税務調査を解説!時期・流れ・注意点
税務調査は法人や個人事業主にとって避けられない行事の一つです。「いつ来るのだろう」「何を調べられるのだろう」と不安に感じる人も多いでしょう。しかし、税務調査は正しく対応すれば恐れる必要はありません。本記事では、税務調査の時期や流れ、調査内容、注意点などをわかりやすく解説します。
税務調査とは?
税務調査とは、国税庁や税務署が納税者の申告内容が正しいかどうかを確認するために行う調査です。
1. 任意調査
通常の税務調査で、事前連絡を受けて日程調整が行われます。課税処分が目的です。
2. 強制調査
脱税の疑いがあり、1億円以上の脱税が推定される場合に、裁判所の令状をもとに行われます。これは特殊なケースであり、一般の調査ではありません。
税務調査の確率と時期
• 確率
税務調査の接触率は法人で3.9%、個人で5.7%(2022年)。10年に1回程度の調査が一般的です。
• 時期
決算月により異なりますが、多くの会社が3月決算のため、調査が集中するのは7月~12月です。
税務調査の流れ
1. 事前連絡で日程調整
通常、調査の10日前に連絡があります。調査は1~3日間にわたり実施されます。
2. 事業概要の説明
初日の午前中に会社の沿革や業務内容について社長が説明します。
3. 管理体制の聞き取り調査
初日の午後、売上や仕入れの管理体制について聞き取りが行われます。
4. 帳簿のチェック
2日目以降、給与、労務費、一般管理費など帳簿類を詳細に確認します。
5. 結果連絡
調査終了後1か月以内に結果が通知され、必要に応じて修正申告や指導が行われます。
税務調査のチェックポイント
• 売上計上
過少申告や期ズレ(今年の売上を翌年に計上すること)がないか。
• 仕入れ・外注費
証票類の保存や改ざんがないか。
• 棚卸
在庫の管理が適切か、積送品が未計上になっていないか。
• 一般管理費
経費が適切に使われているか、自宅兼事務所の場合の水道光熱費の按分が適切か。
税務調査対応で注意すべきこと
1. 日程調整は遠慮しない
都合の悪い日は正直に伝えましょう。
2. 必要書類は準備しておく
総勘定元帳や仕訳帳、請求書、領収書などを事前にプリントアウトしておくとスムーズです。
3. ミスに気づいたら修正申告を
調査前に修正申告を行うことでペナルティを軽減できます。
4. 質問内容にのみ答える
緊張すると余計な話をしがちですが、聞かれたことだけに答えましょう。
税務調査の対象になりやすい会社とは?
• 過去に脱税行為をした会社
• 開業3年目の会社
• 業績に大きな変動がある会社
• 同業他社と収益や費用が大きく異なる会社
• 長期間調査を受けていない会社
税務調査は冷静に対応しよう
税務調査は、正しい経理をしていれば過度に恐れる必要はありません。間違いがあれば修正申告を行い、次回以降の注意点を学ぶ機会と捉えていくのがいいのかなと思います。どの会社でも調査対象になる可能性があるので、普段から適切な記帳と書類管理を心がるきっかけとなれば幸いです。