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Snow Man「オレンジkiss」で作詞作曲を務めたSHIROSE。エロをアートに昇華する、アーティストとしての真価

最近、作詞・作曲で”SHIROSE”の名前を聞く機会が急激に増えた。

2022年度における最高初週売り上げを記録し、世界チャート4位にも入りこんだSnow Man「オレンジkiss」。妖艶なリリックでKis-My-Ft2の大人の魅力を開花させた「CHUDOKU」、甘いひと夏を描いたジャニーズWESTの「クチウツシ」など、いずれもSHIROSEが携わったものだ。

最近では、「愛をこめて花束を」の作詞を手掛けている いしわたり淳治が、SHIROSEが作詞したSnow Man「僕に大切にされてね。」の歌詞を絶賛。限られたシーンのファンだけでなく、業界の第一線で働くプロフェッショナル達にもその実力が認められつつある。
作家としてのキャリアを着々と築いてきたSHIROSE。しかし、それは彼を語るうえでほんの一面に過ぎない。

SHIROSE

そもそもSHIROSEは、音楽グループWHITE JAMのメンバーであり、ソロでも活動しているアーティストだ。誰かの良さを活かす詞曲作りが上手い以前に、自身の魅力を広げていくのもとても上手い。その作りこまれた世界観やカリスマ性に多くの人が魅了され、YouTubeのコメント欄には日本語のみならず多彩な言語が並ぶ。

今回はそんなSHIROSEのクリエイティブに触れながら、彼自身の魅力をひも解いていきたい。

MVに濃縮された
エロファンタジックなSHIROSEワールド

SHIROSEの作り出す世界観が、わかりやすく表現されているのがMVだ。「こういう作品にしたい」とアイデアを出すことは、クリエイティブ力が求められがちな昨今のアーティストにとっては珍しくないことだろう。

しかし、彼の場合はさらにその先をいく。コンセプトを決めることはもちろん、自分で絵コンテを切り、台本を書き、アサインする役者さんを決め、動画の編集まで行ってしまうのだ。彼にとってMVは、心血注いだこだわりの結晶なのである。

「Tatto」

サムネイルからすでにヤバイが、MVはエロシーンに次ぐエロシーンの連続である。動画開始1秒後には、もうキスを済ませている攻め攻めっぷりで、本当に心臓に悪い(褒めてる)。

「Tattoo」の特徴は、ドS系オラオラ彼氏?(もしかしたら、都合のいい関係かもしれない)に振り切っていること。
ズボンのベルトを外すシーンの体制、お風呂場で口に突っこむ指、”忘れて?”の歌詞と共にガッと見開く瞳。女性を甘くも荒々しく扱う描写が多く、オラオラな彼を存分に堪能できる。

「Tattoo」MVより

そして、SHIROSEといえば”蜂蜜プレイ”だ。巷には食べられるローションなるものも存在しているが、あれを使うよりも格段に色っぽい。最初から性行為を目的として作られているものよりも、食べ物のひとつとして日常にある蜂蜜を本来とは違う目的で使う背徳感が、よりいけない雰囲気を強くしている。
ちなみに、この蜂蜜は滞空時間をもとに数種類のなかから厳選されたもの。小道具ひとつをとっても、並々ならぬこだわりが注ぎこまれているのだ。

「Romeo&Juliet」

先ほどの「Tattoo」とは対照的な、あまあまなSHIROSEを味わえるのが「Romeo&Juliet」だ。

出だし数秒の演出から、すでにズルすぎる(やっぱり褒めてる)。
たった10秒の間でたたみかけてくる軽いキス、からの長めキス。小さいキュンが重なったところを見計らって、大きなインパクトを入れこんでくる手腕は本当にやり手でしかない。

あまあまな恋人をイメージさせる魅せ方もお手の物だ。バックハグからの抱き寄せておでこキス、指につけたクリームを舐めさせて顎に添える手、女性のスカートを脱がせている優しい手つき。お互いを大切に思っている事実というのは、些細な視線や動作に現れるものだが、それを丁寧に拾いあげて表現されている。
3分目あたりの”一緒によく聴いた曲を聴いたら”で、リップシンクではなく唇が「チューする?」と訊くように動くのも必見ポイントのひとつだ。

「Romeo&Juliet」MVより

また、「Romeo&Juliet」の大きな特徴は”一緒によく聴いた曲を聴いたら 涙が止まらない”という歌詞が何度も出てくるにも関わらず、一緒に音楽を聴いているシーンが一度も出てこないということだ。

つまり、”一緒に聴いた音楽を聴く”というのは思い出を引きずり出していくトリガーに過ぎず、彼女のことを好きで好きでたまらなかった記憶がMVでは描かれているのだ。
しかも、ほとんどがいちゃいちゃのシーンばかり。こういう楽曲だと一般的には、二人で過ごした思い出の場所や物を丁寧にさかのぼっていきがちだが、様々なシチュエーションでのいちゃいちゃに振り切ってるのはSHIROSEイズムといってもいいだろう。

「Boyfriend」

一目見ただけでドキドキしてしまうサムネイルとは裏腹に、ほのぼのとした情景が続いていくのが「Boyfriend」だ。「Romeo&Juliet」で描かれなかった二人の日常が、こちらの作品には濃縮されている。

おそらく好きで好きでたまらなかった彼女のことをある程度整理でき、幸せを願えるようになった世界線なのだろう。「あんなことが楽しかった」と思いだしながら、自分といるときほどは幸せでなくてほしいけど幸せでいてほしいというワガママで複雑な心境がつづられている。

この感情が落としこまれた歌詞が、リアルで共感性が高く秀逸なのだ。

どうかディズニーの匂わせをいつかしませんように…。

インスタやツイッターにお互いにどうかイイネをつけあってませんように…。

俺のネトフリのアカウントで彼氏と映画みてませんように。

SHIROSE「Boyfriend」歌詞抜粋

どれもこれも大切な誰かがいた人なら、一度は考えたことがある内容なのではないだろうか。そして、極めつけは”俺との時より少しだけ 夜の相性がありませんように。”だ。彼女にとっての一番は、いつまでも自分がいいというワガママな心境が色濃く表れているといってもいいのではないだろうか。

また、「Boyfriend」はディズニーやネトフリ、ゼンリーといった固有名詞がたくさん出てくるナンバーでもある。
かねてより固有名詞は、時代の空気を反映したラブソングにおいて大きな役割を果たしてきた。広末涼子「MajiでKoiする5秒前」の”ポケベル”、宇多田ヒカル「Automatic」の”受話器”は、その一例だ。どの時代でも変わらない想いもある一方、時代によって変わっていく恋愛の形もある。現代を色濃く反映した「Boyfriend」は、紛れもなく令和のラブソングなのである。

出し惜しみしない圧巻のライブパフォーマンス

さて、ここまではクリエイティブとしてMVを取り上げてきたわけだが、実のところSHIROSEはライブへのこだわりもすごく強い。

これは、7月14日に行われた『SHIROSE 1st LIVE』の映像を編集したものだ。(ちなみにYouTubeの同動画を貼ろうとしたら、年齢制限があると出た…w)
見ていただけるとわかるのだが、とにかくいろいろなところへの妥協がない。堂々たるキスシーンを披露し、惜しげもなく服を脱ぎ、ステージバックには月を浮かべる。しかも、ここに映っているのは演出の一部に過ぎないのである。

まず、ステージセットがありえないほど豪華だ。舞台に設置されたダブルベッドやバスタブ、バーカウンターはパフォーマンスへ取り入れられ、映画の世界へ迷いこんだような演出を実現。スクリーンにも先ほどの満月だけでなく、リアルタイムで撮影した写真や歌詞を映し、天井からは星を彷彿させるLEDライトを煌めかせる。
ツアーのステージセットなら、まだ理解できる。しかし『SHIROSE 1st LIVE』は、たった1回きりの公演だ。その演出にここまで力をかけてしまう胆力は、目を見張るものがある。

また、エロに対しても、出し惜しみは一切しない。キスシーンはもちろん、女性との生々しい絡み、豪快な脱衣、蜂蜜プレイといった、ファンの見たいを詰めこんだフルコースをSHIROSEは用意したのである。そのひとつひとつが行われるごとに、会場からは黄色い声があがり、大きな盛り上がりを見せた。

何よりすごいのは、それだけリアルの場でもエロファンタジックな空間を作っておきながら、しっかりとラブソングで泣けてしまうことだ。

SHIROSEの経験をもとに書き下ろされた「9つも離れた君との恋」は、まさにその筆頭ソングといってもいいだろう。私小説を聴いているようなリリックと優しい歌声は、誰の心のなかにもある忘れられない恋を思い出させるパワーがある。事実、私も会場で涙してしまったし、観客席を見渡してもしきりに目頭を押さえている人が多数いた。

『SHIROSE 1st LIVE』を見て感じたのは、「彼は日本でエロをエンタメやアートとして昇華しようとしているのではないか」ということだ。そもそもSHIROSEは、日本歌謡の中で愚直にベッドソングと向き合ってきた人物である。

誰に見向きもされず、時に咎められることがあろうとも、彼は自分の好きを曲げることなく追い続けてきた。
現代の日本では、いまだに「エロ=卑猥」と一括りされてしまうことは少なくない。しかし、本来であれば”エロ”というのはアートにも結び付くエッセンスのひとつである。下品でみだらな面だけでなく、生命のハツラツさや美しさ、誰かを想う繊細な情愛なども内包されている。

SHIROSEの作り出すエロは、誰かを消費するための古今東西欲望の詰め合わせなんかではない。情愛やエンターテイメントと向き合うことで生まれた、誰かへ何かを与える表現のひとつなのだ。

それこそ海外では、マドンナやレディー・ガガ、アリアナ・グランデなどのアーティストが、大胆な衣装でハツラツとセクシーな表現を行っている。もしかすると、SHIROSEが作りだすエンターテイメントも彼女たちのように、アイデンディを確立していくのではないだろうか。

まだまだ日本では、ベッドソングや艶めかしい表現に対しての風当たりは強いが、彼の活躍がもしかしたら日本の表現を拡張していくかもしれない。

エロだけじゃないSHIROSE

ここまで「エロ表現に秀でたこだわりの強いアーティスト」という文脈でSHIROSEについて語ってきたが、実はエロじゃないクリエイティブも涼しい顔をしてやってのける。

WHITE JAMの楽曲では、キャッチーなハロウィンソングの「好き好きオバケ」や泣き曲として名高い「ウソツキ」、

楽曲提供したものだと、AAAの「Perfect」やNissyの「DANCE DANCE DANCE」、KARAの「フレンチキス」など、彼の作風は多岐に渡る。

冒頭で紹介したジャニーズの楽曲以外でも、SHIROSEはヒットメーカーとしての才を遺憾なく発揮。リファレンスをもとにし、需要に応じて楽曲を器用に作り上げてしまう。

クリエイターのひとりとして、そしてアーティストのひとりとして。SHIROSEの今後の飛躍に期待大だ。

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SHIROSE
Twitter / Instagram / YouTube /HP 

2023年秋冬には、SHIROSE 2nd LIVEが開催予定。
また、SHIROSE率いるWHITE JAMの全国ツアーは、すでにチケットの発売が開始している。

WHITE JAM LIVE TOUR 2023 日程

詳細の確認はホームページまで。
WHITE JAM LIVE TOUR 2023


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坂井彩花♬MusicWorder
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