
皆から好かれたい私は冷たく当たってくる男の子を落とそうと奮闘していると...不思議な出来事が...!?
私は皆から好かれたい
過去に少し虐められていたこと、常に両親から1位を求められていたこと。
ここら辺が原因で異常に愛に飢えてるのかも……
もちろん男女問わず仲良くしている為、1部の女の子からは色々言われてるみたいだけど…
まぁしょうがないよね!
皆に好きになって欲しいけど、
皆の理想になる事は不可能だしねっ…
とりあえず!
今日も仲を深めるために桜は積極的に話しかけるんだ〜!

桜:おはよー!
「おはよう!桜今日も可愛いねー!」
桜:えへへ…そんな事ないよ〜
皆の方が可愛いもんっ!
「…そっかー! ありがとね!」
桜:うん!今日も学校頑張ろうね〜!
「頑張ろー!」
このように桜の事を嫌っているのは本当に1部の女子だけで皆が桜が嫌いな訳ではないのだ!

桜:今日もみんなかっこいいねー!
「いや、川崎の方こそ!めっちゃ可愛いよ!」
「さくたんマジアイドルになれるレベル!」
桜:んふふ!皆ありがとね〜!
男子とはほぼ全員とお友達になっている!
困ったことがあればすぐ助けてくれるし皆優しい!

でも…1人だけ私と仲良くなってくれない男の子がいる…
それはあの角の方で机に伏せている○○君。
なぜかいつも目立たないように端にいるんだよね…
せっかく桜が優しくしてあげてるのにっ!
桜:○○君っ! 今日は元気?
○○: ………
ほら!こんなに可愛い桜の事を無視した!!

桜:今日も眠たいの〜?
○○: ……俺の事はほっといてください
…え?桜が話しかけたのにほっといて?
ひどい!! もう○○君なんて知らない!!
○○とは関わらない。そう決めた桜だった。
○○: ……また今日も話しかけてきたな
─────────────
ふんふふーん♪
桜は今日もー さくラッキー!!
何も言ってないのに男の子が掃除変わってくれた!
面倒くさい事も任せられるし、早く帰れる!
さくさくラッキーさくラッキー!
心の中で自作の歌を歌いながら帰路へと向かう。
「あんたなんか……こうなっちゃえばいいんだっ…!」
桜:えっ?
声が上から聞こえてきた為、そちらを確認すると……
バケツとともに水が降ってくる
桜:きゃっ!!!
濡れる!
そう思った瞬間……
「…ったく危ねぇな」
助けてくれたのは予想外の人物だった。
桜:ま、○○くん…?

「川崎さん大丈夫?」
桜:う…うん…桜は大丈夫だけど…
○○君がびしょびしょに…
○○:大丈夫大丈夫
じゃあ俺はもう帰るから…気をつけてね?
最後に長い髪をかきあげていった○○君の顔は……
とってもかっこよかった………
桜:あ、あれ…私なんでこんなにドキドキしてるんだろう…?
桜は寝る前まで頭の中が○○の事でいっぱいだった。
───────────
次の日
桜:お父さんおはよ!
「おぉ、おはよ。今日も学校頑張れよ?」
いつも通り頭を撫でてくれるお父さん。
この時間すっごい好きなんだよねっ…
(はぁ…仕事行きたくないけど…家族の為に頑張るか!)
桜:えっ…?
「ん?どうした?」
(もしかして頭撫でられるの嫌だったかな…?)
桜:な、なんでもないっ!!!
「そ、そうか…じゃあ行ってくるわ」
桜: …う、うん!
今…お父さん挨拶以外喋ってなかったのに……
なぜか声が聞こえた…
一体どうして…?
・・・・・・・・・・・
桜:皆おはよ〜!
「「「おはようー!」」」
(うわぁ…また可愛い子ぶって挨拶してるよ…)
(この子可愛いのは認めるけど男漁ってんのマジ無理なんだよね……)
(はぁ…いつまで友達ごっこすればいいかなぁ)
桜:えっ…皆…なんでそんな事…
「ん?どうしたの桜?」
「なんか顔色悪くない?」
桜:あっ、いや…なんでもないよ……
これ…もしかして…皆の心の声が聞こえてる…?
桜:お、おはよ…
「おう!おはよう!」
(うわぁ川崎マジで可愛いわ…家連れ込みてぇ…)
桜:い、いやっ……
「え?いや?」
桜:あ…あのっ…虫が近くにいたから!
「そ、そっか…」
気まずい空気が流れた為そこから離脱する。
皆心の底ではあんな事思ってたんだ……
私が友達だと思ってた存在は…全部偽物だった……
悲しくて涙が出そうになってくる。
桜: っ…ぐすっ……
「……これ…使っていいよ」
桜:えっ?
普段動かない○○君が私の席までやってきてハンカチを貸してくれた
バレないようにしてたはずなのに…どうして…
もう聞きたくもない心の声が勝手に聞こえてくる
(はぁ…こんなに可憐で可愛い川崎さんの事泣かしたの誰だよ…マジで吹っ飛ばしてやりてぇ…)
桜:か…可愛いっ…!!?
○○:お、おおっ…急にどうしたの…?
大声で言ってしまった為、皆がこちらを向いている。
桜:あ、あはは…ごめん何もない…!
○○:じゃあ…俺戻るわ……
正直もう少しそばにいて欲しかったけど…
あとちょっとの所で言葉が出なかった。
言おうとするとすごくドキドキしちゃって……
○○:(今日も川崎さん可愛かったなぁ…マジで惚れそう…)
○○君の心の声はとても優しくて……
それを聞く度に私の心臓が激しく脈を打つ。
心の声が聞こえることで傷つくこともあったけど…
○○くんのを聞けるだけで…なんだかすごく幸せっ…!
──────────────
川崎さんは気づいてないかもしれないが…
女達は皆裏で川崎さんの悪口を言っている。
男を誑かす女だとか…実は裏で男に金を貰っているだとか…
適当な噂ばかり流して…本当にイライラする。
男は男で下品な妄想しかしてない
マジでこの学校はくだらないやつしかいないんだ
明日で卒業だから早く早くと望んでいるが…
唯一川崎さんが見れなくなるのが心残り。
あまり喋れたこともないけど、俺が川崎さんを助けた日以来…
よりニコニコすることが増えてて見ているこちらも幸せな気持ちになった。

それがほんの少しでも俺のせいならいいななんて…
はぁ…今日で見納めか…
最後まで川崎さんの姿を目に焼き付けておこ。
…あれ、ちょっと顔赤いけど大丈夫かな?
なんか恥ずかしがってるような顔してるけど…

・・・・・・・・・・
はぁ…やっと面倒臭い卒業式が終わった。
さっさと家帰って寝よっと…
「ち、ちょっといいかなっ…!」
後ろからちょこんと袖を引っ張り声をかけてきたのは…
いつも見ていた川崎さんだった。

○○:川崎さん…別にいいけど…
(なんで俺こんなにスカしてんだよっ!!
もっと思いっきり喜べって!!)
桜:ふふっ…!
○○:か、川崎さん…?
桜:あっ、ごめん!やっぱり○○君って面白いなって!
頭に大量のはてなが浮かんだが
川崎さんが可愛すぎて全てがどうでもよくなった。

桜:そ、それでね……聞いてもらいたい話があるのっ…!
川崎さんは胸を手で押え、震える声を絞り出した。
桜:さ…桜と付き合ってくださいっ…!!
○○:あっ、えっ!!?
おれが…俺が川崎さんと!?
(信じられないんだけど…これドッキリとか!?
それとも俺を騙して反応見るためのイタズラか…?)
桜:イタズラとかドッキリじゃないから安心して!
私…○○君の事が好きなんですっ…!!
○○: ……ま、まぁ…俺でよければ…?
(かっこつけんなって…!! 素直に喜べよっ!!)
桜:ふふっ…やっぱり…私○○君が大好きだなぁ…!
君のおかげで私は嫌なことも頑張れたんだ…ありがとっ!
川崎さんがギュッと抱きついてきた為、
俺も手の震えを抑えギュッと包み込んだ。
桜:あれ…き、聞こえなくなった!!!!
○○:えっ、なにが?
桜: ……えへへ、秘密だよーっ!
○○:なんだよ、気になるな〜!
桜:あったらあったで幸せだったけど…
これからはもっと幸せになるからいいのっ!
○○:何それ……
2人は夕日に照らされながら幸せそうにもう1度抱き合った
END