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あの遠藤さんに追っかけされてるんですけど!?

「きゃっ!今こっち向いたよね!?」

こそこそとこちらに向けて手を振っているのは

同じ学年の遠藤さくらさん。


とても人気者の彼女なのだが…

なぜか僕の追っかけをしている。
何でなのかは僕にもさっぱりだ。

最近急に僕の行先に現れるようになり

なんと自作の○○グッズまで作ってしまったみたいだ。

うちわに

"○○愛してるよっ!"と書かれてあったり

おっきく"○○"と名前が書かれたタオルまで用意している

まるでアイドルのライブに行くファンみたいに

僕のグッズを準備している。

○○:そのっ…
流石に街中まで着いてこられると恥ずかしいんだけど…

さくら:はっ…ごめんなさいっ!!
推しにそんなに迷惑をかけていただなんてっ…

推しって…

本来の立場絶対逆だよね?

○○:なんで遠藤さんは僕の事を追っかけてくるの?

さくら:好きだからじゃ…ダメですか…?


身長差もありキラキラとした目で上目遣いをしてくる。

危うく許してしまいそうに…

○○:ダメだよっ!遠藤さんは人気者なんだよ?
こんな取り柄もないような地味な僕と一緒にいないでくれ

さくら:取り柄がないなんて…
○○君にはいい所しかないよ!卑下しすぎだよっ!

○○:じゃあ…何があるって言うのさ!僕のいい所なんて!

どうせ言えるはずもない…

全ステータスが人並み以下なんだから…

さくら:まずかっこいい!

○○:それがおかしい!! 僕はかっこよくなんてないっ!

さくら:かっこいいかは本人が決める事じゃないじゃん!
私がかっこいいって言ったらかっこいいのっ!

なぜだか論破された気分だ…

○○:じ、じゃあ他のいい所言ってみなよ!

さくら:気配りができるっ!
この間、先生が運ぶ荷物多くて困ってるのを手伝ってた!

そんなとこまで見られてたんだ…

さくら:あとはおじいちゃん、おばあちゃんに優しい!
いつも下校中人助けしてるの見てるよっ!!

誰かに褒められたくてやってたわけじゃないけど…
人に評価して貰えることってこんなに嬉しいんだ。

○○: …ん?なんで僕の下校の様子知ってるの?

さくら:だって○○君が家にいる以外の時間は
全部○○君の事見てるもんっ!えへへっ!

可愛いはずの笑顔に軽い恐怖を感じる…

○○:こんな事自分で言うの恥ずかしいけどさ…
なんで僕の事好きになってくれたの?

さくら:えっとね…2週間くらい前だったかな…

・・・・・・・・・・・・・・・・

私は当番のお仕事があって帰宅が遅くなっていた。

その時○○君がすやすや寝てるのを発見。

あまり関わりは無かったけど気になってしまい、

じーっと○○くんの寝顔を眺めていると


○○:んーむにゃむにゃ…えへへっ…恥ずかしいよぉ…

とニコニコしながら唱えていた。

なぜか何日経っても○○君の笑顔が忘れられず。

・・・・・・・・・・・・・・・・

さくら:それで気づいたら○○君の事好きになってた!

○○:そんな恥ずかしいことが…

ってか人の寝顔を見て好きになるって中々おかしいな…

○○:と、とりあえずっ!
人気者の遠藤さんが僕に関わるといい事ないよ?

さくら:人の評価なんて気にしないもんっ!
私が○○君が好きだから関わりたいだけっ!!

○○:でも…

さくら:じゃあ今日放課後しっかり話し合お!
場所はさくのお家ね!じゃあ!!

遠藤さんは住所の書いた紙を僕に手渡し
猛スピードでどこかに行ってしまった。

○○:えぇ…逃げられたら断る事も出来ないじゃん…

こうして僕はしぶしぶ遠藤さんのお家に行く事に決めた。


__________________


○○:お、お邪魔します……

さくら:入って入ってー!そんなに綺麗じゃないけど…

うん、お世辞にもいい部屋とはいえないな。

だって…

いつ撮ったか分からない僕の写真が何枚も飾られてるから

○○:こ、この写真っていつ撮ったの…?

さくら:○○君が見てない時に影からこっそりと!

○○:それ1歩間違ったら犯罪じゃ…

さくら:男の子が女の子にするのはアウトだけど
女の子が男の子にするのはセーフっ!

○○:なんだその理論は…

さくら:まぁそれは置いといて!
とりあえずお互いの意見整理しよっ!

○○:そうだね…とりあえず僕は…

さくら:あっ、ちょっと待って!

○○:ん?

さくら:話し合う前に! ここって誰のお家だっけ?

○○:遠藤さんの家だけど…

さくら:じゃあ当然私が1番偉いわけだっ!

○○:まぁ僕よりは偉い存在だね…

さくら:だったら○○君にはまずお願いを聞いてもらいます!

○○:えぇ…やばいやつはやめてね…?

さくら:大丈夫!軽いのしかないからっ!
1つ目はね!私の事を"さく"って呼んで欲しいの!

○○:そんなの皆にバレたら大変なことに…

さくら:言ってくれないと○○君にストーカーされて
家突き止められたって泣きながらクラスの子にいうよ?


うわぁ…逃げ場ねえぇ…

○○:分かったよ…さ、さく…

さくら:えへへ…なんかとろけちゃいそう…
嬉しすぎて口角上がっちゃうよぉ…


行動がおかしくなければ物凄く可愛いんだけどなぁ…

さくら:じゃあ2つ目ね!
この後さ、さくが○○君に告白するんだけど…

○○:ん?ち、ちょ!?ストップ!

さくら:ん?どうしたの?

何か変な事でもあった?みたいな顔で見られても…

○○:僕に告白するって聞こえたんだけど…

さくら:うん!そうだよ?

○○:な、なんで?

さくら:そりゃあ好きだからに決まってんじゃんっ!
好きな人と付き合いたいのは当たり前の感情でしょ?

○○:まぁ確かに…

さくら:最後に答え聞くから、今日一日はさくの事をたーくさん可愛がることっ!もちろん断ってもいいよ!

○○:えっ!?断ってもいいの?

さくら:付き合うかどうかは○○君に判断させてあげないとかわいそうでしょ?

普段変な事ばっかしてる人がここまで真面目な事をいうとすごい違和感があるな…

○○: …分かった。断ってもいいなら。

さくら:ふふっ!やった!
…まず断らせないけどね。

なんか今怖い一言が聞こえたような…まぁいいか…。

○○:ていうか可愛がるって何をすればいいの?

さくら:まずはぎゅーしよっか!

遠藤さんは僕の膝に乗っかりお互いの顔が見える状態になった。

さくら:ふふっ、○○君顔真っ赤だよ?

○○:さ、さくこそっ!真っ赤じゃん!

さくら:そりゃそうだよ!
だって大好きな人の顔が真ん前にあるんだよ?


さくらは恥ずかしがるように頬を手で抑える。

さくら:ね、ねぇ…ちゅーしても…いい?

○○:そ、それは流石にまだ早いよ!!!

さくら:ふふっ…わかった!

○○:なんか断られたのに嬉しそうだね?

さくら:だって○○君、今"まだ"って言ったんだよ?
いずれはしていいって事でしょ?

あっ、確かに…まだって言ってた。

さくら:○○君のプルプルの唇貰えるの楽しみっ…!


こういうセリフも絶対言う方逆なんだけど。

さくら:ねぇねぇ!さくのお膝でお昼寝しない?

○○:確かに…なんかちょっと眠い……

さくら:でしょでしょ!? じゃあ寝ちゃおうよっ!

○○:うん…じゃあちょっと失礼します…

さくの太ももはとても柔らかく寝心地が最高だった。

これならすぐ眠りについてしまう。

○○:おやすみ……

・・・・・・・・・・・・・・・・

よしっ!おねむの薬が効いたみたい…!

ねぇねぇ、○○君…

さっきは断られちゃったけどさ?

もうね?さく我慢できないんだ…

ち、ちゅーしちゃうね…?

あっ、○○くんの柔らかいお口に指が触れちゃった!

えへへ…○○君すっごい可愛いよ…

これ…さくのファーストキスなんだからねっ!

○○君にプレゼントしちゃいますっ!


・・・・・・・・・・・・・・・・

○○:ふぁぁ…よく寝た…

なんかさくの変な声が聞こえたような気がしたが
きっと寝ぼけていたんだろう。

さくら:だいぶぐっすり寝てたねー!!
どう?さくのお膝気持ちよかった?

○○:正直いうと…すごく良かった…

さくら:うふふ…やったっ!



本当にさくの笑顔は可愛いな…

さくら:あっ、もうそろそろ帰るお時間だね…
じゃあ最後に…告白のお返事聞いてもいいかな…?

不安そうにこちらを見つめてくる。

○○:最初は可愛いけど変な人だから嫌だったのに…
今はさくの可愛さから目が離せなくなってて…

さくら:うんうん!それで?

○○:自分なんかで本当にいいのかなって思っちゃうけど…
よければ僕と付き合って

さくら:付き合うっー!!○○君大好きっー!!

僕の言葉が終わる前に抱きついてくるさくら。

さくら:ふっふっふ…計画通りだぜっ!

○○:ん?

さくら:なんもないよっ!
ただ○○君をメロメロにする作戦が大成功しただけっ!!

○○:まんまとハマって落とされたなぁ…

さくら:ねぇ、これからはもっとラブラブしようねっ!!

翌日からスキンシップがさらに激しくなり
付き合ったことを若干後悔した○○だった。

END


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