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可愛い子にイケナイことをさせてみた


はぁ…疲れた……


特にこんな雨の日だとやる気も出ないよなぁ…


1人暗い夜道を歩き、家に帰る。


ぼーっと歩いていると…脇道に人影が…


しかもこんな遅い時間なのに子供らしき影が見える。


○○:まさか…幽霊とかじゃないよな…?


そう言いつつも好奇心から少しずつ近寄ってしまう


○○:えっ……?


人影の正体はとても可愛い女の子だった。



まず幽霊じゃない事は良かったのだが……

他は良くないことばかり


まず、こんな土砂降りの雨なのに傘もささずにうずくまっていること。


それに加えてこんな小さいなのに暗い夜に1人でいること


やばい事だらけだ……


○○:ねぇ…君大丈夫?


もちろん大丈夫な訳はないんだろうが
一応聞かないことには会話は始まらない


「あ、…あの…え、と……」


怯えた子犬のような目でこちらを見てくる


○○:だ、大丈夫…怪しい人では無いから…!


このセリフで怪しい人感が増しているが……


こんな年下の子になんて声をかけていいか分からないから
不審者っぽくなってしまうのも仕方ない


「あのっ…私は…大丈夫…っ…なので…」


急にバタンと倒れてしまう少女。

状態は…呼吸がとても荒くて……


○○:ごめんね…ちょっと失礼するよ…


おでこを触るととても熱くなっている。


ずっと雨に打たれていたせいであるのは明確だ


この子の親は一体何をしてるんだ!?


イライラを隠せないまま、
とりあえず少女を家に迎え看病することに。



──────────────



○○:こんな事…世にバレたら犯罪者だな……


びしょ濡れの服を着替えさせるというミッションがあるのだが…

極力見ないようにしているも、どうしても少しは目に入ってしまう……


自分の中の煩悩を打ち消し何とか着替えさせる事に成功した。


○○:全く…親にあったらまず俺が叱ってやらないとな…



───────────



「んんっ…あれ…ここどこ…?」


目が覚めると…
私は知らないお家のフカフカのベッドで寝ていた


そして…ベッドの横には知らない男の人が……


「あっ…この人昨日話しかけてきた人だ…!」


私はかろうじて残っていた昨日の記憶を思い出す


○○:ん……んーっ!! もう朝か……
あれっ!起きてたのっ!?  調子はどうかな?


「あ…平気です…」


○○:はぁ…良かった……
あっ、勝手に着替えさせちゃってごめんね?
流石にびしょ濡れの服のまま居させる訳にはいかないから…


「迷惑かけてすみません…私もう帰りますねっ…!」


○○:あっ、ちょっと待って?
何があったか少しだけ聞かせてくれないかな…?


「……ごめんなさい…私は平気なので…」


○○:じゃあ君の自己紹介だけでも聞かせてくれない?
助けたお礼ってことでさっ!


それくらいなら…大丈夫だよね…?


彩:私…小川彩って言います…
今は○○高校に通っている1年生ですっ…


○○:あー!あそこの高校行ってるんだ!
実は俺もあそこの高校行ってたんだよね!


彩:えっ!そうなんですか…!?


○○:そうそう!あ、あの音楽の先生まだいる?
口癖が変な女の人!

彩:あっ!いますいます!
口癖は"人は限界だと思ってからもうちょっといける!"
ですよね?


○○:ははっ!そうそう!まだいたんだあの先生!
ふざけすぎてよく怒られてたなー!


彩:ふふっ…そうだったんですね…!


○○:あっ、やっと笑ってくれた。


この人…私の緊張を和らげてくれたんだ…


○○:本当に辛い時は誰かに助けを求めていいんだよ?


何も出来ない私でもわかる。
この人は本気で私の事を心配してくれている……

でも……


「大丈夫ですっ! ご迷惑かけてしまってごめんなさい!」


私は笑顔であの人にお別れをした


また…会えるといいな……


・・・・・・・・・


『おい彩!!どこほっつき歩いてたんだっ!!
まだお仕置が足りねぇみたいだなぁ?』

『はぁ…あんた顔だけは駄目だからね』

『分かってるっつうの!』


私は再び感情を奥底に沈めた……

深く…表に出ないように……



───────────



 ○○:はぁ…集中できねぇな……


ここ最近全く仕事が手につかない。


もちろん原因は分かっている

彩ちゃんだ。


服を脱がせる時に見えてしまった無数の痣

それに寝言でいつも「ごめんなさい…」と謝っていた


誰が見ても虐待されてるのは分かる……


でも見ず知らずの俺がそこまで介入してしまって
良いのだろうか…?


それこそ余計なお世話だったら……


○○:はぁ……どうするかな……


"悩み事なんて○○さんらしくないんじゃないですか?"


○○:美空…まぁそうなんだけどさ……



数少ない喋れる女の子の"一ノ瀬美空"が声をかけてくる


美空:行き当たりばったりで行くのが○○さんじゃないですか!! いつもみたいに考えるより先に動いてくださいっ!


○○:褒められてるのか貶されてるのか分からないけど…
やっとスッキリしたわ。ありがとう美空!!


美空:仕事進めてくれないと困るのは私ですからっ!
……それに○○さんのそんな顔見たくないし


○○:よしっ!そうと決まったら今すぐ動こう!
美空!後よろしく頼んだっ!!


美空:えっ! 仕事ほったらかしですか!?
もうっ…帰ってきたらお説教ですからねっ!!


○○:ははっ…お手柔らかに……それじゃ行ってくる!


美空:全く…○○さんったら…
ふふっ…でもそういう所が好きなんですけどねっ…




───────────



今日もまた殴られる……


何かしら理由をつけてストレス発散に使われる私…


あれ…一体何のために生きてるんだろうなぁ…



ふと…あの日の出来事を思い出した。



あの時だけは心から笑えたのに……


"本当に辛い時は誰かに助けを求めていいんだよ?"


○○さんの笑顔とともに優しい言葉が蘇る


助けを求めたら…ここから解放されるのかな…?


彩:○○さん…助けてっ……


『何ボソボソ言ってんだ? イラつくんだよっ!』


再び拳が私に触れそうになった瞬間……


玄関のドアがバンッと音を立てて倒れた。


○○:彩ちゃん〜迎えに来たよーっ!


彩:○○さんっ…!!


『あ?誰だテメェ? 勝手に人ん家のドア壊しやがって!』


お父さんは○○さんに殴りかかろうとする


彩:○○さん危ないっ…!!



その次の瞬間……


お父さんの攻撃は○○さんに届くことはなく……


逆に○○さんの攻撃でお父さんが吹っ飛んでいた。


まるで漫画のように体が浮き飛んでいく


○○:おいおい、元ヤンなめんなよ?


○○さんはお父さんを一蹴し、私の元へ。


○○:手荒なことしちゃってごめんね…?
さぁ…行こうか?


私の手を取り、家から出ていこうとする。


『ま、待ちな!私達の娘を連れていくなら警察呼ぶよ?』


○○:ふっ…別に呼べば?むしろ俺が既に…まぁいいや…


『あ、あんた一体誰なんだよっ…!!』


○○:これはこれは…申し遅れました…
私こういうものでして。


○○さんは名刺をお母さんの目の前に突き出す。


『あ、あの大企業の社長…!?
そ…そんなわけない!デタラメだろっ!』


彩:えっ…嘘っ…!

○○さんは私でも知ってるような大きい会社の社長みたい…だけど私も信じられない。

なんでこんな人が私を助けに…?

○○:まぁ信じるも信じないも自由だけど……
あんたらがおしまいな事に変わりないし

外には警察のパトカー音が……

○○:じゃ、あとは警察に任せて……
彩ちゃんは俺と一緒にお買い物でもいこうか!

彩:えっ…お買い物…?

○○:そうそう!こんな奴らほっといて楽しまないと!

後ろを向くとお父さんとお母さんは警察に取り押さえられながら私をずっと睨んでいた。

○○:彩ちゃん…無理やり引き剥がしちゃってごめん…
でも…あいつらといる事は君にとって良くない。
これからは…俺が君の事を育てるから…!

こうして私はあっさりとあの地獄から開放された。


助けを求めるって…こんなに簡単な事だったんだ…


お父さんとお母さんは決して嫌いでは無い。


でも…なんだか…

ようやく心のつっかえが取れた気がしたんだ…。



──────────────


○○:よしっ!じゃあ早速洋服買いにいこう!!


彩:あ、彩のですか…!?


○○:普段自分の事彩って呼ぶんだ!
可愛いねぇ…!


彩:は、恥ずかしいのでやめてくださいっ…!
ちゃんと意識しないと彩って言っちゃうんです…


○○:もっと彩ちゃんは自分の自由にしていいんだよ!
好きなものを買っていいし、好きな事をしていい!


彩:自由…好きな事……


○○:とりあえず俺といる時はもっと楽にして?
お兄ちゃんくらいの接し方でいいからさっ!


彩: …分かりました!頑張りますっ!


○○:ふふっ、本当に彩ちゃんは可愛いねっ



そこから私は○○さんに連れられ色んな所に行った


お洋服屋さんでは沢山お洋服を買っていただいて……


○○:うん!これも可愛いし…これもいい!
よし、全部買っちゃおう!!




彩:あぅぅ……そんな頂けませんよっ!!


○○:良いのいいの!
自分の趣味なんて特に無いからお金は余ってるし!


彩:すみませんっ……


○○:彩ちゃんは何も気遣う必要ないんだよ!
むしろもっとわがまま言いなさいっ!


彩:わ、分かりました…?


その後はご飯屋さんにいって
今まで見たことないようなご馳走を食べさせてもらい……


彩:んんっ!!このお肉すごく美味しいですっ…!!


○○:でしょでしょー!ほらもっと食べな?


お会計は見たことない値段だったので
ものすごく悪い気持ちになってしまった……


そこからは私の為に家具や、本、携帯なんかも
買っていただいて……至れり尽くせり状態だった……


彩:本当にこんなに贅沢させていただいていいんでしょうか…?


○○:いいんだって!
彩ちゃんはもっと幸せになっていい子なんだよ?


幸せに…私が…?


○○:それにこんなものじゃ終わらないよっ!
もっと彩ちゃんにはイケナイ事教えないとね〜!


──────────


それからお家にお邪魔させていただき
あっという間に夜を迎えた。


○○:じゃあ今からは…ゲームしまーす!


彩:げ、ゲームですか…?


○○:彩ちゃんにはもっとイケナイ事覚えてもらわないと!
今日は夜更かししてゲームをしようの回!


すごく大きいテレビの前に2人で座り、とても楽しいゲームをさせていただいた!


あっという間に時計の針は0時を超えている。


彩:ふぁぁぁ……


○○:あ、さすがにもう眠くなっちゃったかな?


彩:ご…ごめんなさい……


○○: …彩ちゃん!これからごめんなさい禁止ね!
彩ちゃんがしたい時にしたい事をすればいいの!


彩:じゃあ…一つだけワガママいいですか…?


○○:ん?なになに! 全然いいよっ!



彩:私…○○さんと一緒に寝たいですっ…!


○○:ふふっ…全然いいよっ!じゃあ寝よっか?


2人で大きいベットに入り、眠りについた。


私こんなに幸せでいいのかな…?


明日もまたこんな日常が続けばいいな…。


そんな事を思いながら眠りについた。



○○:彩ちゃん…良い子すぎるなぁ……
これからはしっかり幸せにしてあげるからね。


こうして彩の新しい人生は幕をあけたのであった


続く……?

















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