【海外生活】「Cultural Adaptation」と「Culture Shock」について考える
ご無沙汰しております、claraです。
今日は「Cultural Adaptation」と「Culture Shock」について。少し前にトークセッションに参加して私が思ったこと、感じたことを書こうと思います。
昔、自分が「帰国子女」だった頃、「駐妻」だった頃に知りたかったと思うような内容でした。
トークセッションについて
私が参加したのは夫が通う大学の学生のパートナー向けのイベント企画やサポートをする団体主催のトークセッション。
こちらの団体は毎月Coffee HourやCrafternoon (毎月1度afternoonに集まってみんなでcraftをする)やLanguage Conversation Exchange(語学交流会)といった様々なイベントを企画してくれる留妻(夫)にとって本当にありがたい存在です。どのイベントも子どもも参加okなので、ままや子どもにとっても嬉しいイベントが盛りだくさんで、私自身とてもお世話になっています。
物心がついた頃から住む国を転々としてきた私にとって「Cultural Adaptation」は昔から興味のあるテーマであり、現在夫の(大学院の)同級生のパートナーやご家族向けのイベントを企画する委員会に所属している使命感からトークセッションへの参加を決めました。
もしかしたらみんなにシェアできる情報が得られるかもしれない、さらには私の自己理解に繋がるヒントが何か得られるかもしれないと思い、2歳の息子と一緒に参加しました。
今回、話をしてくれたのは主催団体のProgram Managerのアメリカ人女性、Jさん。彼女は30年近くこの団体の活動に携わっていて、ご自身もイタリアに住んだ経験があり、国際結婚をされています。
参加人数は10名ほどと少人数で出身国も様々。
中国、韓国、台湾、イタリア、ザンジバル島(タンザニア)、日本…。
夫(パートナー)の仕事の関係ではじめて海外に住むことになったという方もいらっしゃればもう2か国目、3か国目という方も。
テーマごとに自分の経験を話してディスカッションする機会もあって本当に面白かったです。
「Cultural Adaptation」とは
こちらの単語、日本語に訳すと「異文化適用」でしょうか。
「異文化に適用する」と聞くと「国を跨ぐ」という印象を受け取りやすいですが、実は国内の引越しでも自分が慣れ親しんだ街を離れる、それだけでも「Cultural Adaptation」になることを学びました。
「Cultural Adaptation」には尋常ではない量のストレスがかかります。
特に「海外に仕事や留学をしにきている本人(駐在員や留学生等)は新しい仕事や学業で忙しくも充実した毎日を送っている傍ら、一緒に帯同した「パートナー」が感じるストレスはさらに大きいかもしれない」、そうJさんは話していました。
駐在員は「職場」という組織の中で「駐在員」という「Identity(アイデンティティ)」、留学生は「大学」という組織の中で「学生」という新しい「アイデンティティ」をそれぞれ手に入れ、周りに新しく会社の関係者や同級生といった同じような立場の知り合いが増えることに対し、パートナーは急に今までのアイデンティティを全て手放し、「〇〇のパートナー」となり、未知の世界へと「1人」放たれます。
お子さんがいる場合も学校に通うようになれば、「学校」という組織の中の一員というアイデンティティを確立するので、本当の意味で急な「アイデンティティ・ロス」に陥るのは「パートナー」の方で、パートナーたちが抱える多くのストレスはこの「アイデンティティ・ロス」に起因しているそうです。
「Stages of Culture Shock」のモデル
下の図はトークセッション内で紹介された「Stages of Culture Shock」のモデル。
Jさんは「Culture Shock」には主に5つの段階があると話していました:
① Pre-departure Mixed Emotions (出発前):
出発前の新しい環境にワクワクしつつ、不安が混じり合う時期。
②Honeymoon (ハネムーン期):
生活の立ち上げで大変だけど、そんなことよりも新しい環境に来て何もかもが真新しく見えて、楽しくてしょうがないという時期。
③ Maximum Culture Shock (カルチャーショック期):
生活も少しずつ落ち着き、真新しく見えていたものも日常となり、夢から覚めたように急に襲いかかるカルチャーショック期。気分が落ち込んでくるまでの時間には個人差あり。
④ Accommodation + Integration (回復+適用期):
カルチャーショック期を乗り越え、気分も少しずつ上向きになってくる時期。
⑤ Reverse Culture Shock (帰国時, 逆カルチャーショック期):
駐在・留学先から帰国してから訪れるカルチャーショック期。
もともと住んでいた国に戻ったにも関わらず、違和感を感じるようになる。
新しい環境に来て6ヶ月、周りを見渡してみても、自分を含め、みんな比較的まだ②のハネムーン期にいるという印象でしたが、先日Daylight Savings (夏時間 サマータイム)も終わり、日照時間も減り、夕方4時半には日が沈んでしまうので、そろそろ自分も周りも③に入るのではと思いました。
駐妻としてアメリカ西海岸に住み始めたときも③は訪れました。
「幼い頃の海外経験があるから大丈夫」、「英語が話せるから大丈夫」、そんな風に思っていた私も渡米して数ヶ月で気分がものすごく落ち込み、何もしたくなくなり、急に日本が恋しくなる時期がありました。
Jさんによると一般的な「Culture Shock」のモデルは①~④までしか注目しないけれど、実は誰もが一番大きなショックを受けるのは⑤の段階と話していました。
⑤に関しては自分が「帰国子女」として日本に本帰国した際、受験勉強で忙しかったにも関わらず、ひどい落ち込みようだったことを思い出しました。
留妻となった今、はじめて①~⑤の5段階があるということを知りましたが、自分が12年の海外生活を終えて本帰国をしたとき、自分が駐妻となったとき、この5段階が頭にあれば自分ももう少し「Culture Shock」を上手く乗り越えられたのではないかなと感じました。
「Culture Adaptation」との上手い付き合い方
Jさんは最後に「Cultural Adaptation」と上手く付き合う方法を紹介してくれたので、いくつかご紹介します:
・手紙を書く、ジャーナルを書く
・「Culture Shock」の兆候を知っておく
・新しい地にいる間に達成できる目標を設定する
・新しい環境に対して家族が自分と同じような気持ちでいる(感じ方をしている)ことを期待しない
・「Culture Shock」について話し合える現地の友達を作る
・自分でコントロールできる小さな習慣を少しずつ作っていく
(ex. 朝起きたらまず自分のためにコーヒーを淹れる)
・定期的に運動することや瞑想することを心がける
・今まで楽しんできた趣味を再開してみる
・自分が「自分」でいられるようなコミュニティを新しく探す
ここまでの話を学び、ディスカッションをする中で、駐妻(夫)に対してもこういったセミナー等があれば渡米当初の自分のメンタルも少しは違ったのかなと想像してしまう一方で、この情報を一切知らなかった中、駐妻時代は本当に1人でよく頑張ったと自分を褒めてあげたくなりました。
私にとって「Cultural Adaptation」と上手く付き合う方法は「母」でも「妻」でもない「自分」でいられる大好きな「趣味」を活かせるコミュニティを探すことでした。
関連する過去の記事を2本、最後に貼っておきます。
いかがでしたでしょうか。
最近新しく駐在や留学で帯同されている方や本帰国をされた方に届くといいなと思い、今回はこのテーマで記事を書いてみました。
駐妻(夫)のみなさま、留妻(夫)のみなさま、毎日本当にお疲れ様です。
海外生活はキラキラしたところばかりが見えがちですが、実は家族を支える役割を担う者として、日々、ものすごいストレスがかかっていると思います。海外生活中、気分が落ち込むことはたくさんあるとは思いますが、周りに惑わされず、自分のペースで新しい生活に慣れていくことが1番の近道だと私は経験上、思っています。
まだまだライターとしては駆け出しですが、もしよければ「スキ」や「フォロー」をいただけたら嬉しいです!
最後まで読んでいただきありがとうございます♡
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