【海外生活】紅茶が好きなイギリス人 vs.コーヒーが好きなアメリカ人②
こんにちは、claraです。
私は以前こちらの記事を書きました。
アメリカ人がなぜイギリス人のように「紅茶」ではなく、「コーヒー」を好むのか、謎が解けた気がしたので、続編として書きます。
Boston Tea Party
みなさんは「Boston Tea Party」をご存じでしょうか?
「Boston Tea Party」と聞くとBostonで優雅な「Tea Party (お茶会)」でも開かれていたのかなと想像してしまいますが、実はアメリカ合衆国はじまりの歴史を語る上でとても重要な出来事。
日本語名の「ボストン茶会事件」の方が耳馴染みがありますでしょうか。
上記を掻い摘んで翻訳をすると:
1773年12月16日の夜。
Boston港のGriffin's Wharfに停泊していたイギリス・東インド会社の貨物船3隻に積載されていた92,000ポンド(約46トン)を超える量の紅茶がMohawk Indianに変装した「Sons of Liberty」のメンバーによってBoston港に投げ捨てられた。
当時のアメリカではこの「Boston Tea Party(ボストン茶会事件)」の影響は大きく、後の1775年4月19日に「American Revolution」(アメリカの独立運動)がはじまる大きなきっかけとなった…。
Boston Tea Party Ships & Museum
こちらの「Boston Tea Party Ships & Museum」は私が住むマサチューセッツ州の州都・Bostonのとても有名な観光名所の1つ。
「ボストン茶会事件」が起こったのは、アメリカがまだイギリスの植民地だった時代。植民地には印紙税、茶税等様々な税金がかけられ、植民地に住んでいた人々の不満が溜まり、「イギリスからの独立」がささやかれ始めた頃のこと。
イギリスにもアメリカにも住んだことがある私としては、行かなきゃと思いつつもなかなか行けずにいたこちら、先日私も家族とついに訪れました。
The Meeting House
チケットを購入して入場者がまず通されるのは、「Meeting House」。
「Meeting House」に通されると、一人ずつ「役」のカードを渡され、ベンチに座るように言われます。
入場者が全員揃ったところで「ボストン茶会事件」当時の時代にタイムスリップ、役者さんたちと私たちとの間で「寸劇」がはじまります。
どうやら私たちは「ボストン茶会事件」が起こった当日、1773年12月16日、「Sons and Daughters of Liberty」(イギリスに不満を持った植民地側の人々の集まり)の一員として「Meeting House」での「集会」に呼ばれたという設定。
この「集会」では当時の時代背景が説明され、「アメリカ(植民地)」側の関係者の名前が出たらこぶしを振り上げ、「Huzzah! (万歳!)」と言い、「イギリス」側の関係の人の名前を聞いたときは「Boo!」「Hiss」と言うことを教育されます。
入場者が持つ「役」カードの中にはこの集会中に発言をする「役」も存在し、そのカードを持った人は集会中に発言をするのですが、次第に自分たちもイギリスに不満を持った「Sons and Daughters of Liberty」の一員であるかのように錯覚してきます。
(幼少期にイギリスの現地校で「歴史」の教育を受けてきた身としては、少し複雑な気持ちになりました…)
集会が終わると、いよいよ…
Destruction of the Tea
「紅茶」を投げる時がきました。
こちらでは入場者も「Sons of Liberty」の一員として紅茶の箱をBoston港に投げ入れることができます。
中国から輸入した46トンを超える紅茶の箱を当時の「Sons of Liberty」のメンバーはこんなに簡単にBoston港に投げ入れてしまったのか…、と考えるとイギリスに対する怒りも相当なものだったことが想像できました。
紅茶を投げ入れてからは、資料室(撮影禁止)に通され、「ボストン茶会事件」とその後のアメリカの「独立」までの流れを説明する映像や資料等が紹介され、ツアーは終わります。
Abigail's Tea Room
ツアー後にはこの「Abigail's Tea Room」とギフトショップがあります。
私たちはせっかくだからと「Abigail's Tea Room」に寄りました。
(「Abigail」は「Founding Fathers(アメリカ合衆国建国の父)」の一人「Samuel Adams」の妻の名前。)
「ボストン茶会事件」当時にBoston港に投げ入れられた頃に市民が飲んでいたであろうとされる5種類の「紅茶」(3種類)と「緑茶」(2種類)が再現されており、試飲することができます。
「紅茶」と「緑茶」のどちらも日常的に飲む身からしたら、2つが並んでいることにすごい違和感を感じました。5種類のお茶の並びもたしか手前から順に「緑茶」「緑茶」「紅茶」「紅茶」「紅茶」。
それぞれのお茶には名前がついていて、中には中国の地名が名前として書かれていたものもあったので、「なるほど、このお茶は中国から輸入されてきていたのか」と飲む人は気がつくと思います。
それと同時に「紅茶はイギリスのものではないんだぞ!」という植民地側の強い主張を感じた気がしました。
この感覚はアジア人独特の感覚なのだろうか…
イギリス人はこれを見てどう思うんだろう…
と、お茶を飲みながら少し難しい顔をして考えている自分がいました。
コーヒーが好きなアメリカ人
私は「Boston Tea Party Ships & Museum」を訪れてから、アメリカ人が「コーヒー」を好むのはひょっとしたらこの「Boston Tea Party」の歴史背景が関係しているのかなと考えるようになりました。
「イギリス人と同じように紅茶なんて飲めるか!」というアメリカ人のイギリスに反抗する気持ちの表れなのかな…と。
アメリカ人が「コーヒー」を飲むようになった理由は諸説あると思いますが、この「Boston Tea Party説」、一理ありそう、という気がしました。
おわりに
私はアメリカ西海岸に住み、現在はアメリカ東海岸に住んでいます。
幼少期をアメリカ東海岸で過ごした夫からは「アメリカの歴史を学びたければ、東海岸に行かないと!」と聞いていましたが、「American Revolution」はじまりの地、マサチューセッツ州・Bostonには数々の歴史的な名所を巡る「Freedom Trail」があったり、「Thanksgiving」起源の地、「Plymouth」が車で1時間ほど走ったところにあったりします。
アメリカの「西海岸」と「東海岸」を比べてみると、たしかに「東海岸」の方がアメリカの歴史、とくに「アメリカのはじまりの歴史」を感じる気がします。
「Boston Tea Party Ships & Museum」での体験は本当に興味深かったです。
Bostonにいらっしゃる機会があれば、みなさんもぜひ訪れてみてください。
こちらは「コーヒー」がテーマの記事。
反響が大きかったので、もしよければ覗いてみてください。
こちらは「Thanksgiving」に関する記事。
もしご興味があればこちらもぜひ。
いかがでしたでしょうか。
まだまだライターとしては駆け出しですが、もしよければ「スキ」や「フォロー」をいただけたら嬉しいです!
最後まで読んでいただきありがとうございます♡