植物と共生する「きのこ」は、その植物を乾燥や病害から守ります。
このように森林の生態系を守る重要な役割を果たす「きのこ」は、人間にとっては自然の恵みです。
「海の幸、山の幸」という言葉がありますが、この山の幸の代表格が「きのこ」だといえます。

日本は温暖な気候で、雨がよく降るので「きのこ」の生育に適していますが、いつ頃からそれらが食べられているのかははっきりとはしていません。
しかし、日本には森林地帯が多くあり、そこには様々な「きのこ」が自生していますので、かなり古い時代から食材として利用されていた、と考えられています。
縄文時代や弥生時代の人々も「きのこ」を収穫して、食事にしていた可能性が高いと考えられていますので、「きのこ」に対する日本人の味の感覚は、古代から現在まで続いているといえそうです。

これだけ古くから身近な食材ですので、さまざまな物語の中にも「きのこ」は描かれています。
平安時代に書かれたといわれている今昔物語に中には、毒キノコのオオワライタケやツキヨタケなど、「きのこ」を題材にした話が5話登場します。
この時代にはすでに毒のある「きのこ」と食用の「きのこ」が知られていたのですね。

2.いろいろな「きのこ」

食べられるきのこ

「きのこ」は国内だけでも4000種類以上存在していますが、そのうち食用にできるものは約100種類ほどです。
なかでも一般的なものとしては、しいたけ、しめじ、えのきなど10数種類が、スーパーなどで市販されています。
「きのこ」の旬は秋ですが、松茸以外はほとんど人口栽培されているため、季節に関係なく一年中出回っています。

せっかくなら旬の天然の味を楽しもうと、秋のキノコ狩りに出かける方はご注意を!
先ほどお話ししたとおり、野生の「きのこ」の大半は毒キノコなのです。

毒キノコ

『縦に裂けるものは食べられる』、『地味な色のものは食べられる』などさまざまなの言い伝えもあるようでうが、それらはすべて迷信である、とも言われています。

農林水産省のホームページにも、『野生きのこによる食中毒を防ぐために』という記事が出ています。
その他、各自治体からも注意が呼びかけられています。
それにも関わらず、毎年、全国で毒キノコによる食中毒が発生しています。
毒キノコを見分けるのは素人判断では難しいため、自分で採ったものだけでなく、ひとからの頂き物であっても、確実に食用の「きのこ」と判断できない場合は食べないようにしましょう。

もちろん、経験を積んだ「きのこ」の専門家の判断に任せるのが一番です!
(専門家でも見誤ることがあるそうです。)
各地でキノコ狩りツアーが開催されますので、キノコ狩りが初めてという方は参加してみるのもいいですね。

3.栄養学としての効果

「きのこ」類は水分が多く、野菜に似ていますが、ビタミンCをほとんど含まない点に大きな違いがあります。
食物繊維を豊富に含み、海藻やこんにゃくに並ぶ低カロリーの食品です。
また、亜鉛、銅、ビタミンB1・B2 ・Dなども多く含んでいて、特にビタミンDは、日光を当てることエルゴステロールがビタミンDに変化するため、生の筐体よりも増加します。

●食物繊維:
「きのこ」に含まれている食物繊維の種類は、種類によって異なります。
エリンギやしめじ、えのき茸は、水に溶けない性質を持つ不溶性食物繊維を多く含んでいます。
なめこやしいたけは、水に溶ける性質を持つ水溶性食物繊維を豊富に含んでいます。
不溶性食物繊維は腸を刺激して排便をスムーズにする作用があり、水溶性食物繊維は便をやわらかくしたり、善玉菌を増やして腸内環境を整えるなどの作用があります。
さまざまな種類の「きのこ」を取り混ぜて食べることで、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく摂取でき、便秘解消の効果が期待できます。

●βグルカン:
水溶性食物繊維の一種で、植物や微生物の細胞壁を構成する主要成分の一つです。
「きのこ」のほか、大麦やオーツ麦に含まれています。
免疫力を高める効果があるといわれており、からだに入ってきたウイルスなどを撃退し、病気から守る働きがあります。 さらに、腫瘍を抑制する効果があるとの研究結果も出ており、注目されています。

●亜鉛:
からだに必要不可欠な微量ミネラルの一つで、多くの酵素の構成成分としても重要なミネラルです。
からだの中では、歯や骨、皮膚などすべての細胞に含まれています。身体の成長と維持に必要な栄養素で、味覚に関わる細胞をつくる働きもあるので、食べ物をおいしいと感じるのに欠かせません。

●ビタミンD:
骨を作るのに欠かせないカルシウムやリンの吸収に関係する栄養素です。
丈夫な骨を維持したり、筋肉の発達に作用したりする効果が期待できます。
日ごろからカルシウムと一緒にビタミンDを摂ることで、骨の量が減って弱くなり、骨折しやすくなる骨粗しょう症を予防することができます。
ビタミンDは日光浴によって体内で生成されますが、食品から摂取しようとした場合には「きのこ」や魚類など、ごく限られたものからしか摂ることができません。

●グアニル酸:
昆布に含まれるグルタミン酸、鰹節に含まれるイノシン酸と並ぶ三大旨味成分の一つです。

4.東洋医学的な効能

東洋医学的には、種類に関わらない、「きのこ」共通の性質があるほか、種類によるそれぞれの性質もあります。
ここでは日常的になじみのある「きのこ」について、それぞれの効能をご紹介します。

1)「しいたけ」:中国名 香菇

しいたけは寒性で、からだにこもった余分な熱を鎮める作用があります。「肝陽亢盛」で高血圧の方には適していますが、「陽虚」の方や妊娠中の方には向かない、とされています。

【性質と味】甘、平(甘、寒)
【関連する臓腑経絡】肝・胃経

①清暑熱(せいしょねつ)
夏バテを解消し、からだにこもった余分な熱を収めます。

②補益気血(ほひえっき)
気虚、あるいは血虚の状態を改善し、バランスを整えます。

2)「えのき」:中国名 金針菇

【性質と味】甘・鹹、寒(甘、涼)

【関連する臓腑経絡】肝・胃経

①平肝和胃(へいかんわい)
肝の機能が高まった状態を改善し、胃腸のはたらきを助ける作用があります。

3)「しめじ」:中国名 玉蕈

『香りマツタケ、味シメジ』と言われるほどおいしい「きのこ」です。

【性質と味】 甘、平

【関連する臓腑経絡】 胃・脾経

①益脾胃(えきひい)
胃腸のはたらきを高める作用があります。

4)「まいたけ」:中国名 灰樹花

【性質と味】 甘、平

【関連する臓腑経絡】 肝・胃経

①補気健脾(ほきけんぴ)
脾虚による倦怠感、食欲不振などを改善します。

5.千葉と「マツタケ」

『香りマツタケ、味シメジ』と言われても、やはり、秋といえば、一度は、マツタケを食べてみたくなりますね。
マツタケが生えるのは、アカマツやコメツガエゾマツなどの針葉樹林で、落ち葉が堆積しにくく、やせた土地です。
日本の主な産地は、岩手県、長野県、岡山県となっています。

では、千葉にはマツタケはないのでは・・・?!

そう思った方へ、グッドニュースです。
実は、千葉県にも名産のマツタケがあるんですよ!!!

その名も「バカマツタケ」といいます。
ずいぶんひどい呼ばれ方ですが、 マツタケによく似ていて、本家のマツタケよりも早く出るためにこんな名前で呼ばれているそうです。
千葉では「房州松茸」と呼ばれていますが、地方によってはさまつ(早松)、あるいは、ニタリ(似タリ)とも呼ばれています。
味も香りもマツタケにそっくりだとか…。

房州松茸は、9月中旬から10月頃に、南房総に位置する館山市の直売所で販売されるそうです。
お値段は、本家の「マツタケ」に比べるとずいぶんお値打ちなようです!
また、「バカマツタケ」は奈良県で人工栽培に成功しているそうなので、いずれは手軽に食べられるようになるかもしれませんね。

6.まとめ

マツタケの土瓶蒸し

「バカマツタケ」が人口栽培されたとは言っても、「マツタケ」も「バカマツタケ」もまだまだ高嶺の花です。
それでも『旬のきのこを楽しみたい!』という方は、キノコ狩りに出かけてみてはいかがでしょうか。

千葉県内では、千葉駅から電車で20分ほどの佐倉市内に、1994年に開園した佐倉きのこ園があります。
ここでは、季節によってしいたけ、きくらげ、あわび茸など、1年中キノコ狩りを楽しむことができます。また、採れたてのきのこをその場でバーベキューで楽しむこともできます。
今回の記事を読んで興味をお持ちになられた方は、秋の行楽に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

いかがでしたでしょうか?
『秋の味覚「きのこ」の魅力!』はお楽しみいただけましたでしょうか?

このように、身の回りにあるいろいろなものを東洋医学的にみていくと、鍼灸のほかにも、身近なところに自然治癒力を高めるヒントがたくさんあることに気づかされますね。

食養生、毎日の食事こそがわたしたちの身体をつくるもととなっています。最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!

鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132

画像の出典:https://www.photo-ac.com/

参考文献:『中医臨床のための中薬学』、『東方栄養新書』、『オールガイド食品成分表』ほか
参考資料:農林水産省ホームページ

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