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10年後の自分

昨日、「生きのびるための事務」という広告を電車の中で見かけた。

私は事務職。ちょっと気になるタイトルだった。


隣の駅までネイルとマッサージに出かけた。

ネイルは割と格安でできるからという理由で選んだ。

久しぶりのネイルでこのお店は2回目。

だいたいこんな感じにしたいなという想像を膨らましながら行った。

担当してくれた女の子は20代前半といったところだろうか。
今時な印象を受けた。はじめ可愛らしい子だとは思ったが、とにかく愛想ゼロ。なんなら少しムスッとしているようにも見える。もともとこういう顔なのか、はたまた嫌々働いているのかは分からない。時々、ため息のような疲れを匂わすところが私を嫌な気持ちにさせた。

私は不快感を覚えた。いくら格安だからといっても、こちらは素敵なネイルになることを楽しみにしているのに・・・。

デザインの配置についても全く相談されずに、勝手に決まった。
会話は当然なく、相談も、気遣いもなし。


彼女に何があったのか分からないが、私は残念な気持ちだった。

今回ホットペッパービューティーの貯まったポイントを使ったため1200円ほどの支払いになったが、もうここに来ることはないだろうと思ってお店を出た。


なんだか疲れたな〜と思い、次のマッサージの予約まで1時間ほどあったので、駅前の本屋に行った。

そういえば、電車の広告で見た本はあるのかな〜なんて探していたらすぐに見つけた。

「あ、これだ。」

これも何かの縁だと思い、即決で購入。


近くのカフェでゆっくり読むことにした。

カフェラテ700円。私がぼーっと生きている間に随分と飲み物が高くなったなぁ。前まで500円くらいだったはず・・・。



本は、漫画形式で描かれているから、とても読みやすくイメージしやすい。
スラスラと読み進めていくうちに、私もこれ試してみたい!と思うようになった。


あっという間に時間が経ち、マッサージの癒し時間がやってきた。


デスクワークで首こり肩こりに悩まされてからは、よく通うようになった。

私が通うマッサージ屋さんは清潔感があり、どこか洗濯物の良い香りがする。働いている人の思いやりや親切さもとても自然で好きだ。

なんというかザ・ビジネスという感じがしない。もちろんセールスもしてこないし、次の予約の日も強引に進めてこない。

その自然な優しさがありがたく沁みる。


マッサージも私の中ではダントツ1位を誇っている。ツボにしっかり入っていて思わず「あぁ〜そこそこ」と言いそうになるのをぐっと堪え、心の中ではいつもつぶやいている。


ネイルの残念さはマッサージとともに溶かされ消えてなくなった。


いや、少しは残っていた。だってつい口コミを見ちゃったから・・・。
私と同感の人が7人ほどいて安心した。
長文でしっかりお怒りの言葉が丁寧に添えられていた。
口コミに「いいね」ボタンがあったら、私はきっとこの7人に押すと思う。

私も口コミ書こうかと思ったけど、せっかくのマッサージが台無しになってしまいそうだったのでやめた。




帰宅後、本の続きを読み進め、一気に全部読破した。

漫画形式とはいえ、なかなか読み応えのある本だった。

そしてこれは読むだけにとどまってはいけない気がした。

自分も試してみる必要がある。



「現在」と「未来の現在」。

今まで自分に自信が持てなくて、興味があって始めたものはすぐに辞めてしまっていた。


そしてそんな自分をまた否定する自分がいた。

「もう辞めちゃうの?」
「本当に何も続かないね〜。」
「結局続かないから、最初からやらなきゃいいのに。」
「どうせ誰も見てないんだからやっても意味ないよ。」


頭の中で鳴り響く声にいつも参っていた。
どんどん自信がなくなったし、やる気もなくなった。

結局私は何がしたいんだろう?
やりたいことすら分からない始末。
そんな自分にイライラする。

周りの人はみんな分かって生きているのかな。
自分の生きる道を、進むべき道を分かっているのかな。

完全に人生の迷子になった気分。


人と比べるともっと辛くなる。
人と比較しても意味ないっていうけど、自動的に比較してしまっている場合はどうしたらいいんだろう。この自動化を止める方法が知りたい。


そんな中、淡々と時間だけは過ぎていく。


この本には、そんな「現在」と「未来の現在」についてどう行動していけば未来に理想とする現在を創ることができるかが書いてあった。


まずは現在の自分をよく知ること。

自分が1ヶ月にどのくらいのお金を使っているのか、年間どのくらい生活するのに必要なのか。

そして、10年後の現在に自分がどうなっていたいかを想像してノートに設計していくこと。

これをできるだけ細かく設定する。

そして設定完了したら、現在と比べてできることをただひたすらやっていくだけ。


設定のポイントは「1秒たりとも好きじゃないものは含めない」。

つまり、「好きなことで埋め尽くす」ということが大事らしい。

こういった行動全てがこの本では「事務」というらしかった。


「好きなこと」でないと続けることが難しい。

途中でアップデートしていくことも大切だから設定を見直してもOK。


このノートに未来を設定することで、ひたすら「好きなこと」を続けてみる。
うまくやろうと考えると他人の評価が気になり出すため、とにかく適当でいいから続けることが大事なことらしかった。


確かに・・・と唸りながらも読んだこの本には、痛感することも書いてあった。


自己否定や自己肯定感も間違った「やり方」で、そんなものはそもそもいらず、うまく行ったら「やり方が合っていた」それだけ。

うまくいかなかったら「やり方が合っていなかった」それだけのことだという。


そう考えれば、変に自分を傷つける必要はないし、なんだかとてもシンプルで分かりやすかった。


この未来のノートで設定すれば、人生の迷子にもならない。

どうすればいいか分からなくなった時は、設定どうりに行動すればいい。



ここで直面する問題といえば、おそらく自分の好きなことって何だっけ?
ということだ。

これも日々の生活の中で、自然と暇ならよくやっていることややってみたかったこととかを設定に組み込んでいけばいい。

もし設定通りに行動してみて、続かないものがあればそれは好きではなかったもの、もしくは「やり方」がただ合っていなかったものということになる。


誰に見せるものでもないし、自分だけの事務ルーティンということだから・・・何だかやれそうな気がする!


しかも適当にやればいいということでさらに肩に力を入れる必要すらない。


本の通りに素直にやってみることにした。


まず1ヶ月にかかっているお金を計算した。
私は夫と二人暮らしをしているため1ヶ月に約18万円の費用がかかっていた。


また現在の日々のルーティンを円グラフにして、10年後の日々を円グラフにした。


10年後子どもが2人くらいいたら嬉しいなと想像してみた。
その時、私は何をしているだろうか・・・。

あ、好きなことをしていいんだから、朝はまず6時に起きて、散歩を少しする。
7時〜8時は子どもの学校の準備の時間にしよう。
送り出したら、コーヒータイム。
掃除や洗濯して、10時から仕事をしたいな。

仕事は・・・執筆がいい。
作文が好きだったから、自分が思っていることを書くことがいいな。
それが本になったりしたら、もう嬉しい限り。

で、お昼食べてゆっくりして午後からは、メール相談を受ける。
人と話すことがけっこう好きだし、相談を受けることもよくあるからメール相談という、人をサポートする仕事をしてみたいな。

電話相談も考えたけど、電話は親しい人以外はちょっとストレスだと感じたのでメール相談が自分にとってベストな気がした。

あとラジオのパーソナリティも実は密かに興味があってやってみたいと思ったことがある。
もちろん恥ずかしくて、人に言ったことなんてないけど、秘めてた部分。
今はポッドキャストでリアルタイムじゃなくてもラジオを聞けるからいい時代になったな〜なんて思う。
話す側は緊張するけど、メール相談を元に発信していくのもいいかもしれないとワクワクした。

16時に仕事を終えて、買い物しに出かけ、リラックスタイムを作る。

お風呂に入って、夕飯の準備して、みんなで夕飯を食べて、今日あった出来事とか聞いたり話したりして、お茶飲んでまったりしたい。

22時に就寝。


こんな1日が10年後にあったら最高。楽しそう。

そう未来のノートに書き記したので、初期設定はこれで完了だ。


あとは続けるだけ。

そして10年後、どんな自分に出会えるか・・・。






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