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あーや総長はやる気満々です

今日は体育祭の日

皆の熱意が始まる前から伝わってくる。

僕は運動なんて面倒臭い事嫌いなので
そこまでテンションは高くない

むしろ低い

なぜこんな暑い日に強制で出なければいけないのか?

サボれたら楽なのになぁ…

休んだら課題増やすとか脅されるし。

それにあの人が家まで来そうだしなぁ

まぁ半分くらいの力で頑張ればいっか……

体育委員長の宣誓が始まり遂に体育祭が幕を開ける。

"宣誓!我々一同はスポーツマンシップに則り
最後まで戦い抜くことを誓いますっ!よろしく!!"

なんか最近総長と絡んでるからかなんでもかんでも
ヤンキー用語に聞こえちゃうな。

最後の"夜露死苦"にしか聞こえなかったし

体育委員長ちょっとヤンキーっぽさ入ってる感じもするし、もしかして関わりあったりしてね。

暑い日差しのせいで応援などもやる気が起きず
ぼーっと色んなことを考えていると⋯

「おいっ!今日は沢山活躍するから見てろよっ!」

と話題のあの子が声をかけてきた。

○○:総長、自分のクラスのとこ抜け出していいんですか?

彩:ま、まぁ…○○とお話したかったから…

毎回出会い頭の口調は強いのに
その後はしおらしくなるんだよね。

まぁ可愛らしいポイントなんだけどさ?

彩:今回の体育祭は気合い入ってるんだ!
○○に絶対いいとこ見せてやろうって!

気合い入ってるのは人目見て分かります

だってみんな体操服なのに1人だけ特攻服着てるし


暑くて倒れちゃうんじゃないかと心配になるが
気合入ってるみたいなのでとりあえず放置。

彩:あやは借り物競争に出るからっ!絶対見ててよ?

○○:まぁ特に見る人もいないんで見てますよ

彩: なんか冷たい…ついで感酷い…
私の事を考えて見てほしいのに…


少し怒った表情でこちらを見てくる総長。

○○:大丈夫ですって。
ちゃんと総長の事だけ見てますから

彩:ほんと…? なら頑張るっ…!!

総長はスキップしながら自分のクラスの元へ帰って行った

ちょっと面倒臭いけどやっぱり総長は可愛い

借り物競走か…

少し体育祭という面倒臭い行事が楽しく感じてきた気がした○○だった。

________________


"次は〜徒競走〜。 代表は出てきてください。"

はぁ…行くか…

クラスで出る競技を決める時間に寝てたら
いつのまにか徒競走の代表になっていた

これが体育祭を更にだるいと思わせる原因。

最初に言った通り5.6割の他の人に置いてかれないくらいのスピードで走る

結果は最下位。

クラスの人も
"どんまいどんまい!"
と言い責めてくる人はいなかったのだが……

「おいっ!○○!さっきの走りふざけてるだろっ!」

少し顔を赤くした総長が怒鳴り散らかしている。

○○:いやぁ、全力でしたよ?

彩:そんなわけないだろっ!○○ならもっと出来るはずだ!

総長が追撃してこようとしたのだが

「次は〜借り物競争です。出場する方は集まってください」

とアナウンスが入った。

彩:あやが絶対1位見せてやるから見とけよっ…!

少し変な歩き方で集合場所に向かっていた。

○○:ん?どうしたんだ総長…?

そして借り物競争が始まった。

総長の出番はもうそろそろ……

なのだが普段あんなに元気な総長がすごく大人しくしている。

○○:まさか……?

⋯⋯⋯

遂に総長の出番

やはり元気がない。

○○:あれ特攻服のせいで絶対熱中症じゃん……

汗もすごくかいており、ちゃんと見てみるとあまり顔色が良くない。

それでも総長は走ってお題の場所へと向かった

お題を見た瞬間……

考える時間無しに僕の所へと走ってくる。

だが…

もう少しのところで総長が倒れてしまった。

すぐに保健室に運ぼうとしたのだが……

彩:あやが…1位取るもん……

とブツブツ呟いている。

しょうがない…面倒臭いなぁ……

○○:総長しっかり掴まってて下さいね?

あーや総長を背中におぶり久々に全力で走った。

1人…2人とごぼう抜きし……

"ゴール!1位は小川彩さんですっ!!"

と言い体育委員長が音の出るピストルを鳴らした。

○○:はぁ…はぁ…もう全力出すなんて絶対しない……

彩:ふふっ……やっぱ○○早いじゃん… 

背中に乗った状態で総長が声をかけてくる。

○○:気合い入れて特攻服着て熱中症なんて、総長はやっぱりおバカですね〜?

彩:むぅー!うるさいっ!!

○○:そこまで元気なら早く降りてくださいよ。

彩: …やだ
…保健室まで運べっ!!

○○:なんで運んでもらってるがわがそんなに偉そうなんだ…

彩:えへへ…総長だからなー!

○○:あっ、そういえばお題ってなんだったんですか?

彩:な、内緒……

○○:えーっ?頑張ったんだから教えてくださいよ。
減るもんじゃないんだし?

彩:だ、ダメったらダメなのっ!! 

 ○○:まぁどうせ先輩誰か連れてこいみたいなお題だと思いますけど……  大体去年のでお題の種類分かってますし。

彩:まぁそういうのだから気にすんな〜!
早く保健室に行っくぞー!

○○:ちょっ!暴れないでください!

総長の手には 

⋯⋯⋯

"あなたが大好きな異性を連れてきなさい"

⋯⋯⋯

と書かれた紙がぎゅっと握りしめられていた。

END














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