大丈夫、絶対音楽は、歌はあなたから離れないから 7 Ayako Tsuchiya 2019年7月22日 23:21 先のライブに向けての選曲で、11年前に聞き込んでいたアルバムを久々に聴いている。Joni MitchellのBoth Sides Nowオケバージョン。音楽は不思議。あの時聴いていた音を耳にすればあの時の自分の匂いや熱量を思い出すことができる。***11年前私は今住んでいる地域に引越しをした。場所が変わったのを同時に色んなことが変わった。3年半、OLフルタイム勤務の後に休まず月金で通ってた銀座のクラブの修行を卒業した。通勤ルートも変わり最低の満員ラッシュの日々となった。待ちに待った平日の夜に仕事帰り、ピアノや理論や英語のレッスンに通った。何より練習した。ボイトレの研究をした。色んなものを聴いたし聴きに行った。長く習った先生のもとを離れた。学生時代からお付き合いしていた彼と別れた。それまで毎日銀座に行っていたから、会社員らしい付き合いが一切なかった私が、職場の飲み会にもたまーに顔を出すようになった。平日夜が自由になったからと、練習や勉強に打ち込む一方で銀座の修行で歌わせていただくことがなくなった為、ステージがなくなりOLごっこもより濃く味わうこととなり中途半端まっしぐらだった。私は何者?私のプライドって何に使ってんの?***今でこそボーカルの講師業をさせて頂くようになり。皆様に音楽する時間を作ること、練習することまた、その積極性がいかに大切か、オープンマインドが大事か音楽を通じてコミュニケーションを!なんて。エラそーに言わせて頂く機会が増えているが。私は知ってる。みんなにそう言いながら、実はいつもあの時の私を、投影してる。***ボーカリストになる!絶対歌やりたい!って、思い続けてても世間様から見たら26歳実家暮らし非正規雇用OL。OLごっこ、ってつもりで生きてるのにOLじゃん。歌ってなかったらそれ以上もそれ以下でもないのが私じゃん。って、毎日、自問自答していた。何にもまだ出来てないけど早くライブ活動すればいい、とかいやいや、英語や理論や、ボイトレ出来てからじゃないと、そもそも綺麗になんないと活動なんかできないし、とか。誰かを聴いて、観て、嫌になって、感動して、泣いて悩んで、やっぱり諦めて、新たに得て、喜んで、出来なくて、練習して。内向的な自分を抱えたまま、ちいちゃいプライドばっかり隠して握りしめて生きていた。辛いこととか、練習出来ないこととか、勉強のお金と時間に限りがあることとか友人たちの音楽での活躍を聞いたり見たりしたときとか悲しくて、悔しくて、情けなくて自分が何者だって言えなくて、落ち込んだ。でも、そんな気持ちになったときはいつも心の中で、祈るようにして呪文みたいにこの言葉を唱えた。「音楽が、歌が私から離れませんように」***大きな防音室を借りて、一人大の字になって音楽を浴びせる時間、と言うのを設けてて。その時は、ジャズ、ポップス、クラッシック、ハウスにテクノにロックまで!!ガンガン大音量でかけて跳ねまくってぶっ飛んで寝落ちなんだか行っちゃったんだかで何度も守衛さんに起こされる、を繰り返していた。笑 (アレはやばかった。一人遊びが万歳しすぎ)その時、この曲を聴いていたらもう涙が溢れて溢れて止まらなくなった。iPodを握りしめてエンドレスリピートして。何度も呪文みたいなその言葉が私の頭と心と体にぐるんぐるんまわるんだ。離れない。絶対離れない。私から絶対音楽は、歌は、離れない。その日も泣き疲れて寝てしまっていつものように守衛さんの電話で起こされた、はず。***あの時iPodを握りしめながら大泣きして大の字で寝てた状況とデジャブか??今、手にしてるのはiPhoneで、そっから結構良い音質で流れてくる同じ曲をベットの上で大の字で聴いている。切なくて涙が出る!と思ったのに一切出なかった。大人になったらしい。いやいや、後で泣いとく、搾り出す、多分。出る出る。多分。***私はボーカリストです。今は胸張って言えます。 #日記 #音楽 #ボーカル #昔の話 #ボーカリスト #JoniMitchell #離れない #私は何者 7 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート