ピッコラーレの中島かおりさんと、濃い、濃い話した会。
10月24日、お昼にRACの里親月間イベントということでゲストをお呼びしてお話させていただきました。
ゲストは今回は里親さんではなく、NPO法人ピッコラーレの中島かおりさんです。
1,中島かおりさんのプロフィール
NPO法人ピッコラーレ代表理事
第2子の出産をきっかけに助産師を目指し、その後病院や助産院で助産師として働く。
妊娠から出産、子育てを継続的に伴走する助産師でありたいと地域で活動する傍ら、特定非営利活動法人ピッコラーレ(旧:一般社団法人にんしんSOS東京)の運営に代表として携わる。
著書に『漂流女子』朝日新聞出版(2017年)。内閣府「性暴力に関するSNS相談マニュアル作成に係る検討会」委員(2021年)。内閣官房「こども政策の推進に係る有識者会議」臨時構成員(2021-22年)
2,なぜかおりさんと話したい、と考えていたのかというと。
妊娠と里親って切っても切れない関係にあるんですよ。
里子に来た子で、実親に「よきせぬ妊娠だった」といわれていた子がいました。
また子どもショートステイは、本来の目的は「親子の支援」で使うのに、「里親さんが預かる」といった瞬間に「子どもを奪われるんじゃないか?」と不審がられるときがあります。
里親さんは家族支援のパートナーなのに。
子どもを応援したいから、そこの先に保護者と一緒に住めるなら全力でその未来に向かって応援するのにな、
ということがなかなか伝わってないなとおもい、
これは妊娠中や子どもを持つ前から、知ってほしいなと思っていました。
また実際に母子で生活する方は、ショートステイで子どもを預けたいニーズのある人がたくさんいます。
そこに個別性の高い里親さんがマッチできたら。
そんな夢を考えていたので、かおりさんにお声掛けさせていただきました。
事前に私が思っていたこととして。
3,人は、いつから「誰にも頼れない」と思うようになるのだろう
社会的養護で出会った子どもたち、その保護者はいつから「誰にも頼れない」と思うようになったのか?と思うことがあります。
そしてそれに初めて気づくのは”妊娠”というイベントであることも多いのかなと。
子ども時代に社会的養護に入ることはなく、家族内で困ったことはあったが周囲にも気づかれず、社会人になり。そんなときに妊娠をきっかけに物理的支援が必要となり、住居や学習支援、生活面のサポートが入ることもあります。そんな現場の様子や、何が必要とされているのか、ピッコラーレの活動を通して見えておられる風景のことを伺ってみました。
4,元里子や週末里親で関わっていた子どもたちが、妊娠・出産時の里帰り先として里親家庭に帰ってくることがある
里親関係では、元里子や週末里親で関わっていた子どもたちが妊娠・出産時の里帰り先として里親家庭に帰ってくることがありました。
正直、妊娠してから頼る先を見つけるのはもっと難しいです。
なので出産前後に頼る先がない家庭にもっと近所のサポートが増えたらな、という目線でかおりさんと制度についてもお話させていただきました。
5,枠からこぼれてしまう人が対象者
かおりさんからは
枠がないということは、イコール今は、「寄付でやっている」ということになります。(実際に委託事業ではない妊娠SOSや、ぴさらは寄付で活動をされているようです。!知らなかった!!)
でもそこで見えていない、ニーズの掘り出しができたら。
既存の制度のこの、文言を外す、だけで利用できる人が増えたら。
そんなことを毎日考えながら、活動をされているのだなと心が熱くなりました。
6,妊娠しても祝福されている感じがしない
これは私の体験談も話したのですが、かおりさんに「妊娠判定時にお金がかかりませんでしたか?」とお話しいただき、いろんな思い出をお話させていただきました。
なんだかお金ばかりかかり、そもそも保険ではないのでと言われてしまうこと。自分で子どもを持つと選んだのだから、自分で払ってねと言われる感覚。
家族がいてもそう疎外感を感じたので、もしそれが未成年だったり自分の家族がいない状態での妊娠だったらもっと困るだろうなと思いながら聞いていました。
7,ぴさらでは、自分で決めていく体験を重ねていく。
「この妊娠をどうするか」という選択も、こうしたささやかな日常の小さな選択を尊重される経験の積み重ねと関係があるだろうなと聞きながら思っていました。
人生の選択や身体の自己決定権を彼ら自身の手に取り戻すためにも。
日常の細やかなことから、「自分で選んで決定する経験」が大切なことだと思います。(本当に小さなことだと思われる人もいると思いますが。)
今まで選べなかったこと、選んでも無視されてきたこと、いろんな思い出を感じながら聞き入っていました。
8、将来こんなことができたら。里親さんが妊婦さんの里帰りを受け入れられたり、もっと細くショートステイが受け入れられたら。
かおりさんからは現場の声を聞いたニーズの種のお話もいただきました。
出産後のサポートがほしいとか、その人に合わせた生活ができるという点では里親さんは個別性があるのでマッチングが上手く行ったり関係性がうまくいけば里帰りやショートステイの相手としてはいいなと思っています。
(でも妊娠前から関わりがないことや、そもそも里親さんが産後デューラのようにはスキル的にも生活面でも関われないこともあり、実際の運用には難しさもあるのかなと。里親さんの多くは妊娠出産経験があるわけではないのと、経験値があればサポートができるわけではないので難しいところ。)
でももっとショートステイやお試しステイはできるといいなという話をさせていただきました。
9,イベント途中に頂いた質問
今回は約1時間のtwitter上のスペースでしたが、最後にいくつか質問をいただきました。
Q1. 妊娠で知人から相談を受けたら、どこで相談?調べたらいい?
基本的には公的機関に準じたサイトを参考にしてもらえたらと思っています!
A:全国妊娠SOSのサイト
https://zenninnet-sos.org
厚生労働省や行政などの窓口から探す
https://youth.mhlw.go.jp
東京都なら #ピコカフェ さんに対面で相談もできます!
10代のための相談窓口まとめサイト
子ども目線で調べられる相談窓口はこちら
Q2:ショートステイも子どもだけだけではなく、こどもと親も一緒、ということは可能?試しで里親さんの家に子どもを預けたりってできますか?
A:現状制度が変わってきている途中。
今はお試しで預けるのはむずかしいかも。里親がファミサポに登録したりいろんな制度を跨いで繋がっていく人が増えてきたところ。本当は市区町村が、もっと養育里親を有効的に使っていけたらよいなと思っています!
9.イベント終了後に頂いた感想
イベント終了時にはツイッター上でも感想やシェアの応援をいただきました。(掲載させていただいたお三方には掲載許可を頂いております。)
私からはこのような形でツイートさせていただ来ました!
そしてすみません、録音して皆さんにも聞いて頂く予定が。。。こちらの設定ミスで録音ができておりませんでしたので、代わりにこちらの報告記事で変えさせていただきたいと思います。
良かったなと思われた方は、是非、クラウドファンディングへの応援やシェアをお願いいたします。
クラファンは本日23時までです^^
https://readyfor.jp/projects/piccolare2022