小説:雑食女子が走るP3「脱出45」
分かる。
何故か、分かる。
誰も、
どの女子学生も気が付かなかったが、私には
分かった。
変?
今までは意識しなかった。
が、
これって、恋愛感情?
かも…
茜を好きだからこそ、分かる恋愛感情。
そして、それは華も同様だった。
詰まり、ライバル視されていた。
それで無くても、浮いている。
当然だ。
肌の色、
背の高さ、
そして、何よりも真っ直ぐな考え方。
それらを全て、茜が守ってきた。
友達として…
付かず離れず、微妙な距離感をキープして…
が、
今、その存在は消えている。
本来なら、茜で消えた段階で、危険予知して、私も下校したはず…
なのに…
私は一心不乱になって、問題集に取り組んでいた。
否、
茜が居ないからこそ、束縛された…
私がやる。
茜の替わりに。
そんな熱意に取り付かれていた…
不味い…
相手は6人。
幾ら、こちらの方が背は高いとは言え、勝てる人数ではない。
はったりも、効かない…
ちらっと、背後を伺った。
君子危うきに近寄らず…
だっ!
踵を返すと、私は走った。
否、
跳んだ。
後ろを振り向くことなく、必死で廊下を駆け抜けた!!
「待て!」
「に、逃げるな!!」
「卑怯者!!!」
背中から声が上がる。
待つ馬鹿が何処に居る?
逃げるが勝ち、否、逃げるは恥だが役に立つ?
卑怯はどちらだ?
あんなに沢山の人数で脅しておいて!
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