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先輩彼女はなんでも出来て完璧だからこそ心配になっちゃいます

「我が校をより良いものにする為に…」

普通高校生なんて皆真面目な話はほぼ聞き流す。

学校の為…地域の為…

なんて話聞いても面白くないからだ。

でも自然とこの人が話す言葉には耳を傾ける。

それが彼女 久保史緒里の魅力なのだ。

そんな先輩と僕はお付き合いさせていただいてる。

生徒会長として皆の前に堂々と立つ凛々しい姿に一目惚れし、何回も思いを伝えた後了承して貰えたのだ。

久保:お待たせ○○君!帰ろっか?

○○:全然待ってないですっ!今日は普通に帰ります?

久保:そうだね!早く帰った方が○○君も楽だと思うし…

ここで「そんな事ないです!」って言えればきっと結果は変わっていたのだろうが……
意気地無しの僕はそんな事言えるはずもなく普通にいつもの道を通って帰る。

○○:じゃあ先輩、また明日!

久保:うん!バイバイっ!


手を振られただけで胸が高鳴る僕。

改めて先輩に惚れ込んでるんだなということを実感させられる。

それと共に…

本当に僕でいいのかと不安になることもある。

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今日は先輩が生徒会の会議があるらしいので
終わる頃を見計らって教室に迎えに行く。

○○:先輩帰りましょ…えっ…?

勢いよくドアを開くと…

そこには副会長に抱きしめられている久保先輩がいた。

あぁ、やっぱりそうだよな…

僕なんかじゃ役不足だったんだ。

今まで何勘違いしてたんだろ…

自分だけの先輩なんて…

思い上がりもいいとこだよな。

○○:お邪魔してすみません……

現実から目を逸らす為に急いで学校から出た。

歩いてる時、何も考えられなくて…

ただひたすら先輩が抱きしめられてるシーンが頭に思い浮かんでくる。

少し気持ち悪くなりそうな程に…

気づいたら…僕は思い出の公園にいた。

僕が先輩に告白した公園だ。

あの時の行動は…

間違ってたのかな…?

好きになんなきゃ良かったのかな…?

出会わなきゃ良かったのかな…?

もう何が正解か分からないよ…

ブランコに座り、ただ地面を見つめる。


「はぁ…はぁ…見つけた…」


○○:久保先輩……なんで来たんですか…

久保:○○君の…誤解を…解きたくて……

そんなに息を切らして…

必死そうな顔して…

もうやめてください…

久保:さっきのは違うの…私は本当に…

○○:先輩……もうやめましょ……?
僕といたら幸せになんかなれないですよ……さよなら…

久保:ま、待って!!

横を過ぎようとする僕の手を掴む先輩。

○○:先輩…いや、久保さん。
これからはもうただの先輩と後輩です。
どうか他の方と幸せになってください……

久保さんの手を解きその場から去る。

久保:ううっ…なんでこうなっちゃうのっ…
いやだ…いやだよ○○君…

本当は泣いてる久保さんを抱きしめたい。
でも…だめなんだ…

僕が近くにいれば久保さんは新しい人と関係を築けない

ここで彼女に近づくことは…

彼女の幸せを壊すことになる…

分かってるはずだろ?

だからいい加減止まってくれよ………

目から溢れ出るものを拭う。

これで良かったんだ…これで……


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次の日

「○○君!おはよっ!!」

○○:あぁ、久保さん。おはようございます。

一瞬悲しい顔をする久保さん。

久保:今日一緒に帰ろっか!!

○○:ごめんなさい、用事があるので…

久保:急ぎの用事なの?もしかして勉強?
私が手伝ってあげ……

○○:すみません、授業あるので失礼します…

一刻も早くこの場から逃げたかったので授業を言い訳に立ち去ろうとする。

久保:ねぇ、私は絶対君のこと諦めないからっ!!

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久保:○○君お昼ご飯食べよーよ!

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久保:授業の間の短い時間も見たくなっちゃって…

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久保:○○君ー!暑いけど体育頑張ってねー!

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久保:よし!一緒に帰ろーよ!!

○○:なんで……

久保:えっ?

○○:なんで僕に付いてくるんですか!!
せっかく離れたのに…
久保さんの為を思って僕はっ…!

久保:その行動って本当に私の為…?

優しい声で久保さんが問いかけてくる。

久保:私はね?○○君が思ってるより君の事好きなんだよ?
そんな好きな人に誤解されたまま別れ告げられてさ…
今もずっと胸を奥がズキズキしてるの……

○○:で、でも…僕より副会長の方がよっぽど……

久保:君がいいの。
他の誰でもない。君だけの特別になりたいんだ…
もし本当に君が別れたいなら…私はそれに従うよ。
だから……君の本心を教えてくれないかな……?

僕の…本心…

あの時からずっと誤魔化してきた。

先輩の為を思ってって自分に嘘をついて。

本当は嫌だっただけなんだ。

自分がこれ以上傷つくのが……

だから早々に自分の気持ちを諦めてしまった。

僕の…本当の気持ちは……

○○:先輩っ……やっぱり大好きです…

久保:ふふっ、知ってる!!
だって…私はあなたの"彼女"なんですからっ!

僕は子供のように先輩に抱きつき泣きじゃくった。

今まで溜め込んでいたものが全て吐き出された気がした。

○○:僕…頑張ります…
いつか自信を持って先輩の彼氏ですって言えるように…
だからその時まで…隣にいてくださいっ!!

久保:…はいっ!
私は君の物語の登場人物になれて本当に良かったと思ってる!これからも2人で幸せを作り上げていこうね?

もうこの幸せを離さないように……

先輩だけの特別になれるように頑張ろう。

そう心に誓った。

○○:絶対に幸せにしますからっ!!

終わり。













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