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小説:雑食女子が走るP3「脱出43」

くっ…
試験中。
今は、声も掛けられない。
どうしよう…

ふと、机の上を見た。
紙。
否、試験問題。
何時もは文字の羅列にしか見えないのに、何故か、鮮明に脳に響いた。
そして、自然とペンを取り、問題を解きだしていた。
理由は分からない。
発作。
あるいは、覚醒。
否、
反射反応。
茜が放棄した答案用紙。
ならば、
それを私が受け継がなくては…
そう思ったのか?

否、否、
そんな甘いものではない。
茜には勝てない。
全てに渡って。
特に勉学に関しては、絶望的格差が存在していた。
が、
今が、チャンス。
そう思ったのかも…

必死で考えた。
もう、周囲は全く気にならなくなっていた。
目の前の答案用紙に、目をくぎ付けして、ペンを走らせていた。

1時限、数学。
2時限、物理。
それが功を発した。
本来は得意な分野。
マックの取り扱いでは、私の方が数段上。
問題は基礎学力と知識。
不思議と答えが浮かんだ。
決して、卑劣な方法を取った訳ではない。
封印していた学力を解き放ったとでも言おうか…

気が付くと、本日の最終時限が終わっていた。
本日の合計は4時限。
時間にして、6時間。
良くぞ頑張ったものだ。
頭が割れるように、痛い。
こんなに集中したのは、人生初めて。
そう感じた。

茜は二時限で無断退出していた。
それさえも、気が付かなかった。
例え、気が付いていたとしても、私はブレなかったと思う。
目の前の答案用紙。
それが今の私の目標だった。

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