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40代の挫折。ゆでガエルが干上がった話の続きの続き。

ゆでガエルが元の動物的感覚を
取り戻すには
そう
一筋縄ではいかない。

あなたはもう、いらないですよ。
というお墨付きをいただいたにもかかわらず

そこで気付けない、私がいた。

会社員を辞め、
次に流れるがままに

業務委託でとある有名ブランドと、
新進気鋭のインナーブランド2つの
デザイナーをやることになった。

(ほら、またデザイナー。)

その仕事は
出社は週2回でOK。
なかなかいい額での契約をしてくれた。

今まで通り、
器用に適応していけると思った。

が、しかし。

がっちがちに固まった社風と
わたしの個性が全然合わない。

そして何より、
何年もの間、ディレクター的役割で
仕事をしてきたので

わたし自身が実務ができなくなっていたのだ。

あまりの合わなさに、あまりの不甲斐なさに
一年の契約を、双方合意で早めに終了。

ま、一言で言えばクビですよ、クビ。

わたしももう、本当にやりたくなかった。
というより、諦めがついた。

完全燃焼、したな。と。

あれだけ向いていて、楽しくやっていたのに。
苦痛でしかなくなっていた。
そうしてわたしの企業デザイナーのキャリア
20年が、終了した。

終了させたと言ってもいいかもしれない。

具合が悪くなることまで、
すべて計画通りといってもいいかもしれない。

なんせ、親友に予告までしていたのだから。
自分でその方向に持って行った
可能性が、大ありなのである。


こうして、
まず初めの個人事業主は
失敗に終わる。


そしてその失敗は、
わたし自身にとっては
成功と言っていいと思う。

なぜなら
「なんでもない自分」を
取り戻した瞬間だったからだ。

だんだんと
やりたいこと探しをする自分が
影を潜め

流れるままに、なるがままに
身をまかせるようになってきたのである。

まだまだ、
リアルな「自分自身」を見つけて
納得できるには時間はかかるだろうな、と
でーんと構え始めたのはこの頃。

見つからなかったら、それでいいや。

とりあえず、いやなことは
なるべくやらないでおこう。

そう思いはじめたのである。


そうして、次の引き出しが
開くこととなる。

前に進むわけではない。

ただ、空っぽになるための
引き出しが、ね。

お?空っぽ?

ゆでガエルどうした、
何かに気付いたのかい?


さてさて、
長くなったので
また今度。

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