彼を見つけた時の私の状況①
6月頃の私は歌を歌っていた関係で、音楽仲間である5つ年上のYさんと親しくしていた。
Yさんと私は、昨年のXmasに2人だけでセッションしたことをきっかけに親しくなった。
Yさんは子供は居ない既婚者。社会的地位のある人だった。それでもそんな事を気にせず色々世話を焼いてくれる彼に、いつしか私は甘え始めていた。ただ不思議と私には男女の仲を望む気持ちがあまり湧いてこなくて、別れた旦那とは正反対な対応をするYさんに、頼りがいと安心感と、素直に甘えられる楽さを感じていた。
そして何よりも2人でいればいつでも歌が歌える。それが一番のしあわせだった。
声の配信アプリを知ったことをYさんにも話して2人のセッションを録音して公開するOKも貰い、たくさんの人に聴いて貰い始めていた。
他にも私が声を吹き込んで、詩を読んだりしてアプリに慣れていった。
当時の私は不貞な関係と言われても仕方のない人とこの先を生きていくのか?いけるのか?そんな事を頭を過ぎらせながら、際どい交際をし始めていたところだった。(最低ですね…)
誰にも言えない相手…誰かに話してしまったら狭い町だもの、一緒に居ることさえもすぐに広まってしまう。
そして元々私は奥さんがいる人を好きになることを避けていたので、今回のイレギュラーは早期に何とかしないとと、自分でも焦り始めていた。
ただ、幸いなことにYさんは女性に慣れていなかったのか?ガツガツしたところがなく、紳士的に振る舞ってくださっていた。DIYをきっかけに、私のマンションの中に入ったりしたけれども、よく私のことを理解してくれてオオカミになることはなかった。(ん?私に魅力がなかったのかも?)
Yさんが帰った後や、私が帰宅したあとの楽しみが『配信アプリを開くこと』になっていった。
ひとりマンションに居ても淋しくなくなった。
『楽しすぎる』ひとり声を出して笑うこともあった。
誰かの声を聴いていることが、癒しに繋がるとは…そんな事をこのアプリを通して知り始めていた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
②に続きます…