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小説:雑食女子が走るP3「脱出46」

カモシカのように、
否、あのチーターのように、
駆け抜ける…

それは夢。
見果てぬ夢。
イメージ先行であることは歪めない事実。
何故か?
トレーニング嫌い、
教えてもらう事大嫌い、
故に、
運動不足、
鍛錬不足、
そのツケは既に、太腿にやってきている。

ピクピク…

痙攣している。
乳酸が蓄積して、これ以上、筋肉が躍動することを拒否しようとしている。

「待て~~」
幸いなことに、後ろから追いかけて来る声も遠ざかっている。
不健全な日々。
それは今、この首都圏に暮らす全ての人々に共通する課題だ。
否、
課題とも感じていない点が課題…
故に、
私と同様に、
運動不足、
鍛錬不足、
加えて、運動能力不足。

廊下を駆け抜け、階段を三段飛ばしで降下し、3階から2階、更に1階へと向かった。
ある意味、奇跡。
本人がこれほど驚く行動力。
故に、
華たちは、当然フォロー出来ず。
詰まり、
逃げ切ったのだ…

在り得ない。
そうだ。
在り得ない成功体験。
茜無しで、自立!
出来るじゃん!!
そんな自信が沸々と湧いてきた。
てか、
もう、その時、私は正面から街へと飛び出して、エアタクシーに飛び乗っていた。


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