鉄板ネタになったおたふく風邪の話
AYAです。題名の通り、わたしの鉄板ネタになったおたふく風邪について書きたいと思います。面白くはないですが、びっくりするとは思います。めちゃくちゃどうでもいい上に半分くらいドイツ旅行記なので、お暇な時にどうぞ。
小学3年生の夏、両親が学会発表のためにドイツに2週間行くことになりました。わたしも連れて行くと言われ、初めての海外、しかもみんなは学校がある時期に旅行することにワクワクドキドキしながら飛行機に乗ったことを覚えています。片道10時間超えのフライトでしたが、普段はあまり観ない映画を観たり、機内食の肉・魚を選ぶのに心躍らせたりしているうちに到着しました。
泊まっていたホテルのフロントにはプロジェクターによって投影されたサッカーフィールドがあり、そこでわたしが幻のサッカーボールを蹴ってチェックインを待っていると、同じ歳くらいの白人の男の子が近づいてきて、そのまま2人とも無言でサッカーをした記憶があります。言葉がわからなくても少しだけ仲良くなれた気がして、この時の感覚はわたしの志向に少なからず影響していると思います。ちなみに、このホテルの名前が知りたくてずっと調べているのですが未だにわからないので、万が一ご存知の方がいれば教えてください。
夏のドイツはとても日が長かったです。ドイツ在住の母のお友達とその娘さんと会って、鉄板焼きを食べたりモールを回ったりした日がありましたが、太陽は日本の夏の夕方5時ぐらいの眩しさなのに実際には9時を過ぎていたということにとても驚きました。
その娘さんとは以来クリスマスカードをずっと交換していますが、彼女がくれた黄色い板ガムの美味しさは今でも忘れられません。後から調べたところおそらく韓国ロッテのガムだったので、たぶん外国補正も加わってよりおいしく感じたのだと思います。今食べてもあの味がするのか、知りたいような知りたくないような…。ハリボーを初めて食べたのもこの時でした。
おそらくその後ケルン大聖堂に行ったような気がします。あとライン川も下りました。他にもいろいろ建築や料理など覚えていて当然のものがあるはずですが、何にせよその後の出来事のインパクトが大きすぎてあまり記憶にありません。時系列も怪しいくらいです。
さて、ライン川を下った次の日、わたしは熱を出しました。長時間フライトや日が長いこと、料理などが原因だったのだと思います。母子手帳を見る限りおたふく風邪のワクチンは赤ちゃんの頃に打っていましたが、ワクチンも万能ではありませんから仕方ないですね。母は素人ながら、わたしの腫れた顔を見ておたふく風邪だと確信しました。病院に行って薬をもらわなければいけません。
ところが病院に行くと、医者は
「甲状腺がんかもしれないから、緊急手術する。子供だけ入院させて帰れ」
と言いました。母も父もびっくりです。どうやらドイツではおたふく風邪というのはあまりメジャーな病気ではなく、エラの張っている黄色人種、さらにその中でもエラの張っているわたしの顔を見て、甲状腺がんだと判断したようでした。母は絶対におたふく風邪だから薬だけくれればいい、と医者に訴えました。ところがこちらは日本人、向こうはドイツ人で、お互いに母国語ではない言語(英語)で話しているので意思の疎通がうまくいきません。スマホなんてない時代です。
とりあえず検査をするというので、わたしは銀色に光る台にのせられて、広すぎる病院の中をあちこちたらい回しにされました。ドイツのイメージで合理的というものがあるかもしれませんが、病院は合理的というより無機質でした。全体的に真っ白か銀色で、四角くて、冷たい感じです。わたしは冷たくて硬い台にのせられてMRIを始めとして色々なところを回り、熱の苦しさと自分だけ入院して手術を受けないといけないかもしれないという不安で泣き、母はわたしを励ましながら医者に説明し、父は大使館かどこかに電話し、と大変すぎる状況でした。
結局検査の結果当然のことながら甲状腺がんではなく、母の粘り勝ちで薬をもらいました。ホテルで数日療養し、その間わたしは日本から持ってきた即席お粥と味噌汁で日本食の素晴らしさを痛感し、飛行機の手配ができるとすぐに日本に帰りました。帰国後かかりつけ医のところに行くと、
「ほんとだね〜おたふく風邪だ〜お薬出しておきますね〜」
と言われ、より適切な薬をもらい、わたしの甲状腺を奪おうとしたおたふく風邪は帰国後3日であっさりと治りました。
いや、それだけの話です。が、
①初めての海外、ドイツで
②おたふく風邪にかかり
③手術されそうになった
という点が少し特殊で誰に話してもびっくりされるので、味をしめて鉄板ネタになったというわけです。
書いてみてから気がつきましたが、話すより面白みに欠けますね。より説明的になるのが原因かもしれません。次はもう少し笑いを誘えるテーマを選んでみようかな。最後まで読んでくださってありがとうございました。ではまた。
2021.8.14
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