勝手に乃木坂にされました 8-2
○○:うわぁ…でっけぇ……
10th birthday liveで初ステージを終え、無事に乗り切れたと思いきや……
俺はなぜか乃木坂の伝説のOG達に呼び出されていた
○○:胃が痛たいよ……
恐る恐るオートロックを解除し部屋に向かう。
高級マンションすぎて場違い感半端ないなぁ…
早く帰らせてもらえないかな…?
そんな事を考えてるとあっという間に部屋の前に……
○○:ふぅ…覚悟決めるぞっ…!
呼び鈴を鳴らそうとした瞬間
ガチャっと玄関のドアが開かれる。
出てきたのは……
あの"西野七瀬"さんだった。
七瀬:おっ、やっと主役が来たなぁ!
○○:し…主役ですか…?
七瀬:せや!今夜は○○くんが主役やでっ?
○○:え…えぇぇ…そんな話ひとつも……
七瀬:ななは明日仕事早いからもう帰らなあかんけど…
ふふっ…今度はうちとも遊んでな?
西野さんは去り際に僕のほっぺをキスしてきた。
あ、あの西野さんからキス…?
嘘だろっ…!?
状況が飲み込めず、ドアの前にずっと立っていたら
再びドアが開く。
中から出てきたのは見覚えのある人物…
というかずっと一緒にいるあの人。
○○:ね、姉ちゃん!? なんで姉ちゃんが!!
史緒里:えへへ…私もいくさんに呼ばれたんだぁ……
目や喋り方がトロンとしている。
○○:まさか…酒飲んだっ!?
史緒里:うん〜! 先輩達に勧められたのぉ〜ふふっ!
○○:おい…酒弱いくせに飲むなよっ…!
あと外に出てきた要件は?
史緒里:ん?お酒無くなったから買いに行くぅー!
○○:は?まだ飲むつもり!?
史緒里:うんっ…お酒まだ飲みたいっ…!
○○:はぁ…まぁ久々に先輩と会ったんだもんな。
今日くらい許してあげるか…
史緒里:えーっ…○○優しすぎるっ…だいちゅきっ!
○○:お、おい…キスしようとするなっ…!
先程の西野さんからのキスを思い出し顔が熱くなる。
史緒里:あーっ!○○顔赤いーっ!
えへへ…しおちゃんからのキス嬉しいんだぁ?
○○:うるさいっ! ほら、早く買い物いくよっ!
史緒里:え、着いてきてくれるのっ?
もう…そういう所も…ちゅきっ!
酔っ払ってる時の姉ちゃんのテンション本当だるいんだよな……
史緒里:ほらー!いくよ○○ー!!
○○:はいはい……
───────────
自由に行動しようとする史緒里をなんとか制限し
コンビニまで辿りついた。
○○:ほら、早く買って帰るよっ!
史緒里:はーい!えへへ……
姉がお会計してる間、外で待っていると……
「すいませんっ!久保○○さんですよね…!?」
とカップルらしき2人組から声をかけられた。
○○:は…はい…そうですけど……
「今日の10thバスラ会場いました!!」
「和ちゃんと○○ちゃんすごい可愛かったですっ!」
○○:あ…ありがとうございますっ……
普段可愛いなんて言われるわけがないので
恥ずかしくて声が小さくなってしまう。
「今日から○○ちゃん推しになります!!」
「これからも頑張ってください!!」
最後に握手をし、2人は去っていった。
史緒里:ふふっ…○○も人気になったね?
○○:姉ちゃん…見てたのかよ…!
史緒里: …これからメディアに沢山出て今みたいに嬉しいこと、時には悲しい事も言われることはあると思うけど
お姉ちゃんはずっと○○の味方だからねっ…!!
○○:姉ちゃん…ありがとね……
どんどん先輩が卒業していき、今は乃木坂を担う存在となった姉の言葉はとても心に染み…そして頼もしく感じた。
史緒里:よしっ!じゃあ早く帰ってお酒飲むぞーっ!
いくさんと白石さんが待ってるんだからっ!
○○:はぁ…折角カッコよかったのに台無しだ……
──────────────
史緒里:しおちゃんただ今帰ってきましたー!!
○○:お、お邪魔しますっ……
「おっ!主役登場したー!」
「遅いーっ! 早く久保ちゃんも○○くんもここ来てっ!」
史緒里:はーい!いくさん今行きますっ!!
白石:じゃあ○○くんはこっちねー!
白石さんに腕を引っ張られ隣に座らせられる。
生田:ずるいー!私も○○くんと喋りたかったのにっ!
あれ……なんか違和感が………
○○:あっ!! 白石さんも生田さんも……
○○"くん"って…!?
そういえば今思ったら西野さんも
○○くんって呼んでいた気がする。
もしかして…俺バレるような事をしてしまったのか…!?
生田:あぁ!久保ちゃんがさっき教えてくれたよー!
白石:私達もちょっと前に知ったんだよね〜?
・・・・・・・・・
遡る事……数時間前
生田:そういえば今日○○ちゃん凄かったねー!
白石:うん!
和ちゃんもだけど加入したてとは思えなかった!
史緒里:そうなんです…!2人とも期待の新人ですっ…!
生田:そういえばさ…ひとつ気になった事があるんだけど…
史緒里:ん?なんですか?
生田:久保ちゃんって弟くんしかいないって言ってなかった?
史緒里:ぎ、ぎくっ……!
白石:へぇ…? 詳しくそれはお話聞かないとね?
どうにか誤魔化そうと頑張った史緒里だったが
2人の圧に押され○○の事を話してしまった……
───────────
生田:ってわけ!!
○○:姉ちゃん!なんで言っちゃうんだよっ!?
史緒里:だってぇ…生さんと白石さんに挟まれたら…
無理だよぉぉ……
確かに…この2人に隠し事は出来なさそうだ…
○○:それで…俺はどういう処分になるんでしょうか…?
生田:ん?どういう処分って?
○○:いや…折角ここまでグループが大きくなったのに
男が入るなんて良いわけないですよね…?
白石:え、別にいいんじゃない?
○○:し、白石さんっ!?
白石: …確かに私達も○○くんに下心があるなら
今すぐ公表してグループをやめさせてたけどさ?
生田:うんうん!
皆○○君の事信用してたし…
それにステージ上でいっちばん輝いてたからっ!
○○:ほ…本当にいいんですか…?
俺なんかが…このまま乃木坂にいても…
白石:大丈夫!君ならきっと上手くいくさ!
生田:それに色々ハプニング起きそうで楽しそうだし!
○○:なんか投げやりな感じありますけど……
俺…全力で頑張りますっ…!
史緒里:う゛う゛っ゛…よがっだねぇ……
泣きながら抱きついてくる姉。
白石:じゃあ…これからの事お姉さんとゆっくり話そっか?
私の…ガールズルールを教えてあげる!!
右腕に抱きつく白石さん。
生田:えーっ!まいやんだけずるいー!!
じゃあ○○くん…私と低体温のキスしよっか…?
左腕に抱きつく生田さん。
史緒里:○○ぅ゛…これからも…頑張ろぉぉ…!!
泣きながら俺の胸に抱きついてくる姉ちゃん。
○○: …この状況カオスすぎるって!!!!
皆が酔いつぶれるまでずっと抱き枕状態だった○○でした
END