忘れていたのにやってきた最大の敵 後陣痛@大阪日赤病院 予定帝王切開

子供もGCUに連れていかれ、面会に来ていた母も、あと2時間ほどで上の子が返ってくるから、自宅に戻って晩御飯の準備でもしようかなと帰ることになりました。
そして私も、元々この日の夕方に、病院に書いてもらわねばならない書類を、専門の受付である文書管理センターに提出するつもりだったので、母の帰宅がてら一緒にセンターのある2階まで一緒に下りて、提出したら別れることにしました。

出産や病院に入院すると、病院側に書いてもらう(記載してもらう箇所がある)書類が発生します。
出産の場合は、まずは出生届がそうですし、私は働いていて産休を取得したので、その産休手当の申請用紙も病院に記載してもらう箇所がありました。
加えて、帝王切開は民間の保険の支給対象になるため、そちらの診断書も病院に記載してもらう必要があります。
上の子を産んだのは個人院だったので、受付に出せば退院までに書いて下さりましたが、日赤は大きな総合病院という事で、2階の総合受付の中(会計の隣あたり)に、これら病院に記載をお願いする文書の受付窓口である、文書管理センターが設けられていました。
入院患者が多い日赤では、診断書の届け出をする患者さんも多いようで、文書管理センターはコンスタントに混んでいるそうですが、担当の助産師さんが、閉まる直前の16時半以降であれば比較的空いているので、行くならそこがねらい目と教えてくださっていました。

母が私の洗濯ものなど持ち帰る荷物をまとめ、一緒に二人で2階まで下りていきました。この頃の私は、点滴の類はすべて抜けたのですが、まだ多少ふらつきが有りそうでなんだか支えが欲しく、何もぶら下がっていない点滴を吊るす棒を支えに歩いていきました。

やはり受付はガラガラで、文書管理センターも2,3人ほどしか待ちがなく、私は近くのベンチに腰を下ろして、提出する書類をより分けていました。


ここで異変が起こりました。


。。。腹が痛い気がする。いや痛い。痛い。確実に痛い。。。

麻酔が抜けたことで、術部の傷口の痛みが出てきたのかなと思いました。実はそれまでは、まだ麻酔が残っていたのか、ほとんど痛みを感じていませんでした。
かなり痛みが強まり、母にもお腹が痛くなってきたと伝えていると、文書管理センターの順番がやってきて、窓口の椅子に座りました(私の様な入院患者が直接持ってくるケースも多いのか、この窓口は椅子が用意されていました)
職員さんに書類を提出したところ、驚いたのは、書類が返ってくるまで1か月ほどかかるという事!上の子の産院は小さかったのもあってか、退院する時には貰えたのですが、日赤はこの手の書類が沢山あるので、1か月ほどかかってしまうそうです。出来上がると電話がかかってくるそうで、取りに来てとの事でした。えーっ!と思いながらも、どうしようもないとの事で、電話を待つ事になりました。
(これ、里帰り出産で利用し、産後親と折り合いが悪くなったから早く戻りたい時など困らんのだろうか…と今更思います)

さておき書類の提出は終わったのですが、窓口に座っている間もどんどんと腹の痛みは増してゆきました(立ってのやり取りなら、耐えられなかったと思う)
後ろのベンチに再度腰かけると、あまりの痛さに歩く事はおろか、立ち上がる事も出来なくなってしまいました。

これはヤバい。
歩けない私を見て、それでも入院部屋には戻らないとけないので、見かねた母が、受付エリアのベンチスペースに折りたたんでおかれていた車いすを見つけ、ジャキっと広げました。
そしてうめき散らす私を座らせ、「これはあんたが持っとき」と、母が持っていた荷物を私の膝に乗せ、ついでに私が支えに持って降りていた点滴の棒も片手に抱え、そのまま産科の入院病棟まで爆走を始めました。
「さすが現役ナース、片手に点滴の棒を持ちながら車いすを押すなんてさすがだぜ」と冷静に感心しながらも、私は産科病棟まで連れ戻されました。

エレベーターを降り、母が「すみません、娘が腹が痛くて動けないというので、車いすお借りしました!後で戻します!」と叫びながら、産科のナースステーション前を通過。
その場にいた助産師さん方は、はぁ。。。という感じであっけに取られていました。

部屋に戻りベッドに転がり込む私。いっっったいっっっ。

「じゃあもう帰るね、後は頑張れ!」と、母は車いすを押しながら帰ってゆきました。
(この時、助産師さんが様子見に来られたかもしれませんが、痛いので記憶が飛んでます)

ベッドに戻ったからといっていたいのが収まるわけはなく、むしろめっちゃめっちゃ痛みが増してゆき、七転八倒していました。
そこで私ははっと気づきました

「これ陣痛の痛みだ」

という事は、これはもしや・・・後陣痛!

出産方法に関わらず、産後子宮は収縮して元の大きさに戻りますが、その痛みが後陣痛と呼ばれる腹痛で、これは個人差がありますが、出産回数を重ねるごとに痛みが強まるケースが多いそうです。
また、本当に痛みの程度や、痛い期間は個人差、出産差があり、全く感じない人もいます(友達にもいました)
私は1人目の出産のときに、この後陣痛の存在を知らず、出産終わったーと感動に浸っていてから半日もしないうちに、この後陣痛に襲われ、しかも比較的ひどいタイプだったらしく、痛み止めを貰い、それでもなかなか痛みが良くならないという経験をしていました。
正直、出産の陣痛もしんどかったのですが、そちらは心構えも出来ていたし、いろんなホルモンも出ていて興奮状態になっていたからか、よい思い出という感じにとらえていました。が、何も知らずやってきたひどい後陣痛は私のお産のトラウマになり、正直、2人目の経腟分娩だったら、陣痛より嫌だ。。。とさえ思っていたくらいでした。

今回予定帝王切開で、硬膜外麻酔を使用したことで、麻酔が効いている間は後陣痛も感じることはなく、その点ではとても快適に過ごせていました。
が、やはり逃げ切る事は出来なかった。。。

そして私は激しく後悔しました。今日の昼過ぎに抜いた硬膜外麻酔は、まだあと1日入れっぱなしに出来ました。それを、通常は産後2日で抜くから、シャワー浴びられるからと、流れに任せて抜いてしまったのですが、もしあと1日長く入れていたら、もう少し後陣痛が弱い状態で抜くことになり、ここまで痛い思いをしなくて良かったのではないかと・・・

それと同時に、もし経腟で産んでいたら、麻酔なんて入れないから、お産からほどなくして後陣痛に襲われていただろう、しかも、2日経ってもこの痛みってことは、産後すぐの後陣痛は、気絶するくらい痛かったんじゃなかろうかと…
2日経っての後陣痛は、自然分娩で子宮口が6センチ、もしくはもう少し開いたくらいの痛みだった気がします。私は8センチのタイミングで和痛の麻酔を入れたのですが、その時もかなり痛く、その手前レベルはかなりの痛みです。
あぁ、予定帝王切開で良かった。。。と思いましたが、今は痛い。

しょうがないので助産師さんにお願いすると、薬剤師さんに痛み止めを処方してもらえました。こちらは肩のアセトアミノフェンとは違い、ロキソニンでした。
ただ、上の子の時もロキソニンを貰い、そんなに効かなかったので、気休めだな…と思いながら飲みました(そんなんじゃ余計効かない)
そして、自宅の冷蔵庫に、ボルタレンの座薬がある事に気づき、肩の痛みに引き続き、持ってくれば良かった。。。とまた後悔しました。
毎日なんかしら痛い。

日が変わる頃になっても痛みはひかず、夫に腹がいてぇと泣きごとを連絡し、それでも夕食は完食しました(食うたんかい)。


予定帝王切開は基本陣痛を経験しません。
私は、上の子のお産では、陣痛なんてナンセンスだと思い、痛みを弱める静脈麻酔を使う和痛分娩を利用しました。ですが、麻酔を入れたとたんに子宮口が開かなくなり、数時間経過した後、麻酔を切って自然分娩に切り替える事になりました。その後は本当に痛かったのですが、立ち会ってくれた夫にも励まされ、この痛みは母親になるための試練なんだと感じる様になり、30時間以上の陣痛を乗り越えて、出産しました。
その為自分は陣痛には前向きなイメージが残り、今回のお産で全く感じられないのはちょっと残念だなと思っていました。
・・・がっ!後陣痛に襲われ、やっぱ要らんわー!また感じたいとか思った自分アホー!と、自分で自分をぶん殴りたくなりました(余計痛いわ)

最近知ったのですが、帝王切開は、後陣痛を強く感じるケースが、経腟に比べ多いそうです。緊急の場合はしょうがないですが、予定で硬膜外麻酔を入れられるのであれば、不具合がなければ、ある程度長く入れてはと思います。
もっともこれも個人差有りで、一人目から予定帝王切開だった友達は、後陣痛?なにそれ美味しいの?状態だったそうです。この子は傷もあまり痛くなかったそうで、多分前世で物凄く徳を積んだんだと思います。

なお、私は上の子のお産の陣痛を、俗に言われる産後3日で忘れてしまい、退院する頃には、どんなんだったかなーあははー(アホ丸出し)などと言っていたのですが、やはり感じるとぱっと思い出すものですね。
このまま忘れ去っていたかったけど。


※ものすごくどうでもいい余談 昭和的陣痛の思い出
上の子の時、自宅で陣痛が来て、しばらく待機していた時、今回のお産で万が一の時の連絡先にも指定していた方に、陣痛来ました!と連絡したら、上下運動がいいと勧められ、ホッピングがAmazonで売ってるけど、うちの実家じゃ地方だから即日配達は無理だねとなり(この段階でやり取りがおかしい)、手っ取り早い上下運動は何か検討したところ
「ヒゲダンス」
という結論になったため、産院に移動して、分娩室に入るまで待機する部屋にいるとき、陣痛の合間にヒゲダンスを踊りました。。お腹痛くて思考がおかしくなっていた様です。
私はスマホにAmazonフォトのアプリを入れているのですが、これは去年以前の同じ日付の写真を、思い出として表示してくれます。
上の子の出産後、毎年上の子の誕生日の前日には、このヒゲダンスの写真を見せられることになるのでした…

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