【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】生命力の花「タンポポ」の世界
千葉市内、千葉駅すぐ、女性と子ども専門鍼灸院『鍼灸 あやかざり』です。いつも【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】の記事をお読みいただき、ありがとうございます。
まんまる、真っ白、ふわふわっとした、かわいらしい「タンポポ」の綿毛。
それを手にとって、ふーっと息をふきかけると、風にのってふわふわっとした「タンポポ」の綿毛がいっせいに空気中に舞い上がります。
こんな遊び、子供の頃に、だれしも一度はしたことがあるのではないでしょうか?
今回は、東洋医学からみる「タンポポ」の世界をご紹介していきます。
それでは、どうぞ最後まで、お楽しみください!!
1.「タンポポ」の花のつくり
「タンポポ」はたくさんの花びらが集まっているように見えますが、実は花びらの一枚一枚が一つの花なのです。
花びらと思っている部分をよーく観察してみると、それぞれにめしべとおしべがあり、根元には種のもともついています。
種を運ぶ綿毛の一本一本が、もともとひとつの花だったことがわかります!
綿毛は風に乗って、新しい土地に運ばれて行きます。
そして、都会でも田舎でも、土のあるところであればどこでも新たな芽を出します。
こうして見ると、「タンポポ」はとても生命力が強いですよね。
2.「タンポポ」の由来
「タンポポ」はキク科の多年草で北半球を中心に世界中でみることができます。
その名前は、一説には、花が咲いた後の形が綿球を連想させることから「タンポ穂」と名付けられたといわれています。
日本で見られる「タンポポ」は大きくわけて2種類、日本固有の在来種である「ニホンタンポポ」と、海外から伝わった外来種である「セイヨウタンポポ」にわかれます。
「ニホンタンポポ」はさらに20種ほどに分類され、「カントウタンポポ」や「カンサイタンポポ」などがよく知られていますが、都市化による開発などで年々減少してきています。
「セイヨウタンポポ」は外来種で、繁殖力が強いため都市部を中心に日本で各地で見られます。季節に関係なく花をつけるのも特徴です。
花のつけ根にある総苞片(そうほうへん)が下に反っていますので、「ニホンタンポポ」と区別できます。
種類によって開花時期も花の形や色も違っているので、見かけたらじっくり観察してみるのもおもしろいかもしれません。
中国では古くから乾燥させた全草が生薬として使われてきました。
代表的な品種は「モウコタンポポ」で、中国名を「蒲公英(ホコウエイ)」と言います。
この名前には、次のような伝説があります。
『四川省体足県で一人の若い娘が重い乳腺炎にかかりました。誰にも言えず死のうとしたところに、漢方医が現れ、ある山野草をお粥にして食べるよう進めました。娘が言われたとおりに食べると、乳腺炎が全快しました。その草には名前がなかったので娘の名「蒲公英」を付けたそうです。』
その後、「蒲公英の粥」は民間療法における乳腺炎の薬として広まりました。
また、花の構造が丁子に似ているため「黄花地丁(オウカジチョウ)」または「蒲公丁(ホコウチョウ)」と呼ばれてもいます。
3.「タンポポ」の効能
3-1.東洋医学的な効能
東洋医学的な性質、効能は次のとおりです。
【性質と味】 苦・甘、寒(甘、平、無毒)
【関連する臓腑経絡】 肝・胃経(腎)
①清熱解毒(せいねつげどく)
熱をさまし、解毒する作用を持ちます。
腸炎や骨髄炎、黄疸を伴う急性肝炎や胆のう炎、扁桃腺炎、耳下腺炎、呼吸器感染症、皮膚の化膿症 など、全身の炎症を伴う疾患に対して効果的であるといわれています。
女性特有の乳腺炎にも有効で、乳腺の腫れや硬い結節を消します。
②理気(りき)
気の巡りをよくする働きを持ちます。
嚥下障害、胃炎や胃潰瘍などによる胃の不調、消化不良の改善に効果的であるといわれています。
授乳中の女性に対しては通乳の作用もあります。
③外用の効能
急性結膜炎や虫刺され、やけどなどに効果的であるといわれています。
タンポポは解毒作用、利尿作用が強いため、食積痰湿(食べすぎや飲み過ぎによる胃腸の疲労がある)体質の方の乳腺炎には向いていますが、もともとからだの水分が少ない陰虚体質の方の場合には逆効果になります。
また、胃腸が弱い方は、他の生薬と配合して使うとよいとされています。
3-2.現代の研究による効能
現代の研究では、以下のような効能がといわれています。
①免疫力を高める作用があり、リンパ球の産生を促進します。
②病原体への抗菌作用があり、浸出液は薬剤耐性のあるブドウ球菌や溶血性レンサ球菌に対して殺菌作用が認められています。
③カリウムが豊富に含まれるため利尿作用があり、老廃物や余分な水分を排出する効果があります
④肝機能を回復する作用があります。
⑤抗がん作用が認められています。
4.タンポポの食べ方
「タンポポ」は世界中で食用として親しまれています。
そこで今回は、各国タンポポの食べ方をご紹介します。
●日本:古くから春に伸びた若芽と花を茹でてあく抜きしたものをおひたしや和え物に使っています。
春先の若葉は天ぷらなどで、根はきんぴらにして食べられています。さらに、根や葉を煎じたお茶も親しまれています。
●アメリカ:先住民(ネイティブアメリカン)の人々は乾燥させた根を焙煎し、粉末にして飲用していました。「タンポポ」の根は栄養豊富で興奮作用がありながらカフェインが含まれていませんので、今ではコーヒーの代わりに飲用されるようになり、商品化もされて、世界に流通しています。
●ヨーロッパ:葉はサラダやスープに使う食材として一般的に知られています。マルシェなどでも野菜として売られているそうです。
●中国:葉を炒め物や和え物、揚げ物にしたり、お粥に入れたりして食されていますが、生薬として利用されることの方が多いようです。
5.千葉市内のタンポポスポット
『鍼灸 あやかざり』の近く、千葉市内でタンポポスポットとしておすすめするのは、『青葉の森公園』です。
この公園は、千葉県千葉市中央区にある千葉県立の都市公園で、千葉市の中央部に残された貴重な樹木及び自然の地形をできる限り生かし、人々がうるおい、やすらげるよう、緑に調和した文化の香り高い総合的な公園として整備されたのものです。
自然鑑賞やレクリエーションだけでなく、文化・スポーツといった機能もあわせもった広い公園ですので、ぜひ、一度出かけてみて下さいね!
6.タンポポとオムライス
最後は、みんな大好きな食べ物とタンポポの関係についてです。
洋食屋さんのメニューで目にする「たんぽぽオムライス」、タンポポとオムライス、いったいどんな関係があるの?なぜ?と思ったことはありませんか??
実際、このメニューの材料には「タンポポ」は使われていません。
では、どうして「たんぽぽ」が名前についているのでしょうか?
「たんぽぽオムライス」は、伊丹十三監督の映画『たんぽぽ』の中で登場するオムレツを使ったオムライスで、伊丹監督が考案し、東京日本橋の老舗洋食店「たいめいけん」がつくりだしたと言われています。
チキンライスの上にのったふわふわのオムレツにナイフを入れると、中身の半熟卵がとろっとあふれ出してチキンライスを覆います。
想像しただけでも美味しそうですよね。
オムライスはお店によって作り方が異なり、味にもそれぞれ個性があります。
薄焼き卵でくるんだ昔ながらのオムライス、「たんぽぽオムライス」、それともアレンジされたおしゃれなオムライス、好みは人それぞれですね。
筆者の鍼灸院『鍼灸 あやかざり』が所在する千葉市内、千葉駅の周辺にも、オムライスの専門店や老舗洋食店、カフェなどさまざまなお店があり、手軽に食べることができます。
みなさまも、お近くのお店に足を運んでオムライスを食べ比べてみてはいかがでしょうか。
7.まとめ
最近では健康志向が高まったことで、専門店だけでなくスーパーでも健康茶が販売されています。
カフェインを気にする方はもちろん、コーヒー好きの方もたまにはひと味違ったタンポポコーヒーやたんぽぽ茶を試してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
東洋医学からみる「タンポポ」の世界、お楽しみいただけましたでしょうか?
このように、身の回りにあるいろいろなものを東洋医学的にみていくと、鍼灸のほかにも、身近なところに自然治癒力を高めるヒントがたくさんあることに気づかされますね。
食養生、毎日の食事こそがわたしたちの身体をつくるもととなっています。それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!
鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
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参考文献:『食材効能大事典』、『東方栄養新書』、『オールガイド食品成分表』ほか
参考資料:千葉県ホームページ