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小説:雑食女子が走るP3「脱出50」

一体、何を手に入れようとしているのか?

流石に、それまでは、マックでは探れない。
が、
予測は可能だ。
多分、
それは地方都市への侵入に必須のモノ。

まずは、呼吸装置。
地方都市の大気環境は劣悪と聞く。
ならば、清浄マスクと酸素呼吸器が必要だ。
次は、飲食類。
向こうで汚染された食品を口に入れた瞬間、首都圏人は悶絶するだろう。
それに衣服。
目立たない、地方都市人風服装。

う~ん…

これは想像力の勝負。
あるいは、知性の違い?
否、
今まで、地方都市にどれだけの関心を持っていたかに拠るだろう…
ルーツ。
そうだ。
私のルーツは地方都市。
そこから里子として、送り出されてきた。
だが、
記憶は定かではない。
幼過ぎた。
唯、暗い、
そう、暗いイメージしか私の記憶には残っていない。

首都圏と地方都市が分離されて、はや、十年。
十年と言えば、隔世の感ありや?
十年だけではない。
それ以前から、首都と地方の格差はどんどんと生じていた。
そして、その分離を徹底的に決めたのが、あの惨事。
日本での連続地震災害。
何百万人もの市民が犠牲になった。
ああ、
思い出したくもない…

プ、ププ…

ゴーグルが電子音を立てている。誰かがアクセスしてきている。
茜?
私は急いで、ベッドに転がっていたゴーグルを取り上げた。


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