
休業日記 16日目 〜緊急事態でもグァバはおいしい〜
この数日で石垣市、竹富町の新型コロナウィルス状況は、あれよあれよという間に進行しました。あまりにも、どっとたくさんの情報が溢れてきてその波に飲み込まれてしまいそうです。
☆竹富町が緊急事態宣言
石垣島で新型コロナ陽性者3人目が判明し、石垣市長が緊急事態宣言を出した同日、竹富町からも緊急事態宣言が出されました。真綿でしめられていた首が、さらにキュッと強く締め付けられたような逼迫感。ちなみにこの宣言が出された日、波照間島から石垣島へ向かう夕方の船には約10名の観光客の方が乗船していました。真っ赤に日焼けした顔で自撮りしている様子に思わず唖然としてしまいました。
☆各離島への高速船がさらに減便 1日1〜2往復へ
各離島への定期船がさらに減便されました。これよりも前に波照間島は1日2便、鳩間島は1日1便に減便されていたのですが、今日からは全ての離島について1日2便以下に。さらに石垣島から乗船する際に全乗客に検温を実施しています。こんな事態はかつてなかったでしょうね。
各離島民も基本的には自宅待機ですが、高速船は島民の生活インフラであり、病院への通院や生活物資の買い物のために石垣島へ行かなければならないこともあるので本当にこれが最低限の船便数でしょう。
なんだ〜、船出てるんだね〜、じゃぁ離島に遊びに行こうよ〜!
人も少ないからラッキー!
とか!とか!
絶対ダメ!
島外の皆さま!
お願いだから、当面の間(特にGW期間中)離島に来ないでください!船に乗らないでください!
離島民からの切なるお願いです!
☆竹富町の営業自粛事業者に10〜30万円給付金
竹富町がすばやく新型コロナ経済対策を発表しました。ほとんどの事業所が営業を休止している中、これにより、ホッとした事業者の方はたくさんいると思います。少なくとも事業継続のための入金がゼロではなくなる。
ゼロはこわいこわい。ゼロが意味するところは、真綿ではなくてバラ綱(農作業で使う藁で編んだ綱)でキュッと首を締められたニワトリか。このコロナの影響は年単位で長引くと思うので10〜30万円は「焼け石に水」でしかありませんが、首が締まる速度を少しはゆるめることができるかもしれない。
これまで竹富町の施策や役場という組織について「???」と思うことが多かったのですが、はじめて「竹富町、なかなかやるな」と思いました。具体的な手続きは5月以降になるようですが、どうかそれまで町内の各事業所が持ちこたえられますように。
すでに陽性者が出ている石垣島では、さらにさまざまな対応策や営業自粛の動きが出ています。前線となる市役所、保健所、医療関係者では、戦場さながら、なんとか感染を食い止めようと頑張ってくださっている方々がたくさんいます。これ以上の最悪の事態にならないように祈るばかりです。
こういう事態になってくると、地方や離島など人口密度が低い場所は、都会よりも圧倒的に開放感があります。人口500人の島民のみが暮らしていたら(外からの移入がない場合)、密になる場所が本当に少ないことに気づく。一番密になるのは、居酒屋そして法事や祝い事などの催事でしょうか(島では、もちろん式や集まりといった催事は全て中止されています)
外に出てもほとんど人に会わない。静かに静かに島の時間が流れていきます。
観光業が主要な産業の一つであるため、このコロナ禍が引き起こす島へのダメージは相当大きいと思います。
うちの店を含めて観光業の方は、観光客が来てくれないと店が成り立たない、でも営業してもし島にコロナ感染が広がったら…という最悪の事態の想定、というジレンマがあります。自粛するのはいい、しょうがない、でも再開のGOサインを判断するのはものすごく難しいです。島民の命に関わってくるので。
隣に住む一人暮らしのおばぁに感染したらどうしよう?
島で唯一のデイサービスの利用者やスタッフに感染してしまったら?
診療所のお医者さんに感染して医者が島にいなくなったらどうしよう?
まだまだ続きそうなコロナ自粛期間、自分たちのやるべきこと、配慮すべきこと、進む道、いろいろと考えてみたいと思います。ある意味、変化のためのいい機会ですよね!
グァバが実りはじめました。島のおばぁに聞くとグァバは島の方言で「バンシル」または「トッキン」と呼ぶそう。おばぁによっては「バンシル」と「トッキン」は種類はちがうさ〜と言うこともありますが、聞いても違いがよく分かりません。おばぁにだけわかる見分け方があるのかな。
島民はグァバが大好きです。道端になっているのをちょっと失敬して畑帰りにかぶりつきます。「柔らかいのが好きさぁ」「いやウチはよ、硬いのが好きさ〜」「この種がよ、歯にはさまるさ〜」「こうやって最初に全部皮を剥いておいて、あとでまとめてガブリガブリと食べるのが好きさ〜」みんなかぶりつきながら嬉しそうにグァバ論を語ります。
自分もグァバが好きなことを告げると「でもよ、トッキンは食べすぎたら便秘になるからよ〜」これも数々のおばぁから繰り返し聞かされるグァバ便秘説です。ある意味、風物詩のように季節が1年めぐりくるたびに、同じようにグァバが実り、同じようにおばぁがグァバを語ります。グァバとおばぁはセット商品。
いつまでもこんな風景が続きますように。。
いいなと思ったら応援しよう!
