フランスから、食関連ニュース 2020.02.04
フランスにおける旬でコアな食関連のニュースを、週刊でお届けします。
1. 今週の一言
フランスにおける料理業界を引っ張る世代は、ちょうど40代前後のシェフたちとなって、しのぎを削っています。今回のミシュラン・ガイドでも、以前にも増し、星の動きに戦々恐々となっている。今年は時代の流れから、小林圭シェフに3つ星が降りましたが、小林シェフの先輩たちも、無論3つ星を狙っています。どんなに3つ星の力があっても、時代の流れも応援するというチャンスに抱かれる人々は数少ないもの。
小林シェフが「プラザ・アテネ」にいた頃の上司でシェフだったジャン・フランソワ・ピエージュ氏もそう。「プラザ・アテネ」の3つ星を守っていましたが、アラン・デュカスグループから一足先に卒業して、ホテル「ル・クリヨン」、「トゥーミュー」、そして現在の「ル・グラン・レストラン」は、自身で創業。2016年に2つ星までこぎ着けましたが、3つ星を取るといわれ続けてきて今に至ります。対する小林シェフは、2017年には追うように2つ星を獲得。さらに今年は3つ星を獲得して、世界中から注目を浴び、ピエージュ氏は先を越されています。さぞかし悔しいだろうと心中を察しますが、そのピエージュ氏が自ら、ミシュランの発表後、小林シェフの店を訪れたそうです。小林シェフにはもちろん、スタッフの面々に、よくやったとの祝いの言葉を伝えるために。小林シェフも、ピエージュ氏の昇進も気になっていただけに、これほどまで肩の荷を下ろし、ミシュランの星以上に嬉しかったことなないと話していました。どちらかというと小林圭シェフが上杉謙信に似た、越後ならぬ、長野諏訪生まれの虎のように感じていたのですが、自分よりも抜きん出た弟子の店に自ら訪れて祝うという、フランス人でありながら、ピエージュ氏の生き方の中にも、相手を尊ぶ武士道を感じてならず、勝負の世界に生きる人たちだからこその潔さを感じずにはいられませんでした。本気で人生に挑む人たちから、たくさんのことを学んでいます。
2. 今週のトピックス【A】2月は「スーパーマーケットに頼らない月間」に。【B】ミシュラン・ガイド編集長の本当に好きなレストラン。【C】M&M’S、コーティングに二酸化チタンを停止し、米粉を代用。3.日本@フランス【A】剣菱と増田屋蕎麦のマリアージュイベント開催。【B】ジェトロ・パリ、「日本の郷土の食の宝」商談会を開催。
2. 今週のトピックス
【A】2月は「スーパーマーケットに頼らない月間」に。
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