お隣さんの三姉妹が可愛すぎて、お兄ちゃんになりたくなっちゃいました!
あー大学面白くないなぁ……
友達もいるし、成績も悪いわけじゃない。
でもなにか物足りないんだよなぁ…
彼女が欲しい訳では無いし…
どうやったらこの気持ちを解消できるのか?
今日もそんな事を考えながら学校の課題を終わらせる。
○○:はぁ…やっと終わったよ…
面倒くさいレポートばっかで大変だ…
動画でも見ようとベットに寝転がると…
ピンポーン
とインターフォンが鳴らされる。
誰だ…? 郵便なんて来るはずないし…
また怪しいセールスの勧誘か?
○○:はい!なんでしょうか?
「突然すみません!隣の部屋引っ越してきたものです!
ご挨拶にまいりました!」
あ、隣の人来たんだ…
あんまりうるさく出来なくなるなぁ…
とりあえず玄関先まで行くと…
お母さんと娘さんが3人いた。
「これつまらないものですが……」
なにか高級そうな包みを渡される。
そんな気にしなくていいのに…
でも有難く受け取っておこう。
「今回1つお話がございまして……」
○○:なんですか…?
「夫の仕事の関係でしばらくここを離れる事になりまして…その間娘達を預かっていただけないでしょうか!!」
はい…?
娘さん達を預かる?
○○:い、いやこんな見ず知らずの男に娘さん達を任せるなんて流石にヤバくないですか!?
「○○さんは優しいと大家さんに聞きまして…
それなら安心して任せられるかなぁと…」
だとしてもでしょ…
まぁ何もする気ないし大丈夫だけどさ…
○○:はぁ…分かりました…
どのくらい娘さん達預かってれば?
「分からないですが大体1ヶ月程…」
○○:1ヶ月ですか!?
流石に大学生の僕の収入じゃ娘さん達満足させられないぞ…
「お金は包みの中に入ってますので…!
ではもう行かなければならないのでお願いします!」
お母さんすっごい動き早いな……
あっという間に見えなくなってしまった。
さて…目の前にいるこの3人とどう接していこうか…
年下の女の子と話すことなんかないし…
こっちも緊張しちゃうなぁ…
○○:まぁとりあえず部屋入っていいよ?
「「お邪魔します!!」」
__________________
○○:じゃあとりあえず自己紹介してもらっていい…?
「私はあやめって言います。今高校二年生です」
すごく大人っぽい子だな。
最近の高校生はこんな大人なのか……
「私はあやです! あーやって呼んでくださいっ!
高校一年生になりました!!」
この子は元気っ子だな?
しかもすごい甘え上手っぽい……
○○:じゃあ最後…名前聞いてもいいかな…?
さっきからこの子だけは敵意を表に出してくるんだよなぁ…
「蓮加…今高3…」
やっぱり僕のことまだ疑ってるよな。
そりゃ初めてあったやつが急に面倒見るなんて…
誰だってこうなるに決まってるわ。
○○:じゃああやめちゃんに彩ちゃんに蓮加ちゃんね。
とりあえずご飯とかは作ったりするけど
それ以外にやって欲しいことってある?
彩:はーい!
○○:おっ、なんかしてほしいことあるの?
彩:ちゃんとあーやって呼んでくださいっ!
彩ちゃんよりあーやの方が嬉しいですっ!!
流石に恥ずかしいからスルーしようと思ったんだけど…
見事に拾われたな…
○○:慣れたらあーやって呼ぶからさ?
今はまだ彩ちゃんでいいかな?
彩:やだやだー!
あーやって呼んでくれないとやだもんっ!
あやめ:ちょっと彩。迷惑かけちゃダメだよ!
彩:だってぇ……
○○:分かった!あーやね?
これからはそう呼ぶからさ!皆仲良くやっていこ?
彩:えへへぇ……○○さんありがと!
うわっ… 笑顔超可愛い……
彩ちゃんには気をつけねば……
○○:じゃあ他ないみたいだし…
ご飯食べたくなったら連絡してくれればそっち行くからさ
お母さん帰ってくるまで頑張ろっか?
「「はーい!!」」
___________________
翌日。
今日は土曜日で授業は入れてないのでグダグダしていた。
するとインターフォンがなる。
お、ご飯かな?
○○:はーい!
予想通り立ってたのは3人だった。
なぜかリュックを背負っているが……
どこかピクニックにでも行くのだろうか…?
あやめ:あの…3人で1日過ごしてみたんですけど……
彩:全然上手くいかなかったから○○さんの部屋お邪魔していいですか!!
○○:えっ…?
あやめ:洗濯とかもちゃんと出来ないし…
お皿も割っちゃうし上手くいかなくて…
だからお母さんが帰ってくるまで住まわせてくれませんか…?
○○:で、でもなにか用事があるとき呼んでくれればいいだけじゃない?
彩:それじゃ○○さんが大変だから!!
あや達が○○さんのお部屋に行きます!
だからリュック持ってんのか……
○○:じゃあさ!大体の事教えるから!!
そしたらご飯以外は大丈夫でしょ?
蓮加ちゃんもそう思うよね!?
蓮加ちゃんは僕に嫌悪感を抱いてるはずっ…
ここは蓮加ちゃんを味方につけて…
蓮加:彩とあやめがいいなら…
そっちの部屋行った方が早いでしょ……
嘘だろ…
まさか蓮加ちゃんが後押しになるなんて……
あやめ:○○さんは私達の事嫌いですか…?
彩:あやたち嫌われてるんだ……
○○:はぁ…分かった…
僕も女の子と一緒に住むなんて初めてだから
迷惑かけちゃうかもしれないけど大丈夫?
「「大丈夫ですっ!!」」
○○:じゃあ…これからよろしくね…
これは…色々大変になりそうだ……
女の子と暮らすことなんてないから不安でいっぱいなんだが……
○○:とりあえずもう夕飯の時間だし…
なにか食べたいものある?
彩:あやお寿司食べたいー!!
あやめ:そんなのダメだよ!
出前してもらうしかなくなるじゃん!
あやめちゃんの言う通りだ。
流石にお寿司は作れないわ……
あやめ:お姉ちゃんはどう?
蓮加:…蓮加もお寿司食べたいかな
あやめ:ちょっとお姉ちゃんまで!
○○:いいんだよあやめちゃん。
僕もバイトしてるから多少お金あるしさ?
今日は出前頼んじゃおっか?
彩:やったぁー!!お寿司だぁー!
あやめ:わざわざすみません…
○○:あやめちゃんも遠慮しないで?
纏めてくれてありがとね?
優しくあやめちゃんの頭を撫でる。
あやめ:ふ、ふふっ…ありがとうございます……
彩:あーお姉ちゃん顔真っ赤だ!
あやめ:ち、ちょっと!余計な事言わないの!
○○:微笑ましいなぁ…
あやめちゃんと彩ちゃんを眺めていると
蓮加:ねぇ…お母さんからお金貰ったんじゃないの?
○○:あっ!そうだった!!
蓮加ちゃんが話しかけてきた。
地味に蓮加ちゃんから話しかけてきてくれたの初めてかも…
少しずつ慣れてきてくれたのかな…?
○○:あんまり皆のお金だから使いたくないけど…
僕の貯金だけじゃ厳しいし少しだけ使わせてもらおうかな…
包みをあけると……
とんでもない札束が入っていた。
ん…?
見間違いかな?
もう一度開けると……
1万円札が大量に…
大金すぎて逆に使えないわ…
全部僕のお金で払おう……
大量の札束を見なかったフリしてお寿司を沢山頼んだ。
財布は空になったが皆喜んで食べてたし良しとするか…
蓮加:なにあいつ……訳わかんない……
______________________
男なんてみんな一緒だ。
誰も助けてくれなんかしない。
あの時だって……
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
私は当時好きだった先輩がいた。
皆から人気で非の打ち所がない人。
告白したら受け入れてくれて…
幸せな学校生活を送れるはずだったのに……
蓮加:先輩?体育倉庫になんて呼び出してなんですか?
先輩:あぁ、もうそろそろいいかなぁって。
蓮加:えっ?どういう事ですか…?
先輩:蓮加ちゃんいい体してるしさ?
他の男と一緒に楽しもうと思って!
影から他の男の人が2人でてくる。
蓮加:せ、先輩…?なんかの冗談ですよね?
先輩:そうそう!冗談だよ!だから大人しくしててね?
3人が迫ってくる……
いやだ…誰か助けてよっ…!!
「おい!ボール取りたいんだけど!誰かいるの?」
先輩:ちっ!タイミング悪ぃな……
蓮加ちゃんまた今度ね?
タイミングよく他の生徒が来てくれたから助かったものの
もし来なかったらと考えたら……
そこから私は先輩が卒業するまで不登校になってしまった。
男なんて…もう信じない。
そう決めて……
なのに新学期になってすぐ引越しして…
お母さんはお父さんの仕事のせいで遠く行っちゃうし…
それで隣の男の人に面倒見てもらうって……
本当に最悪。
男なんてみんな下心しかないんだから。
彩とあやめは私が守らないと…!
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
最初はどうせこいつも…と思っていた。
でも私達の事を面倒くさがらず世話してくれて……
だけど今更男なんて信用出来ない。
ここであんたの正体暴いてやるから。
私はお風呂に入ったあとソファーに寝転がり
寝ているフリをした。
あやめと彩は違う部屋に行き、既に寝ているから今ここには私とこいつしかいない。
どうせあんただって手出してくんでしょ?
それを証拠に脅してこれから逆らえなくしてやるから。
○○:ふぅ…いい風呂だった…
あれ、蓮加ちゃん寝ちゃってるじゃん。
気づいた……
今から襲われるって考えたら…震えが止まらない。
段々と足音が近づいてくる。
○○:よいしょっと!
お姫様抱っこの形で持ち上げられた。
薄目を開けると…
連れてこられたのは○○の部屋だった。
ここで今から……
でもあやめ達を守るには私が我慢するしか…!
○○:あやめちゃんと彩ちゃんを起こす訳には行かないから
ここで寝かせてあげるか…
僕のベットだけどごめんね?汗臭かったりしないよな…?
とりあえず明日謝ればいっか。
えっ…何もしてこないの…?
今私無防備なんだよ…?
○○:ふぅ…今日はソファーで寝るか。
おかしい…なんで…
蓮加:待って……
リビングに戻ろうとする○○の袖を掴む。
○○:あれ…起こしちゃった?ごめんね…
蓮加:なんで…?
○○:えっ?なにが?
蓮加:男なんて皆一緒じゃん…
なんでそんな優しくしてくれるの……
○○: …蓮加ちゃんの事情はわからないけどさ
人に優しくするって当たり前の事じゃん?
蓮加:えっ……
○○:それに今までつまらなかった日常が少し楽しくなる気がしててさ…勝手にお兄ちゃん気分というか…
皆の成長を見守りたいなとか思っちゃってて…
蓮加: ⋯⋯⋯
○○:だから蓮加ちゃんも困ったことがあったらいって?
出来る限りのことはするし、助けてあげるから!
○○の優しい言葉が一つ一つ心に染みていく。
あぁ…家族以外に頼れる人っているんだ…と。
この人なら信用出来る。心からそう思えた。
○○:じゃあ僕はあっちで寝るから…おやすみ!
蓮加:待って…それじゃ体痛めちゃう…
こっちで…蓮加と一緒に寝よっ…?
○○:い、いやそれは流石に…
蓮加:私達のお兄ちゃんになってくれるんでしょ…?
○○:それとこれとは別というか……
蓮加:じゃあいいじゃん…
私怖かったんだ…男の人を信用するのが…
でも○○なら…大丈夫だと思えたから!!お願いっ!
○○:分かった…じゃあ早く寝よっか?
○○は私に背を向けて寝転がる。
蓮加:なんで!こっち向いてよ…!
○○:恥ずかしすぎてそっち向けないわ…
蓮加:じゃあこうするもんっ!
私は後ろから○○に抱きつく。
○○:ち、ちょ!蓮加ちゃん!?
蓮加:今は…蓮加って呼んで…?
○○:早く寝よ? 明日も忙しいしさ?
蓮加:だーめ…蓮加って呼んでくれるまで寝かせないから…
○○:分かった… れ、蓮加…これでいいでしょ!?
蓮加:ふふっ、○○の心臓の音すごいね…
ドクドクいってるよ…
○○の大きな背中に顔をくっつける。
蓮加:なんか…安心するかも…○○…おやすみ…
○○:うん、おやすみ蓮加?
あっ、最後に名前呼んでくれた…
名前呼ばれるだけでドキドキしちゃう……
やっと探してた…人に…めぐりあえた…かも……
____________
「あーっ!○○さんとお姉ちゃん一緒に寝てるー!!」
次の日。
彩とあやめに見つかり事情聴取されたのは言うまでもない
彩:いつからそんな仲良くなったの!
あやも一緒が良かった!!
あやめ:お姉ちゃん。しっかり説明してもらうからね?
蓮加:そんな怒らないでよ〜 ね、○○!
○○:そ、そうだね…
「「怒ってなんてないからっ!!!」」
続く。