ゴミは私たちの悪の遺産
前回の続き
今までなんとなくボヤーっと考えていたゴミ問題。調べれば調べるほど、どれだけ私たちに大きく関わる問題だったのかを思い知らされた。ただ何気なく家庭から出すゴミ。これくらいいいよね、となんとなく出していたゴミ。でも、そのちょっとした「これくらいいいよね」が積み重なると、それは大きな問題に広がっていく。
1、ゴミは私たちをどこに連れていくのか
ゴミを燃やすと物によってダイオキシンが発生する。メタンガス、悪臭、そのほかの有害物質が発生する。こういうものが大気汚染、環境汚染、資源のムダ使いにつながる。
だからゴミは減らさなくてはならない。ゴミ問題を知ると、その答えに行きつく。
ゴミから発生した数々の有害物質。気体のものは地球の大気に影響する。聞いたことがあるだろうが「温室効果ガス」なんていうものが大気中に充満してくる。もともと地球は太陽からの熱を受け、その熱全てを地球に受け取るのではなく、ある程度の熱を宇宙に放出することで地球表層の温度調整を行っている。大気をはさんで地球表層と宇宙の間での熱交換があってこそ地球のこの気候が保たれている状態だった。だが、大気に温室効果ガスが充満すると、もともと地球が行っている宇宙への熱放出作用を妨害してしまうことになる。熱放出ができないのだから、本来宇宙に放出していた熱が地表にたまる。そして、温暖化につながり、気候変動を起こすことにもなる。まさしく地球の表面を「温室化」してしまうガスだから温室効果ガスと呼ばれる。
もうその温室化はかなり深刻な状況となっている。日本でも、サンゴ礁が気候変動の結果、白化してしまう現象やソメイヨシノの開花時期が早まったり、動植物の生息地が移動するなどの問題が起きている。私たちが感じる部分でも明らかに夏は暑くなったし、冬も暖冬で雪がほとんど降らないなど、数年前と比べても気候の変化に違和感を感じるまでになっている。
世界的に見ても氷河の氷が解け、海面上昇などの問題も起こっている。アラスカの凍土が溶け、そのせいで永久凍土の中のメタンガスや炭化水素などが放出され、さらに大気汚染を進めてしまうというさらなる悪循環にも陥っている。
温暖化が進んでいくと、地球全体のバランスが崩れ、ある地域では豪雨が増え、またある地域では雨が全然降らないため干ばつが起こるなど地球全体の降水量のアンバランスが起こりやすくなる。
気温の変動で、これまでの生態系にも大きな影響を与え、動植物の生態系がおかしくなり、これまでの地域で住めなくなった生きものたちが移動することで全体の生態系のバランスが崩れてしまうことになる。
農作物への影響も深刻だ。砂漠化も進んでおり、食料不足が深刻になっている地域もある。
また、海面上昇が進んでいくと、いずれは人間が住んでいる地域もどんどん減っていき、今いる人口を養えないほど住める土地自体が減っていく恐れも出てくる。
この異常なほどの温暖化により、森林火災も増え、熱中症で死亡する人も増え、日本でもようやくオーストラリアでの森林火災のニュースも流れるようにはなっているが、明らかにもう目をそらすことのできないところまで来ている。
全てゴミだけが原因であるわけではないが、それでもゴミ問題というのは一人ひとりが確実に関わっている問題。すべての人が毎日何かしらのゴミを出している。だからこそ、ゴミを変えるには、一人一人の意識が変わらない限り改善しようがない。たった一人の行動がよくも悪くも関わってくる問題なのだ。
2、地球の未来
誰かがやっていればいい。そんな他人事でいられる時代はもう過ぎた。この地球がこれから先も人間たちを生かし続けてくれる保証はない。46億年前に地球が誕生し、あとから生まれた人類がこんなにあっという間に地球上をある意味侵略し続けてきて、もうすぐ地球を食らい尽くしそうな勢いになっている。
地球がこれまで私たちを育んできてくれたから今の私たちはこれだけ豊かに暮らすことができている。でも、それは当たり前ではない。何かを犠牲にして作られた今の仮の幸せ。このままでいいのか。今がよければいいのか。
このままでは地球の未来が見えない。未来を生きるはずの子どもたちにこんな地球をそのまま逃げるように手渡していいものか。私たちは子どもたちにどんな世界を見せてあげたいのか。
今私たちにできること、すべきことは何か。
問題から目を背けるのはもうやめよう。