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CoCのシナリオを作るときに、安易にしてはいけないこと!


はじめに

(新)クトゥルフ神話TRPGのシナリオでは、安易に取り入れたくなるけど、使うと安っぽくなる要素がいくつかあります。
 これから挙げる要素をなんとなく取り入れようとする人は、今すぐやめましょう!
 今回はわかりやすさ重視で「〇〇するな!」と強めの言葉を使っています。筆者が挙げる要素を信念を持って取り入れる人は、そのまま突き進んでください。素晴らしいシナリオを作ってほしいです。

目が覚めたら白い部屋にするな!

「あなたは目が覚めたら、白い部屋にいました」これを聞いた瞬間に、一部のプレイヤーは白けます。
 白い部屋は7年以上に流行って、使い古された舞台です。白い部屋にすると、情景描写が単調になり、没入感が減ります。
 白い部屋ではない、あなたが考える最高の舞台と情景を見せてください。

クソ長い導入にするな!

 ゲームや創作物では最初のつかみが大切です。導入がクソ長いと「結局プレイヤーになにをさせたいの」と意図が伝わらなくなりますし、「早く探索やロールプレイをやらせてくれ」とプレイヤーが初っぱなからやる気をなくします。
 導入はスパッと、インパクトのあるものをぶつけましょう!

ニャルラトテップのきまぐれにするな!

「はいはい、ニャル様ね」とシナリオの背景をニャルラトテップのきまぐれにすると、一部のプレイヤーから失笑を買います。
 ニャルラトテップのきまぐれは、「とりあえずニャルラトテップを出して、クトゥルフ神話としての体裁を整えました!」という、安易な考えが透けてみえます。
 好きなクトゥルフ神話にまつわる作品をリスペクトして、神格・クリーチャーを選ぶのがいいと思います。
 また、オリジナルのクリーチャー・神格を創造したり、いっそのこと「ゾンビ」や「悪霊」など、クトゥルフ神話とは直接関係ない存在を核にするのも、清々しくていいです。

〈目星〉を乱用するな!

 部屋全体に〈目星〉、机に〈目星〉、NPCに〈目星〉……。〈目星〉を乱用するのはやめましょう。〈目星〉は調べるコマンドではなく、隠れたものを知覚するための技能です(”新クトゥルフ神話TRPGルールブック”74ページ参照)。
 そもそも、ダイスを振らせすぎると、そのぶん時間を使ってしまいます。プレイヤーが〈目星〉を振り続ける作業ゲーになってしまいます。そういったシナリオは、〈目星〉に失敗したときに行き詰まってグダグダしがちです。
 ”新クトゥルフ神話TRPGルールブック”52ページ「技能の定義」に則って、ダイスロールを要求する場面は、探索者にとって緊迫感のある場面にしましょう。
 探索者の個性にあわせて、様々な技能ロールが振れるほうが、「探索者の個性が活かせた」という空気感になって良いです。

探索者がいなくても成り立つ構造にするな!

 最強無敵のNPCがすべて解決する。探索者が主体的に動かなくても、オーツで手がかりが手に入り続ける。探索者がなにをやっても事件を止められず、ただ見てるだけの状況……。
 これらの要素が含まれると、プレイヤーは「探索者がいる意味があるの?」という気持ちになってしまい、やる気をなくします。
 シナリオは探索者が事件に介入することによって、手がかりを得て、何らかの功績を挙げれる構造にしましょう。

クライマックスで単調な正面戦闘にするな!

 クライマックスで単調な正面戦闘にするのは、やめておきましょう。敵の攻撃を〈回避〉し続けて、戦闘技能が高い人が活躍するだけになってしまいます。
 物陰から大量のクリーチャーの襲撃してくる、カルト教団のアジトに潜入して怪しげな像を破壊するなど、シナリオの雰囲気にあわせ、趣向を凝らしたクライマックス戦闘にしましょう。
 不意打ちをするための〈隠密〉、バリゲードを作るための〈機械修理〉など、戦闘技能以外の技能が活躍できるシナリオだと、それぞれの探索者が活躍できて楽しめます。
 過去にクライマックス戦闘についての記事を書いたので、リンク先を参考にしてください。

 また、道中で強制的に戦闘ラウンドを入れる場合、探索者が勝つことを前提にするのはやめましょう。
 万が一、探索者が戦闘に負けて全滅してしまうと、セッションの空気感がお通夜になります。そうでなくても、戦闘に苦戦してグダグダになり、時間を浪費してしまう可能性があります。
 道中での戦闘は、3ラウンド以内に敵が撤退するようにする、戦闘技能以外の技能が活躍する、探索者が敵に負けても話が進むようにする、いずれかの要素を満たすようにしましょう。
 過去に道中での戦闘に関する記事を書いたので、リンク先を参考にしてください。

おわりに

 シナリオの作成は、やること以上に、やらないことを考えるほうが大切だと思います。
 なんとなく取り入れた要素はシナリオで本当に必要なものか、ノイズになっていないか、考えてみるのもいいでしょう。


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