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【推しの子】なぜ泣ける?星野アイから学ぶ、心を揺さぶる感情の伝え方
アイキャッチ画像はこちらのサイトから引用させていただいております。
こんにちは。駆け出しWebライターのayacoです。
今回は、アニメ【推しの子】第1話の星野アイから学ぶ、泣けるポイントと心を揺さぶる感情の伝え方について、私なりに考えてみたので記事としてまとめてみました。
こちらの記事はアニメ第1話の内容を踏まえた上での話になりますので、若干のネタバレを含みます。というか、観ていなければ理解できない内容です。「アニメをまだ見ていないからネタバレしたくない!」という方は、そっとこちらの記事を閉じてくださいね。
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…良いですか? 行っちゃいますね?
それでは、本編スタートです。
ポイント1 | 子どもたちの夢
泣けるポイント1は、アイが子どもたちの夢の可能性を信じたからです。
実際に、アイが遺言として残した二つの夢を、アクアとルビーどちらも追っていくことになります。
ルビー、アクアそれぞれ解説します。
ルビーのアイドルになりたい夢
まず、ルビーの前世はさりなちゃんでしたね。ルビーが前世のさりなだった頃、病気のせいで若くして死ぬことを自覚していました。
前世ではアイドルになることはもちろん、将来の夢なんて全く考えられなかったルビー。そんなルビーが、前世からずっと憧れ続けた「アイドル」になる可能性をアイは言葉にしました。
もちろんアイはルビーの前世を知りませんが、過去を知る読者だからこそ泣けるポイントです。
アクアの役者になりたい夢
アクアについては、役者さん?と尋ねるようにアイは言っています。
アクアが五反田監督の映画に出演した時、アイはアクアの演技をとてつもなく褒めました。(後の話でその描写が出てきます)
アイに褒められた時、アクアは嬉しそうな表情を浮かべていました。
また、五反田監督から「お前の演技は俺の想像にぴったりだ」と言われて頭を撫でられた時も、同様の表情をしています。高校生になっても五反田監督の家に入り浸っているのは、芸能界に近づくためという体です。しかし、五反田監督との関係性を考えても、「アクア自身の役者としての才能を五反田監督が信じてくれたから」という理由もあると思います。
アイに憧れるからこそ、役者として自分もアイに近づきたいと、アクアも心の中では思っていたはずです。
ポイント2 | 叶わない夢
泣けるポイント2は、アイ自身が叶わない夢を語ったことです。
アイは死期を悟り、絶対に叶わないと分かっていたにも関わらず、二人と過ごす未来を思い描きました。
夢見たルビーとの親子アイドル共演
アイは、ルビーとアイドル共演をする夢を語りました。
アイドルとして叶えたい、親子二人でファンに愛される夢です。
大きくなったルビーとアイが共演することは、アイよりも、ルビーの方が願ってもおかしくない夢のはず。
そんな最たる夢と言えるアイドル共演を、死期を感じた時に語ったということは、同時に絶対にその夢が叶わないことを表しています。
淡く期待していた夢が脆く崩れ、絶望に変わるという残酷さは、涙なしにはいられません。
楽しみにしていた子どもたちのランドセル姿
アイは「ランドセル姿、見たかったなぁ…」と独り言のように呟きます。
次に語るのは、母としての夢です。
子供の成長を見守りたいというのは、どんな親でも願うことでしょう。
二人がどんな大人になるのか、見ていたい。
生きていれば当たり前とも言える小さな幸せ。でも、それは絶対に叶わないと思っていることが、アイの涙を浮かべる表情で読み取れます。
我が子ともうすぐに離れ離れになることを分かっていながら、将来を思い浮かべることがどんなに辛いことか…。
子供がいない人でも、涙なしには見られないシーンでしょう。私も一番涙ぐんでしまうシーンです。
ポイント3 | 嘘を恐れながらも伝えた言葉
気づいていた嘘つきの代償
アイは殺される前、嘘をついてきたことの代償がいつか訪れると分かっていました。アイにとって嘘は愛ですが、世間的に見れば嘘は裏切りです。嘘をつき続ければいつか自分の身を滅ぼすことになると、ずっと前からアイは分かっていました。誰かを深く傷つけ、自分が悪者になることを知っていたのです。
それでも、アイは嘘を吐き続けました。
子供たちを守るため、そして、ファンの想いを守るために。
リョースケに刺された時、彼が熱心なファンでいてくれたことに感謝の気持ちを込めながら、アイはリョースケとの思い出を語ります。
ファンを愛したいと思っていたというアイの気持ちに、嘘はなかったと思います。
やっと言えた本当の「愛してる」
親からの愛を知らないことで、アイは愛を求めてずっと生きてきました。
愛を知らない自分は、誰のことも愛せないとアイは言っていたのです。
もし、子供たちに愛していると伝えた時、それが嘘だと感じてしまったら…。アイは嘘を恐れて、子供たちに愛してると言えなかったのでした。
そこには、アイドルのアイにとって嘘は愛でも、母としてのアイは嘘をつきたくなかったという想いが読み取れます。それは、きっとアイ自身が母から本当に愛されたかったからで、母から愛されなかった事実こそ嘘だと思いたかったからだと思います。
それでも、嘘を恐れていても、アイは死ぬ直前に子供たちに愛してるを伝えました。過去を乗り越えた、嘘という恐怖を乗り越えた瞬間です。
後の話から分かるのですが、実はルビーとアクアは、どちらも前世のさりなとゴローだったときから親に愛されたという経験がありません。
二人にとっても親からの愛してるは初めての言葉であり、それが同時にアイのさよならを意味する言葉だったのでした。
心を揺さぶる感情の伝え方
それでは、これらの泣けるポイントを押さえた上で、心を揺さぶる感情の伝え方について2つご紹介します。
泣けるポイント=心が揺さぶられたという証です。私の思う感情の伝え方以外にも、なぜ泣けたのか、ぜひ深掘りして考えてみてくださいね。
1: 嘘をつかず本音を見せること
やはり1番重要なのは「嘘をつかず、本音を見せること」です。
ストーリーを見ていればわかりますが、アイは常におどけていて、誰に対しても偽りの自分を見せることしかしていませんでした。
そんなアイが、刺されてから死ぬまではずっと嘘をついていないんです。
刺された傷が深く死を悟った時も、いつものアイなら「大丈夫、死なないよ」と苦しくてもアクアに伝えたはずです。
でも、アクアが絶望することを承知で、正直に死ぬことを伝えました。
誰でも、外向きの顔はあると思います。外向きの顔は、社会から自分を守るための盾です。道化のように笑い、苦しくても平気なふりをする。
そんな経験が誰しもあると思います。
でも、本当に大事な人には、嘘をつかず、気持ちを誤魔化さず、思ったことを正直に伝えて真正面からぶつかっていく。
それが、最も心を揺さぶる感情の伝え方だと思います。
2: 自らの弱い部分を自白すること
2つ目は「自らの弱い部分、汚い部分を自白すること」です。
人間は誰しも、人から良く見られようとすると思います。
自ら自分の弱いところや汚いところを言う人なんて、滅多にいません。
普通は、自分をいい人に見せようと、人に対して自分はこういった優れた人間ですと、遠回しにでも言うと思います。
ですが、アイはリョースケに責められた時、言い訳をせずに真っ直ぐに自分の弱さや汚さ、醜さを自白しました。
アイはファンから愛されたかったのに、自白したらもっと嫌われるかもしれないのに、真実を伝えました。
それは本当に、勇気がいることだと思います。プライドが低い方であっても、自分の弱さを曝け出せる人はなかなかいません。
自らの弱い部分を見せられる人は、同時にとても心が強い人と言えます。
その心の強さに、誰もが心を打たれるのです。
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今回は、【推しの子】星野アイについての記事を書いてみました。
アニメからハマって観出した"にわか"推しの子ファンの私ですが、推しの子が好きな人に刺さる記事になっていたら嬉しいなと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。