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この時期に個展を開催すること〜「hUMAn_next」〜

すごく好きな言葉がある。
浅井リョウ作、「何者」に登場するセリフ
【頭の中にあるうちは皆、傑作だ】
【10点でも20点でもいいから何か出してみなよ、そうしないと点数すらつけてもらえないんだよ?】

つまりは言うだけのやつよりやってる奴、最強!だよねって事。


この時期に展示を行っているアーティスト、ギャラリー、関係者各位へリスペクトを込めて。
ご指摘、ご批判が有るのは仕方がない。ごもっともな事はともかく。

この時期にアーティストが何を想い、何を考え、何を生み出すのか、ある意味ですごく今こそアートって見ものだと思うんですよ。


自分自身が不安ながらもこの時期に個展に踏み切った理由もそれ。
この時期に創り出せるアーティストで居たい。
やってる奴で居たい。

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Withコロナ〜アーティストとギャラリーとオーディエンス〜

「オンラインエキシビションなんてコマーシャルギャラリーからしたら冒涜だ!」
とあるおじさんが言っていた。(おじさんはおそらくギャラリストでもアーティストでも無い)

うーーーん。

もちろん、言いたい事は解ります。
実物の方が圧倒的に私も自信ありますもん。

でも、このご時世、そうもいかなくなって、今までの営みにしがみつくのもひとつの生き方かもしれないけど、押し上げられた新しいフェーズでこうやってみよう、あーやってみようって知恵を絞る人間の力って私は好きなのですよ。

オンラインシステムで絵を売るとなると、作家個人の信頼もしかり、売るギャラリーの信頼も必要不可欠です。
今現在、オンラインでビジネスが成り立っているギャラリーは信頼あってこそなので、冒涜ではなく努力の賜物ですよ、きっと。

オンラインでうまくやっていくために何が出来るかってまた知恵を絞る。
綺麗に作品を撮る技術を磨くかもしれない、はたまたプロのカメラマンの需要が増えるかもしれない、それはそれでいい方向じゃないのかな?
今後は簡単に実物にお目にかかれなくなって、さらに実物の価値が上がったりして?

人間の知恵や順応性、素晴らしいと思うし、そうやって生きてきたからこそ歴史が続いてるわけで。
それこそが人間だとして、おじさんの言葉を借りるなら、旧式にこだわり否定方向に脳みそ傾け進化を拒む行為は、人間そのものに対する冒涜では?とも思ってしまう。

まあ、このご時世、皆が主義主張したいのはごもっともなんで、ふーーんってくらいにすますのがライフハックかもしれない。


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そうは言っても人ってやはり生き物でもある

コロナ禍でモチベーションがあがらない作家は多いはず。
自分の周りもちらほらそう言った話を聞く。

かく言う私もぐったりやられた。

フリーで仕事をしているため、自粛前からそんなに外へ出る事も無いし、ひとりへっちゃら、ひとり大好きっ子だったけど、流石に変になった。

あんなにワーカホリックで、何かしていないとソワソワする体質だったのに惰眠を貪ったり、一日中ネトフリに浸かったり。
キャンバスに向かってもやる気がなかなか出なくて困った。

そんな自分にも苛立ちや不安が芽生えて、自粛開け、今現在個展をさせていただいているexcubeに展示を観にいった。
すごく気になっていた作家さんの展示だったし、オーナーの青野さんとも話したかった。

実物のアート作品に触れ、青野さんと話していたらチャクラでも開いたかってくらいやる気が出た。
結局、自分も実物のパワーとアナログな人間関係に助けられた。

これから、まるでサイバーパンクな世界観になっていくのかと思いきや、やはり我々ナマの生き物。手放せない部分がある。

今回の展示で出した作品は台湾個展でも発表したものと、コロナ禍で新しく創った作品。
どちらも人間がテーマだけど、創った時の背景が違う。

新しい作品群は、アバター作成パーツを切り貼り(もちろん手描き)、上から塗り潰したり、はたまた剥がすように下の層を見せたり。フォトショのレイヤーみたいに、重ねた作業経過を可視化したもの。

自分の上位互換のようなキャラを作ったり、はたまた別人に成りきってバーチャルの世界を生きていく。
アナログなやりとりが急激に削がれていって、今までそう言うことの疎かった人たちまで半ば強制的に次の時代に押し上げられていく。
内閣府もムーンショットを正式に発表したり。

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キラキラひかる素材は鏡。(厳密には鏡ではないが…)
バーチャルの世界で生きようとも、動かす本体が自分となれば、どうやったって切り離せない自我がある。できなかった、切り離せなかった、旧式の生への執着

はっきりとは映し出さない歪んでぼやける鏡のようなシートはそう言った事を表しています。
当然、会場に来て自分を映し出さないかぎり観れません。その辺もミソ。
SNS等のネットからの鑑賞では見れない構造。

もちろん、前章で述べた通り、インターネットエキシビジョンもECでの作品販売も否定しないし、私は断然、肯定的。
でもそれで全部まかなえることが出来ないよね、今現在は、っていう事を表したかったのです。
切り離せなかった部分への愛を込めて。
生き物として、不完全で不確かで複雑な人間への愛着。


〝人とは〟という問いは
陳腐であり、
永遠のテーマであり、
常に更新を繰り返す、最も新しくホットなトピック

hUMAn_next ステイトメントより


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Aya Shimohara solo exhibition [hUMAn_next]
場所:excube shop&gallery
期間:8/1(土)〜8/16(日)
時間:土-日…13-21時
   月-金…14-20時

残り5日。
来て欲しいって言っちゃいけない空気あるけど、作家やギャラリストは来て欲しいに決まってるんだから、言って何が悪いの?

来て欲しいよ。

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Aya Shimohara / 下原亜矢
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