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“恥ずかしい”は捨てた方がいい(プロフィール編)

今回はプロフィールの書き方や内容について書こうと思います。

プロフィール、と一言に言ってもターゲットや目的で書き方は大きく変わるので、今回はあくまでも、アーティストがギャラリーへ提出する際や、広告宣伝として配るシートなどに記載するプロフィールについて書きます。

そもそも、それプロフィールじゃない

4年前にNYで個展をした時、持って行ったプロフィールは、今思えばプロフィールじゃなくてCV(履歴書)でした。

時系列に今まで参加した展示や、出身美大、クライアントワークなどを並べて、簡単に自己紹介文を添えただけ。

その時、キュレーターさんにステイトメントの書き方を教わりました。

プロフィールとか、バイオグラフィーとか、言い方は様々ですが、アーティストのプロフィールはステイトメントの要素が必要、と言うかほぼステイトメントであるべきかもしれません。

プロフィールやバイオグラフィーが人物紹介や経歴の紹介ならば、ステイトメントは作品の解説。

その時はステイトメントだけで2000字近く書いたと思います。

長文のステイトメントを持つことは欧米のアートシーンでは当たり前なんだとか。

とは言え、ギャラリーに提出する際などに文字制限などもあるので、やはり300字〜500字程度でステイトメントの要素を多めに含んだプロフィールを作っておくと便利だと思います。

照れはいったい誰のため?

「〇〇な絵を目指しています」

「△△と思ってもらえたらいいな、と思っています」

こういう文体をよく目にするんですが、なんだかな〜と思っちゃうんです。

現在進行形で頑張っている、まだまだこれからな私を応援して♡っていうブランディングならアリかもしれませんが、自信なさげな印象を与えます。

かく言う私も最初の頃はそういう文章を書いていました。

理由はやはり、自信がなかった、照れがあった、です。

しかし、活動して行く中で自分の絵が売れたり、経験が増えると、今度は照れを持つことに嫌悪が芽生えました。

自分が傷つかないための予防線のような気がしたからです。

だって、せっかく自分の絵を買って、綺麗に額装して飾ってくれる方がいるのに、その方は、そんな自信のない作家の絵を買ったのか、とお客様に対しても失礼だと思いました。

“アーティスト”って名乗ることに抵抗がある事も、同じ理屈かもしれません。

日本でアーティストです、って言うと「え?それで食えてんの?」とか「趣味って事ですか?」とか心ないことも言われますしね。はい、言われました。

でも、ちゃんと活動してたら名乗るべきだし、名乗っていきましょうよ!

まずはここから始めましょう

恥ずかしさを取り払ういい方法。

3人称でプロフィールを書く

これもNYのギャラリーのキュレーターさんに教えてもらった書き方です。

私も英語のプロフィールは“I”じゃなくて“She”で書いています。

先ほどの文章でいうと、

「〇〇な絵を目指しています」→「彼女(彼)の絵は〇〇だ」

「△△と思ってもらえたらいいな、と思っています」→「彼女(彼)の絵は見る人に△△と思わせる」

に変わります。

全然、印象変わりますよね。

どっちの絵を買いたいと思いますか?

恥ずかしさを捨てたあと

では、ステイトメントを書きましょう!いざ自分語り。

私は、作品の解説で一番重要なことってコンセプトだと思います。

要はwhyとhow。

「〇〇だから△△な絵を描いている。」

おや…すんなり書けない…

いかに内観を怠っていたか、コンセプトメイキングがあやふやだったか、恥ずかしいから、本当は思っていることいっぱいあるけど言わないだけです、じゃなくて実は大して考えていなかった、って事にぶち当たったんです。

順番が逆かもしれませんが、プロフィールを見直す事で、作品も見直すことになりましたし、コンセプトがはっきりしてきたので、作品を作りやすくなりました。

伝えられないからこそ絵にしてる、言葉にできないから絵にしてる、それって正直逃げじゃない?という辛い内観から、言葉でアウトプットする作業。正直しんどい。

でも、じっくり自分語りのプロフィールを書いておかないと、いざって時に喋れない。要はプレゼンで困るんです。

次回はこのプレゼンについて書こうと思います。

自分がプレゼンで失敗した話とか、海外勢のプレゼンのうまさとか。

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Aya Shimohara / 下原亜矢
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