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なんでこんなに私は、ショートステイ里親を推しているのか?を振り返ってみた。
今日は、なぜ私がここまでショートステイ里親にこだわっているかという話を、したいと思います。(長文です。)
結論としては
「保護に至る前に、里親をその家族の支援リソースにしたいから。」
に尽きます。
そしてそれには少し補足が必要なので、今回のnoteで説明していきたいと思います。
【1】私は20歳の時に養育里親を知り、自分もなりたいと思い活動を開始。
まず私はそもそも里親になりたいっていう思いを持ってから、
(今回はそこははしょりますので、またいつか。)
どうやったら里親になれるのかっていうのを調べてきました。
*注
私がなりたい「里親」は「養子縁組」ではなく、「養育里親」です。
戸籍を動かさず、いつか実親の家に帰るためOR自立するために、寮母さんのように生活面で一緒に住みながらサポートする里親さんのことを指します。今回のnoteでは「里親」とまとめて書いていきたいと思います。
【2】調べていくうちに、結婚して自分の子どもを育てつつ、里親をしようと思うように。
で過去の話を見ると、
どうも結婚して籍が入っているほうがやりやすいと。
そういうことがわかったんです。
(私が20歳のときは例えば同性カップルの里親は日本ではいなかったし、まだそういった情報は調べてたどり着くことはできませんでした。)
結婚前から里親になりたいっていうことはパートナーにも義理の親にも話した上で結婚したんですけども、やっぱり結婚後に、自分の子どもが生まれて。実子が大きくなるまでは里親はちょっとね、と結局反対されてしまいました。
その中でじゃぁ里親の事業の理解者も増やしたい、
やっぱり実際になってもらう人を増やしたい、と思った時に
もっと”手軽に関われる何かの事業”でスタートしようっていう思いを持ちました。
で事業をするなら、とおもい何も事業のことなんてわからないので経営について学んでみよう、と思い大学院に行きました。
【3】「週末里親」という短期間子どもたちに関わる里親を知る。
そこで色々調べる中で、まずは「週末里親」と言う制度を知りました。
【週末里親とは】
日常生活では児童養護施設や乳児院に暮らしている子どもたちを、月に一回とか週末だけお預かりする里親さんです。(養育里親の資格を持っている方での登録の地域が多いですが、例えば東京都では養育里親さんに登録していない方がメインで登録されています。)
これなら一般の方もハードルがそこまで高くないし、そこから社会的養護に関わる大人たちを広げたらいいんじゃないか?なと思うようになりました。
東京都だと、養育里親という研修を受ける里親さんとは別で、週末里親を登録しているために、登録自体のハードルっていうのは少し低いんですね。
なので、そこから自分は東京都で活動しているして始めようかなっていうことになりました。
【4】しかし、残念なことに実際の職員さんのニーズと、現実のずれが大きいことがわかった。
ただですねヒアリングして実際施設の職員さんにね、
「週末里親どうですか?」って言って聞くと
認知度もめちゃめちゃ低いしそもそもそんなにニーズがないです。って言われたんですよね。
なぜニーズがないかって言うと、施設側からすると。
これから自立する高校生で、家庭の体験の無い子から行ってもらいたいっていう思いがあるんですけど
里親さん側は「ちっちゃい子どもが来る」みたいなイメージをお持ちなんですって。
ほぉ、それはそうだなぁと。私ですらそうでした。
どこかしら皆さん、里子=小さな子?のイメージがないでしょうか?
あとは、実際児童養護施設に入ってるお子さんの95%以上は親がいるので、
そこからは見えにくいのですが、結構両親や親戚が会いに来てる家庭もいるんですよね。
なので家庭体験をしている子どもが実際に多い。そういうわけなんです。
ということで、じゃぁ全く家庭の様子も知らなくってかつ、ご家族の了承を得た上で、誰かのお家にちょこちょこ行ける。かつ、本人もそれを望んでいて、いろんな条件が合うっていうのは結構ケースが少なくてですね・・・・
施設によっては年間に一人とか二人しかいないみたいなこともある。
後は何より、職員さんとっても調整が結構大変だということもわかりました。東京都で言うと養育里親で研修受けてるわけではないので、色々説明が必要ですし、色々説明を省きますがこれはなかなか職員産側にも負担にしかならない。ってことでこれは広まりにくいだろうなっていうのがわかってきました。
【5】迷う時期。何のハードルを下げるのが、子どもも関わる周りも、一番誰もが幸せなんだろう?
週末里親広げるっていうの一度おいて、里子さんや里親さんにヒアリングを重ねている中で。
保護の前のショートステイだったり、もともと保護される前に関わっていた人が、養育里親さんになり、保護されて知っている顔見知りのところに保護で行ける。とか、
もっと切り離さない地域の里親さんが増えたらいいんじゃないか?という思いを持つになりました。
きっかけは2つあり、ひとつはとある子どもさんに言われた言葉でした。
【6】なんで私が家をでていかなきゃいけないの?お母さんとお父さんが出ていけばいいのに?と言われたこと。
子どもの保護って、子ども本人からすると、「なんで私が出て行かないといけないの?ここの家だったりお友達は好きなのに」っていう状況になるわけです。
「なぜ、保護の原因を作ったお父さんとお母さんが家を出てくんじゃなくて私が遠くに行かなきゃいけないのか?」
ストレートに問いかけられた、という方と出会い。
それは確かに、当たり前のことだな、と思ったんです。
なぜそれが用意できないかって、リソースの問題でしかなく。ベビーシッターをずっとその家に付けて改善しようって無理ですよね。
なぜ遠くに離れなければいけないのか?は考えさせられました。
【7】中学3年で保護されても、近くの里親さんがいれば同じ学校に通い続けられる子がいる。
例えば中学校3年生の夏休みに保護されるってなった時に。
遠くの施設しか保護先の選択肢がないと、学校を変わらないといけないとか、めちゃめちゃ遠い距離を通学しないといけないとか、というハードルがあるんですよね、中学校を卒業するために。
つまり場所的な要因もあり、もう通いにくいから学校かえますっていう子がいるんですけど、そしたら生活をリセットされ、それ以上に学校の友達もリセットされちゃう子もいるわけです。
家族を頼れなかった分、誰か別の人を頼ってた子もいるはずなのに。
どうしてもその繋がりが突然切れちゃうんですよね。
なぜ自分で選べないんだろうと。自分の人生なのに。
できるだけ今までのつながりを持っておきたいと思った時に、切り離さないようにするには、どうしたらいいのかなと。
そしたら一つは、選べる選択肢を増やすしか無いんですよね。そして実際に子ども食堂で関わってた子どもが、その家の人と知り合いで、そのまま保護されて学校に通えた事例があったんです。
ああ、こうやって子どもが行きたい先の里親さんや、保護前に知っている里親さんが増えたらなと。
つまり、「家族」っていうところから少し間だったり距離を置くんだけれども、学校を変えないとか幼稚園は変えないとか。習い事の先生とか頼りにしていた人には会えるようにするとか。
それをもし子どもが願うのであれば、できるだけ切り離さないようにしたい、というふうに思うようになったんです。
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【8】人生のリセットボタンがあまりにも多すぎること。親側も子どもを奪われたという経験になり次の相談にはきてくれない現実と。
社会的養護は、あまりにもリセットボタンが多すぎてですね。
自分の意思を全く聞かれることがなく、いきなり保護されて警察や児童相談所に連れ去られた、みたいなお子さんもいらっしゃるわけですね。
それって親もすごく悲しいし、自分たちを疑われて保護されてしまった、子どもを取られた!児童相談所を許さない!みたいなことを言われることがしょっちゅうあります。
すると次にもし子育てで困ったときや、自分が病気で困った時に、児童”相談所”、相談できる場所、のはずなのに
行って相談しようとはならないわけですよね。
それってその仕組みとしてどうなの?とか。
最終的に、子育てする仲間が増えたらいいなと私は心から思っていて。
子育てを支えてくれる仕組みが、もし自分の周りだけで足りないんだったら誰かのリソースを使えばいいと思っているし、公的サービスも使えばいいと思ってるし、その相談に児童相談所が乗るなり子ども家庭支援センターの人が相談にのってくれたらいい、と思ってるんですが
それがうまくいかないと突然保護されて、「里親」という「親」というワードがついている人に託されるって…自分が親なのに?親からしたら、と思うわけです。
【9】子どもも、めちゃくちゃ嫌いでも、自分の親や家族を否定されたくない。
あとは子どもの声として。
とても憎んできて嫌いな親でも、どこかでわかってくれるんじゃないかとか、色んな思いがあります。
一生涯縁を切っても切れない部分があり。
だからこそ、離して育てたら終わり!ハッピーエンド!ってことはないんですよね。
【10】里親さんは子どもを奪う制度ではない。子育てを一緒に応援するパートナーだから。
色々と書きましたが、里親さんって誤解されがちなんですが、これは声を大きくして言いたいです。
里親さんは、子どもの幸せを心底願っていて。子どもが実親と暮らすのが一番いいなと思ったら、もちろん心はしくしく泣くんですけど「よかったね!お家に帰れるね!!何かあったら戻ってきていいからね。行ってらっしゃい」って送り出すわけですよ。
(めちゃめちゃ悲しいんですけど・・・。そしてこれは乳児院や児童養護施設でも同じです。)
でも実親さんにそれを、保護された時に説明されても、穏やかに受け入れるのは難しいですよね。私自身も子育て中ですけども、6歳と5歳の自分がいきなりじゃあ子どもをあなたは育てられませんね!って保護されたのはすごい悲しいと思うんですよ。
その時に、ちょっと大変そうだから一緒にこの人の家に一泊預けてみない?とか、しんどいときに大人の手を貸してくれるとか一緒に子育てするよっていう親子の支援のサービスの一つだよ、というスタンスで来てくれるんだったらもっと警戒しないと思うんですよね。
【11】だからこそ、最初から「お家に帰るんだよ」と誰もが分かる仕組みで里親さんを利用して欲しい。
だから、最初から「保護の前に使える、里親さん」というリソースがもっと増えたらいいと思うのです。里親さんも保護された子どもさんの中途養育はめちゃくた大変だって、お話が多いのです。
そして委託された後、措置解除に、4分の1のかたは、養育里親の登録をやめてしまうのです・・・・
これって悲しくないでしょうか・・・・。
子どもにも、子どもにとって大切な親にも、関わろうとしてくれた里親さんも疲弊だけで終わってしまわない制度にしたい。
そんなとき、「ショートステイ里親」というまだ定義も曖昧で、あくまで地域の里親さんをこう呼んでいる制度を。
心から広げていきたい制度だと思っている。
実際の申込先や、運用などの説明は今回は長くなるので、別のnote
でお伝えしたいと思います。
読んでいただきありがとうございました。
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