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インタビューとは違う?話し手が主役の聞き書き体験で見つけた宝物/新潟市秋葉区
インタビュー記事ってよくありますよね。
でも「聞き書き」って聞いたことありますか?
聞き書きとは
人々の経験や知識を直接聞き取り
それを文章として記録する手法です。
それってインタビュー記事と同じじゃないの?
いいえ、違うんです。
話し手のお話を聞き、文章にまとめる
これだけ聞くと単なる
インタビュー記事だと思うじゃないですか。
![](https://assets.st-note.com/img/1731466966-7K8bET9fd2vQjo5tYu3m6JzZ.jpg?width=1200)
でも聞き書きは普通じゃないんです。
お話を聞き、文章にまとめる点では
通常のインタビュー記事も聞き書きも同じ。
ですが
聞き書きの体験を通して得られた体験は
全く異なるものでした。
ライターとして文章に関わってきた私にとって
聞き書きの体験は・・・
\\ めっちゃ面白かった~~~ //
この一言につきます。
今日は聞き書きの魅力と
2024年9~11月 新潟市秋葉区で開催された
『はじめての聞き書き講座』
についてご紹介します。
聞き書きってどんなことをやるの?
少しピンと来ていない方もいるかと思うので
もう少しだけ聞き書きについて
お話しさせてください。
聞き書きとはの補足です。
「聞き書き」とは、話し手の言葉を録音し、一字一句すべてを書き起こして、ひとつの文章にまとめる手法です。
仕上がった文章からは、話し手の語り口や人柄が浮かび上がり、「聞き書き」を通して、地域に住んでいる人たちの持つ知恵や技、その生き様やものの考え方を学び、受けとめることができます。
名人の長い経験から生まれた、ひとつひとつの言葉が糧となり、自然と人の暮らしとのつながりを考える大きなきっかけとなり、里海づくり活動の方向性を探る上での、有効な手段となります。
そもそもこの活動を通して
語り手の人柄、知恵、生き様を学び取ることで
今の暮らしを見つめていこうよと始まったのが聞き書き。
(私のざっくり解釈です)
![](https://assets.st-note.com/img/1731467020-HGFRZwbrnackBjimLt3P7zph.jpg?width=1200)
これって目まぐるしい現代にこそ
必要なものだと思うんです。
で、今回、注目したのがこの手法そのものです。
話し手の言葉を録音し
一字一句すべてを書き起こして
ひとつの文章にまとめる手法
一字一句全てを書き起こす
・・・ここまでは普通のインタビューでもやることはあります。
でも聞き書きは徹底的に話し手が主役。
![](https://assets.st-note.com/img/1731467104-IkFeJO1Ez627VsUYgvByj0ZR.jpg?width=1200)
T:徹底的に
H:話し手が
S:主役!!
THSなんですっ‼(一人で盛り上がってる)
聞き書きの特筆すべき特徴は
話し手の言葉しか書いてはいけないこと
なんです。
合いの手や質問はもちろんNG。
聞き手側の推測や想いなどは一切入れられないんです。
語り手の言葉だけで伝える。
だから徹底的に語り手が主役。
THSなんです。(しつこい)
こう聞くと聞き書きがどんなものなのか
少し興味が出てきませんか?
新潟市秋葉区の聞き書き講座に参加してみた
![](https://assets.st-note.com/img/1731467236-ZHtqB2f1PkImELOez8Fx4lJj.jpg?width=1200)
我が町では昨年に引き続き
今年も聞き書き講座が行われました。
題して「はじめての聞き書き講座」
ちなみに昨年開催時の紹介はこちらです↓
講師はやまのみのり舎 代表の榎本淳さん。
各テーマにまつわる関係者をお呼びし
話し手の方々の聞き書きを通して
この町の魅力を再発見していくこの講座。
全3回+自主学習という構成で
ちょうど先日3回目の講座を終えたところです。
記憶を記録に残す
![](https://assets.st-note.com/img/1731467387-eYkKVW3FO0tZSEfucLxm7DzB.jpg?width=1200)
今、記録に残さなければ
いずれ失われてしまう町や人の記憶。
それを形として残すなんて
素晴らしい取り組みだと思うんですよね。
新潟市秋葉区「はじめての聞き書き講座」
今年のテーマは・・・
花卉園芸。
![](https://assets.st-note.com/img/1731467459-V49gUNDFTEWz7HIYLnOS3dZ8.jpg?width=1200)
※花卉とは花だけでなく観賞用の植物全般を指します。
え?新潟と花卉がピンとこないですって?
何を隠そう新潟市秋葉区の
特に小合地区は全国的にも有名な花の産地。
全国シェアトップクラスの品種を
いくつも抱えている
花卉園芸の一大産地なんですよ!
え?知らないって?
(・・・実は私もこの小合地区に嫁ぐまで知らなかったんですけどね。)
今回の語り手は昔から
花卉園芸に携わってこられた
地元の名士の方々。
地元民としては参加しないわけにはいきません!
実際に聞き書きを体験してみたら
地元の歴史的なお話や
オランダとの取引のお話
この他にも初めての話が盛り沢山。
話し手の方がとても魅力的な方で
お人柄も相まってとても楽しくて面白いお話を
お聞きすることができました。
あっという間の1時間で
もっと聞きたい!知りたいが溢れてしまいます。
この小合地区が新潟と世界を結ぶ
ユニークな存在であることを知って
ますます町に愛着がわいたのでした。
その人”らしさ”が溢れ出る聞き書き独自の楽しさ
![](https://assets.st-note.com/img/1731467698-QvfLq2MyrX9gOBtH1Cboxz6J.jpg?width=1200)
聞き書きの面白いところは
話し手の言葉が”そのまんま”
書き起こされること。
なのでその人らしさが
文章からダイレクトに伝わってくるんです。
今までライター活動をしてきた私にとって
その部分が特に新鮮な体験でした。
今までの取材記事の場合は
お話の中から一部だけを切り取ったり
私なりに解釈したり
私の中を通して出てきた言葉で紡いでいました。
そこには”私”という第3者が介在していたんです。
![](https://assets.st-note.com/img/1731467878-jADBpR1karlEvLQIu5hWN3iH.jpg?width=1200)
でも聞き書きは違う。
聞き手の存在は0ゼロになって
話し手だけが浮かび上がります。
方言や口調もそのまんま。
文章を読み進めるたびに
その方が目の前で語っているかのような
臨場感が感じられます。
一つ一つの文章からヒト感というか
温度が感じられるんです。
![](https://assets.st-note.com/img/1731467808-idBFeSxJwAtKEIDlYsR3caOn.jpg?width=1200)
お話を通して
その人ならではの物語とその人自身が
どんどん浮かび上がってくる。
今まで私が書いてきた記事とは
全く違うものでした。
地域にとって人は宝だと思うんです。
いつかはいなくなってしまう
その人の存在を後世に伝える手段として
その人らしさが文章から伝わる聞き書きは
もの凄く最適なツールなんじゃないかなと感じました。
聞き書きって聞いた後どうするの?
ちょうど今、編集作業の真っ最中なんです。
![](https://assets.st-note.com/img/1731468030-je1DRpHYN5A0sJ3o9CMxPVZW.jpg?width=1200)
話し手の言葉そのままなら
編集作業はいらないんじゃないの?
そう思ったかもしれません。
今回の話し手のお話は1時間くらい。
その中には関係ない話だったり
同じような話があったりするので
全てそのまま使うわけにはいきません。
長すぎる文章は逆に苦痛になってしまいますし。
聞き書きでは話し手が
話していないことを足すことはできません。
でも切り貼りはOK。
話し手の魅力をできるだけ
無駄なくスッキリと読者に伝えられるかは
編集作業にかかってくるんです。
(聞く段階では質問力も必要)
どこをどう切り取って
どんな順番に組み替えるか。
今、頭を悩ませているところです。
地域の魅力に目が開かれる聞き書きの旅
来月には原稿が完成し
来年には冊子として形になる予定です。
![](https://assets.st-note.com/img/1731468150-3AmSWfDTdBaxF1ue0sc4g7ok.jpg?width=1200)
素敵なエピソードたちが一冊にまとまり
多くの方々に届く日が待ち遠しくて仕方ありません。
今回の聞き書きを通して
日頃は気づかない地域の奥深い魅力に
たくさん出会いました。
小合地区にこんなにも
豊かな文化や歴史があるなんて
実際に聞いてみるまでは分からなかったことばかり。
そして人としての魅力を伝えられる
聞き書きを実際に体験できたことも
私にとっては財産です。
地域の宝である記憶を残し
未来に伝えるこのプロジェクトは
私自身にとっても大きな発見の連続でした。
ぜひ冊子が完成したら
一人でも多くの方に読んでいただきたいな
と思っています。
今回は新潟市秋葉区で行われた
はじめての聞き書き講座と聞き書きの魅力のお話でした。
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