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幼馴染に恋を知ってもらうためにもうそろそろ本気出そうと思います

「はぁ…明日からテストか…面倒くさいなぁ〜!」

そう言いながら目の前でテキストを渋々見ている幼馴染の咲月。

咲月:○○は勉強しなくていいの?
いつも順位低いんだから頑張らないとじゃん!!


○○:今はいいんだよ…今はね…

咲月:どういうこと〜?
言ってる意味が分からないんだけどっ!

○○:いずれ分かると思うよ?
もしかしたらもうそろそろかもね?

咲月の頭の中にははてなでいっぱいだろう。

咲月:○○はさ…気になってる人とかいないの…?
高校生なんだしさ。その…なんかあるでしょ…?

○○:気になってる人?
あぁ、いるよ。ずっと前から気になってる人が。

咲月:へ、へぇ…そうなんだ…


分かりやすく目線を下に落とす咲月。

咲月:ま、まぁ…?
私もそれなりに気になってる人いるし??
別に悔しくなんてないからさ!?

○○:ちなみに気になってる人って?

咲月:え、えーっと…
と、隣のクラスの△△君だよ!!
頭もいいし、運動も出来るしかっこいいじゃん!!

○○:ふーん。おっけー…わかったよ。
咲月…来週からその気持ちきっと変わると思うよ?

咲月:さっきから意味わかんない事ばっか言い過ぎ!
もっと分かりやすく話してよっ〜!

○○:分かりやすくね…

咲月の耳元に近づきそっと囁く。


"今後俺から目を離さないでね?"


咲月:な、なに急に!!?

○○:まぁそういう事だから…
来週から楽しみにしといてな?

○○はそういうと清々しい顔で帰っていく。

咲月:なんなの…いつもの○○と違うし…

普段と違う○○に疑問を持ちながら咲月も家に帰った。

_____________________

時が経ちテスト返却の日となった。

先生:それではテストを返却します。
その前に…先生もとてもビックリしたんだが…
このクラスには天才がいました!

クラス内がザワザワと騒がしくなる。

誰なんだろう…

このクラスそこまで頭いい人いないはずなのに…

そう疑問に思っていると…

先生:○○!出てきてくれ!

えっ…!?○○が…?

内心すごく驚いてしまう。

○○はお世辞にも頭がいいタイプじゃなかったのに…

なんでこんな急に!?

先生:○○は学校始まって以来初の全教科100点を取りました!!皆○○を見習うように!

あ、ありえない…

○○が100点なんて…

○○は私に考えてる事に気づいたのか、ニヤッとこっちを見てきた。

なんなのよアイツ…!

授業が終わった瞬間、席をたち○○の所に向かう。

咲月:ねぇ!どういうことなのか説明して!!

○○:だから言ったじゃん?
「来週楽しみにしてて」ってさ?

咲月:まさか…これの事だったの…?

○○:まぁそれもあるね〜

お気楽な所は相変わらず変わっていない。

咲月:テスト前日まで何もしてなかったのにどうして!?

気になることが多すぎて声が大きくなってしまう。

○○:ここじゃ目立つし空き教室行こっか?

○○に連れられ1階下の空き教室に向かった。

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咲月:ちゃんと説明してっ!
今まで本当の実力出してなかったの!?

○○:まぁそういうことになるね。

当たり前のようにいう○○。

何も分かってなかったんだなと少し悲しい気持ちになる…

ずっと…小さい頃からいたのに…

○○が気になってる子は…
きっと私より○○の事知ってるんだよね…

○○:なぁ…咲月?

咲月:えっ?何?

"なんで泣いてんの?"



○○に言われて気づいた。

いつの間にか涙が零れていて…

その時、はっきりと自分の気持ちに気づいた。

小さい頃はなんとも思ってなくて…

ただ仲のいい友達くらいに思っていた。

でも最近なぜか○○を見ると胸の辺りが変な感じして…

よく分からないけど気づいたら視線の先には○○がいた。

あぁ…私ってやっぱり○○の事…

自分の気持ちにようやく気づいた時、
○○は全てを分かってるかのように私に伝えてきた。

○○:咲月…まだダメなんだ。
君にふさわしい存在になってから俺が言うからさ
その気持ち…しまっといてくれない?

咲月:ふふっ…なにそれ…


○○:とりあえず明日体力測定あるでしょ?
俺の事見ててくれない?

咲月:テストと一緒で本気でやるから見とけって事?

○○:うん、咲月に見て欲しいんだ。

こんな単純な一言でも喜んでしまう自分はやっぱり○○に惹かれてるんだなと改めて思う。

ふふっ…明日はどんな事を見せてくれるんだろ…

気づけば私の頭の中は○○でいっぱいになっていった。

咲月:私が見てるんだから相当な記録見せてくれないとね?

○○:あぁ、咲月の好きな△△なんて大幅に越してあげるよ

咲月:そ、それは冗談で!

○○:分かってるよ
咲月が好きなのは俺だもんね?

咲月:ふふっ…なんかムカつくけど許してあげる!


○○:じゃ、帰ろっか?
久しぶりに手なんて繋いじゃう?

咲月:つ、繋ぐわけないでしょ!!

夕日に照れされた2人の影は真ん中でしっかりとくっついていた。

______________________

「すっげぇ……」

「○○君超かっこよくない!?」

周りの生徒がザワついている。

当たり前の話なんだけどね。

だって…

次々に○○が体力測定でとんでもない記録を打ち立てているから。

全てを終えた○○はゆっくり私の方に近づいてきた。

○○:咲月、どうだった?

咲月:どうだったって?

質問の意図は分かっているがドヤ顔の○○に少しムカついて聞き返してみる。

○○:だから…俺の事見てて…どうだった?

前と違って少し不安そうな顔をして…

こんなに○○の色んな表情を見れるのは自分だけなんだと考えると少しドキドキしてしまう。

咲月:悔しいけど…かっこよかった……

○○:そっか…




お互い恥ずかしがるという謎の空間が生まれる。

○○:なぁ…咲月…
今日の放課後、屋上に来てくれないか?

それが何を意味するかは分かっていた。

咲月:わかった…
その代わり…するならしっかりしてよね!

○○:うん、楽しみにしててよ

2人で笑いあう姿は出会った頃の無邪気な気持ちを思い出させた。



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6時間目が物凄く長く感じる…

いつもはぼーっと先生の話を聞いていたらすぐ終わったのに…

この後の事を考えたらドキドキしてそれどころじゃなかった。

1分、1分がとても長く感じてソワソワする。

「大丈夫だって…予定は逃げないからさ?」

隣にいる○○は私を見透かしたように小声で話しかけてくる。

咲月:べ、別にこの後の事なんてなんとも思ってないけどね!!

○○:さっきから落ち着かなくてずっとキョロキョロしてるのはどこの誰だろうな?

咲月:そんな人いたら私が叱ってあげるよ!

○○:咲月の事だけどな?

咲月:そんなわけないでしょ!!

「おーい!授業中だぞ!
イチャイチャは終わってからしろよ〜?」

少しずつ声が大きくなってたみたいで先生に注意されてしまった。

クラスの皆もこっちを見て笑っている。

咲月:も、もう!
○○のせいで恥かいちゃったじゃん!

○○: …実は俺も一緒でさ
この後の事緊張してるから喋りたくなっちゃって…

○○の言葉を聞いてより一層「授業早く終わらないかな」と考えてしまう。

_______________________


遂に待ち望んだ放課後。

急いで階段を駆け上がり屋上へいくと…

既に○○が待っていた。

咲月:お待たせ…随分早かったね…

○○:心の準備が必要だからな…

○○はすーっと息を吸い込むと柵に手を当て


"菅原咲月ー!! 大好きだー!!"


と大声で叫んだ。

もちろん下校中の皆はこちらを向く。

咲月:ち、ちょ!何してんの!?

私は流石に焦って○○に声をかける。

○○:俺は小さい頃からずっと咲月が好きだった。
勇気があって、頭が良くて、運動神経が良くて…
でも俺は普通だから…咲月に告白する事が出来なかった。

咲月:そ、そんな事…

○○:それに最近までずっと俺の事男として見てなかったでしょ?ただの幼馴染だって思ってたはず…

確かに私は最近になってようやく○○への気持ちに気づいた。

○○:だから必死に努力したんだ!
咲月に釣り合うようにさ?

咲月:だから準備ができるまで実力を隠してたってこと?

○○:そうそう!すっげぇ恥ずいけど…
咲月が思ってるより咲月の事好きだからさ…

そんなに私の事思ってくれてたなんて…

私はいてもたっても居られなくなり、○○の方に走り出す


「○○ー! 私も大好きだからー! 幸せにしろよー!!」


○○:ば、ばか…咲月までしなくても…

咲月:へへっ…○○は勇気ある私が好きだったんでしょ?
○○がしたんなら私もしないとね?

○○:ふふっ…俺本当咲月の事好きだわ…
…改めて俺と付き合ってください!

咲月: っ…はいっ!!

今まで当たり前すぎて気づかなかったけど…

これからはその当たり前を大切にしようと誓った私だった。

咲月:○○ー!愛してるからー!

○○:俺もー!愛してるー!


再び屋上で声をあげた2人。

その後先生達に見つかり怒られたのは言うまでもない…

終わり。





















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