ドラフトsaké by Wakazé@パリ5区 フランスの週刊フードニュース 2022.05.30
今週のひとこと
2019年から、パリ郊外で100%仏産SAKEを醸造するという挑戦に挑んでいる「WAKAZE」が、パリ5区にカウンター・レストランをオープンしたばかりです。すでに先々まで満席という評判です。同社は、「日本酒を世界に」をビジョンとして、2016年に創業した、山形県鶴岡市に本社を置く日本酒造りのベンチャー企業です。
創業者で社長の稲川琢磨さんの熱い思いと、パートナーで若き杜氏の今井翔也さん。そしてスタッフの方々を含めての、日本酒愛と枠にとらわれないあり方で、フランスではすでに日本酒シェアナンバーワンにこぎつけるという結果を叩き出していました。
レストランはまさにその証明のようなものでした。なんとビールサーバーを使って、炭酸ガスを充填するのではなく窒素ガスを充填して生酒をサービスするという、コロンブスの卵のようなアイディア。
まさに「日本酒の民主化」を成功させた、言い過ぎかもしれませんが、歴史的な瞬間に立ち会えたことを、日本人として誇りに思いました。
「WAKAZE」生酒4種の美味しさにも開眼。発酵をテーマに掲げた料理にも合いますが、合わせたくなるフランス料理が次々に思い浮かぶ、透明感と個性のある味わい。マーケットはまだまだ拡大していくだろうと感じました。
ビールサーバーを使用するというアイディアは、ワインをサーバーから提供しているパリの某ワインバーで気づいたと稲川さん。10年以上前に、シードルを同じようにビールサーバーで提供することを思いついた、あるノルマンディの生産者のことを思い出しました。
枠にとらわれない思考というものは、なかなかできるようでできないもの。でも、案外と、問題解決策は目の前にあったりするもの、ということを学ばされました。
詳しくは料理王国ウェブにて近々寄稿致します。
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