クトゥルフ神話TRPGの戦闘で気をつけていること。【ミドル戦闘編】
「クトゥルフ神話TRPG(CoC)の戦闘を楽しめるように調整することは難しい」と感じる人は多いです。
クトゥルフ神話TRPGのミドル戦闘(シナリオの途中で起こる戦闘)について、シナリオ執筆とキーパリングで気をつけることを記載していきます。
1.そもそも戦闘ラウンドで処理をしない
戦闘ラウンドで処理すると、セッションの時間が長引いてしまいます。突然襲いかかってきた動物のむれ、B級ホラーに出てくるような隙間に潜んでねっとりと襲いかかる敵など、奇襲を仕掛けてくる敵が現れた場合は、戦闘ラウンドで処理しなくてもいいです。
上記の場合は戦闘ラウンドではなく、イベントとして処理することをおすすめします。探索者に恐怖感を与えたい場合は、存在を察知し驚異を回避できるかどうかのダイス・ロールを要求してもいいでしょう。
探索者に不意打ちのチャンスを与える
クトゥルフ神話TRPGは律儀に正面から戦うゲームではありません。
おぞましいクリーチャーや卑劣なカルティストに対して、探索者が知恵をしぼって驚異を排除するゲームです。力量差がある場合は、正面戦闘をさければいいです。
敵の居所が分かれば、〈機械修理〉でトラップを作る、〈科学(化学)〉で毒ガスを作って流し込むなどの方法を用い、下準備をしてたうえで一網打尽にするのもありです。
不意打ちを認めると探索者の特技を活躍できる機会を作り、キーパーは戦闘ラウンドをカットできるので一石二鳥です。
2.戦闘を長引かせないためには
ミドル戦闘であれ、正面戦闘にもつれ込むこともあります。そのときに、お互いに殴り合うだけの戦闘にならないように工夫しましょう。
身近にあるものを武器にする
クトゥルフ神話TRPGの戦闘は裏路地、倉庫、酒場など、ありとあらゆる場所で起こります。
椅子を振り回して殴る、棚を倒して足止めするなど、身近にあるものを武器にして戦えると、映画のアクションシーンのような雰囲気が出て楽しいめます。
そうすると、敵を妨害するという選択肢が産まれます。戦闘技能がない非力な探索者でも、消化器で目くらましをしたり、油をまいて敵を滑らせるなど、なんらかの活躍ができます。
逃走の機会を与える
戦闘ラウンドで、敵が全滅するまで戦う必要はないです。重要でない戦闘が長引くとセッションのテンポが悪くなります。敵か味方が逃走することで戦闘を終わらせてもいいです。
敵がその辺りにいるようなチンピラなら、〈威圧〉に成功すればビビって逃げた、ラウンドが経過して警察が来たから撤退するなど、敵を退散させて戦闘を終わらせてもいいです。
探索者が車に乗り込み〈運転(自動車)〉に成功すれば、その場から離脱するなど、探索者が逃走するチャンスを与えてもいいでしょう。
3.探索者をロストさせてもいいミドル戦闘はどうする?
探索者に数多の驚異を与える殺意の高いシナリオでは、敵を容赦なく探索者に襲わせましょう。探索者がロストした場合、プレイヤーに2人目の探索者を用意してもらい、その探索者と入れ替えて遊んでもらいましょう。
「探索者が途中でロストしたプレイヤーはずっと見学している」という状況を避ければいいです。
4.おわりに
クトゥルフ神話TRPGの戦闘は「ただお互いに殴り合う」以外の手法を取れば没入感が上がり、テンポが良くなります。
キーパーは無理のない範囲でプレイヤーの提案を受け入れ、セッションの参加者全員で協力して戦闘を盛りあげていきましょう。