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ゴスペラーズ前夜

突然、いまゴスペラーズにハマっている。


きっかけはゴスペラーズメジャーデビュー30周年イヤーに先駆けて行われたYouTubeでの過去の周年ライブ映像配信を見たこと。

二週に渡って配信された10周年のG10、15周年のG15(15周年漂流記)、G20、G25……と立て続けに見ました。


知っていたけど、知っていたけど……改めて……


歌うまっ!!!
え?踊るの???これは知らない!!!
え?小芝居するの?????これはうっすら知ってる!!!(なんで)
楽しい!!!!!


配信で見た曲をまた聴きたい。それ以外の曲も聴いてみたいと、いま過去にリリースされた音源を辿り始めている次第。辿っていると初めて聴く曲もあるけど、聴いたことのある曲もあって、ふわっと思い出が蘇る。


ゴスペラーズとの出会いは、地元放送局で視聴者のリクエストしたMV(PV?)を流してくれる音楽番組があって、そこでゴスペラーズの『告白』を見て、カッコええええええ!!!と釘付けになったのが最初だった気がする。夕景か朝焼けかわからないトワイライトな光景の中で歌われる色っぽい曲。あまりにカッコよくて、これは何かのカップリング曲なんだと思い込んだ記憶(シングルであんなカッコよすぎる曲を出すはずがないという思い込み。じゃあなんでカップリング曲にMVがあるのだよというところには思い至らず)(いま過去のリリース日に合わせてMVを公開してくれているので『告白』の番がくるのを楽しみに待ってます)


それから『永遠に』や『ひとり』でゴスペラーズをメディアで見聞きする機会はたくさんあったけど、私が惹かれた『告白』をテレビで歌っているところを目撃することができなくて、そのまま時はちょっと流れ、ラジオっ子だった私は【feel'n soul】や【SOUL CONNECTION】や【ザ・ソウルミュージック】に出会う。


ゴスペラーズがやっている番組だからというわけではなくて、知らないカッコいい音楽とそれにまつわる話がたくさん聞けるのが楽しくて聞きだした。そして多分【feel'n soul】だったと思うんだけど、番組内に"告白"というコーナーがあって、どうやらゴスペラーズのあの『告白』という曲は本人達とってもファンにとっても思い入れのある曲らしいと知り、「そうですよね!!あの曲素敵ですよね!!」と、なんだかあの頃の自分が肯定されたようで鼻息荒くなった。ラジオを聞きながら『告白』以外にも『Right on, Babe』『八月の鯨』とかを好きになって、通学中、暑い夏に電車内でピーカンな空を見上げながら聴いてたなぁ。たぶんこの辺りの番組をMDに録音したものがいまでも少し残っているはず。聞く術がないけど……。カセットテープのリバイバルブームはあってもMDの復興はなさそうですよね。しょんぼり。。


ラジオを聞きながら田舎でほげぇーと過ごしていた自分にはライブに行くという発想がなくて、番組が終わってしまうとすっかり距離が出来てしまった。それから時は流れに流れて、周年ライブ映像を見て痺れてしまい、11月リリースの新曲を聴いたらこれまたカッコよくて痺れてしまい、いまいろんな曲を聴き出し、あの曲もこの曲もカッコいいではないですか!!!!!となっている次第。時、流れ過ぎだろう。けどなんとかまた指先ひっかけられた。出会い直せた。それもこれもゴスペラーズが30年続けてくれていたから。続けてくれるってありがたい……。


新曲がとてもカッコいいのだけど、特に『F.R.I.』で北山さんから歌が始まるところにぐっと掴まれた。北山さんがメイン(リードというのでしょうか)を歌う時って、切なさをかきたてられる歌声が印象的で、『月光』『東京スヰート』はもとより、可愛いらしい曲調の『Love me!Love me!』ですら北山さんが歌い出すと、胸が……くっ……切なっ……となるのだけど、この曲の北山さんは切なさじゃなくて、「こっちだよ」って迎え入れてくれてる感じがする(え?)

MVが公開されて嬉しい。都会の夜景と曲が相まってすごくキマってる。原色たるメンバーカラーが大々的に打ち出されながらも、5人が一緒に映った時にはそれが混ざったみたいな、トワイライトかマジックアワーかみたいな色味になるのが画面を落ち着かせてて素敵。
「Go around and around……」で黒沢さんが手をくるくるしてて、そのあとの「繰り返すday by day」で安岡さんも同じく手をくるくるしているところが好きだなあ。回るし、繰り返すし、廻るって感じで。


同じEPの中だと『24/7』も好き。ノリが明るくて、ライブで実際に聴いたらすごく楽しいんだろうなぁって曲で、ちゃんと振り付けがあって踊ってくれそうだよなぁってワクワクする。


そう、ゴスペラーズのライブ映像を見ていてびっくりししたのが”振り付けがある”ということ。それぞれが思うままに体を動かすというのではなく、全員がちゃんと振りを入れて曲に合わせて踊っている、というのがいい。とてもかわいい。ゴスペラーズってかわいかったのか。


なかでも北山さんはターンがキレてて、一番ノッて踊ってる気がする。ライブ中のパフォーマンスを見ていても、北山さんはメンバーの中でも情熱的というか、情熱を前面に出してくれる人という印象。それがダンスに合ってる気がする。そしてもうひとり気になるのが酒井さん。酒井さんはただ踊っている時よりリードを担当しながら踊っている時のほうが上手いんじゃなかろうかという、グループアイドルにも時たまいるレアな存在っぽさがある。


踊りもだけど、北山さんと酒井さんの刻むリズムが好きだ。北山さんはバス?ベース?を担当することが多いから、リズムを刻むということに毎回すごく心を砕いているのではないか、と素人は思う。リズム隊な時はもちろんだけど、北山さんがリードを取る部分は音ハメがとっても心地良い。


酒井さんはきっとリズムが好きな人なのではないかと思う(リズムが好きな人ってなんだ)。ライブ映像を見ていると、しっとりしたバラードでみんながスッと佇んで歌っている時に、ひとり体(脚)でリズム刻んでいる酒井さんが目に入って「好きだぜ!」って思う。あと酒井さんの作詞作曲のものは歌詞の"音度"が高い気がする。作詞している方には本当に申し訳ないのだけど、私は歌を聴いていても歌詞の内容がパッと頭に入ってこなくて……。歌詞の意味よりもその言葉の音が音楽に合っていたり乗っていたり口心地がよかったりするものが好きで、意味を噛み締めるのはもっとずっとあとになってしまう(それでも時々意味がぐっと入ってくる曲とかがあると「何これすごい!!!」ってなる。多くの人はそれを毎回ナチュラルにやれているんだろうな。羨ましい)酒井さんの作る曲は口に出してみたくなるし動きたくなる。すごく心踊る。
そして、なんてったって酒井さんの歌声!澄み渡る爽やかさ。大気に溶ける伸びやかさ。どうやったら得られるんだ、あの声質は。
それに加えて声量!声量ですよ!!歌声が大きい人が好きなんです!!!【G15】での『LOVE MACHINE』からの『一筋の軌跡』で目も耳も奪われ、またここが見たいがために現物を買いました。【G15】はオープニングから数曲でもうすでにカッコよかったけど、この酒井さんの"ぶち上がっているのに歌はブラさない"歌いっぷり。それがプロなんだと思うけど、すごいんだもの。他の4人も酒井さんのテンションに引っ張られて上がってる感じがして、歌ってる方も聴いてる方もとても楽しそうでむちゃくちゃ幸せそうな空間~~~!!!と痺れました……。
ただちょっといま短期間にいろんな曲を摂取し過ぎているせいか、自分の中で酒井さんをこじらせている感がある。声がたおやかなのにビートの刻みが鋭い。気づけばあっちでもこっちでも鋭い。。もっと揺らいでる、ダルダルででろんでろんなリズムのあまい酒井さんも探せばどこかの時代にいますかね……?と、うっすら希望(?)を抱いていたんだけど、『Pearl』初回特典の「The Gospellers Works 2」リリース記念ライブ in 原宿RUIDOの中にあったゴスペラーズ初期の映像を見ても、マイクの持ち方は変われどビートは変わらず強かった。そっか~~ずっとビート強めか~~~(いいじゃないの)


村上さんの歌声はソウルフル!!!
自分がこんな風に歌えたら!!!歌いたい!!!という憧れの歌声。でも村上さんの真似をして歌ってみても全然村上さんになれない!!!!好きなのに!!!!!(落ち着け)
『Right on,babe』『八月の鯨』『vol.』『待ちきれない』『シークレット』……。私は村上さんの歌声がむちゃくちゃ好きだ。地平を焼き払う攻撃魔法的な(そんな暴力的ではないけど)辺り一面に轟かす歌声というか。引っ張りこまれて聞き入ってしまう。村上さんの歌声を聴いている時、私の歌詞おいてけぼり耳に拍車がかかって、後々歌詞を見て空耳してることに気づくことがままある。それくらいぽ~~っと聞き入っちゃってる。。ライブ映像を見ると歌声のみならず客席の煽りも最高にカッコいい。歌うように語るし語るように歌う。惹き付けられる音の使い分け。きっと耳もすごくいいんだろうな、と素人は思う。そんなにたくさん見聞きしたわけではないけど、オフィシャルな時の言葉使い、言葉の選び方も素敵だなと思う次第。そしてラジオを聴いていた私にとってはいろんなカッコいい音楽を教えてくれるおにいさんという存在でもある。それは黒沢さんも同じく。ソウル、ブラックミュージックという存在を知り、マーヴィン・ゲイやダニー・ハサウェイを知り、TOKUさんやNAOTOさんや松本圭司さんを知ったのはラジオがあったから。あと黒沢さんについては音楽を教えてくれるおにいさんであるとともに、こちらの物心ならぬゴスペラーズ心がついた時からずっっっっっっっっっっっとカレーを愛している人。ハードコアカレーシンガー黒沢さん。子ども心に「ハードコアカレーシンガーとは???」とぼんやり思っていたものです。ゴスペラーズにもメンバーカラーなるものがあるらしいと知り、その配色で黒沢さんが黄色というのがいまひとつピンとこなくて(青っぽいイメージを勝手に持ってました)だけど、そうかカレーか、と思ったら妙に納得してしまった。
甘くて繊細で力強くもある歌声。いつでも切実。歌に切実。しっとりもノリノリも合う。ゴスペラーズといえば黒沢さんのあの歌声だと思ってる。そして『告白』でゴスペラーズに惹かれた身としては、村上さん黒沢さんのリードで甘く重たく切実に歌われたら最高なんだ。【G20】でやっていた『逃避行』も最高にカッコよかったです……。


安岡さんの歌声はねっとりとしていて、抑揚たっぷりで、リード部分はともすれば少しリズムから遅れるような印象があったんだけど、ハーモニーに回った時はそういうことをまったく感じさせないことに気づいて、「なんて、なんて気遣いの人なの!!!」と、ときめきがとまらなくなりました。そうだよね。自分が目立つところはとことん自分でいいじゃないの。安岡さんの声は間違いなく安岡さんの声だってわかるし、ラブリーな曲調がものすごく似合っていて、『Love me! Love me!』『GOD BLESS YOU』『MOVIE☆STAR』とか安岡さんの歌だと思ってる(『MOVIE☆STAR』は北山さんの「good girl~!」の部分も好き)あと声が厚い。声量とはまた別で、歌声が厚いというか、ドンとしてる?ビブラートかけてても波形が太い。大縄がぶおんぶおんうねっているように聴こえる。その厚さがきっとハーモニーを支えてるんだろうな。
そして過去映像から現在付近まで見ていて、ずっっっっっっっっっっっとおしゃべりさん。トーク場面で確実に躍り出る安岡さん。ゴスペラーズはみなさん全員しっかりしゃべる人たちだと思うけど、その中でも安岡さんがゴスペラーズのスポークスパーソン。しかも安岡さんがしゃべると華やぐ。すごい。そしてライブ映像で見ていても、パフォーマンスにチャーミングが一貫してる。いろんな時代でしっかりと貫かれている。照れずにバチバチにキメてくれるところがとびきりのヒーロー。ときめく、ときめくよ。。


これらは主に10~20年ぐらい前の映像を見て思いが募って、そのほとばしりを垂れ流して言ってることであるので、いま生で見聞きしたらガラッと印象が変わるかもしれない。いまのゴスペラーズはそうじゃないぜ、こうだぜ、と。2024年の現在のゴスペラーズってどんななんだろう。ライブに行くのが楽しみで待ち遠しい……。


そう、チケットを取ったのです!
ライブのチケットを取ったのです!!
ついに初めてゴスペラーズの歌を聴きにいくのです!!!
あの頃のわたし!!!わたしは行くよ!!!!!


こうやってなんとか指先を引っかけることができたのも、出会い直すことができたのも、ゴスペラーズが30年続けていてくれたから。ありがとうゴスペラーズ。まったくもって早くはないけど、いま、チケット握りしめたよ。


(おさまりきらない感情の吐露にお付き合いいただき、ありがとうございました)

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