Chrome won't get you home.
これはハーレーダビッドソン愛好家の間で知られるフレーズ。
ご自慢のマシンをどんなにピカピカにしたって、走るかどうかは別の話だ!と、やたらとデコレーションにお金をかけるコアなハーレー乗りを揶揄するフレーズらしい。お家に連れて帰ってくれないChromeをなぜ、会社の名前にしたのか。それをどうデザインするか。今日はそんなお話。
Chromeをデザインする
Chromeは銀色の金属。ハーレーの例えにあるように、ピカピカの錆びないメッキにも使われる。化学反応を起こすと鮮やかな顔料にもなるが、劇薬にもなる。それは、映像が持つ力にとても似ている。
時に劇薬にもなる映像を見極め、鮮やかに人の心に灼きつくVisionを残す。映像の力を正しく扱う会社にしたい。そんな思いがあった。
最初に着手したのは、会社のロゴ。デザインをお願いしたのは、前の職場で一緒だった女性だ。彼女は書籍の装丁デザインなどの経験があった。
ある夏の夜、代々木のおしゃれなカフェで待ち合わせ。社名に込めた思いや、どんな会社を目指すか、語り合った。
そして生まれたのが、このロゴだ。
中央にある丸い意匠は、色見本などに使われるカラーパレットがモチーフになっている。Chrome自体は銀色の金属だけど、反応が起きると何色にでもなれるイメージが湧いてくる。素晴らしいっ!
そして、よ〜く見ると外側の円がChromeの「C」、内側の円がVisionの「V」になっている。おしゃれです!
私には絶対、思いつかないアイデアだった。
WEBも作らなきゃ!
私は出会いに恵まれていた。
自分の仕事にもやもやしていた去年の夏、あるビジネススクールに参加した。そこでご一緒したメンバーの中に、WEB制作を手掛けている方がいた。
「私の会社のホームページを作ってもらえませんか?」
ダメもとで聞いてみたら、二つ返事で引き受けてくれた。その方は、ご自身の会社のデザイナーやエンジニアを招集し、何度かの打ち合わせを経て、カラーパレットみたいなロゴが色づくというトップページが誕生した。
それが、こちら。
デザイナーとエンジニアのチームは、実に深く私が目指すものを理解してくれて、またしても私の想像をはるかに超えたものを作ってくれた。
なんて幸せ者なんだろう…私。
問題はプロフィール写真
「あとはプロフィール写真ですね」
WEBデザイナーの女性がいう。長年、カメラのこっち側にいた私にとって、レンズの向こうに立つなんて…
そこで、長年お付き合いをしてくれているスタイリスト(メイクもできる私の”お姉さん”)とカメラマン(同時多発テロNY取材でご一緒して以来の”お兄さん”)に泣きついた。
2人は嫌な顔ひとつ見せず、まるで七五三の記念撮影に臨む子供をあやすように、私を撮影してくれた。さすがプロフェッショナル!
本当に私?
…と思ってしまうような写真が仕上がった。
こうして何とか会社らしい体裁が整った。
力を貸してくれた人たちは、いずれも凄腕のプロたちだ。その分野も個性も実に色とりどりなのは、Chrome Visionらしいスタートではないだろうか。クリエーターたちが化学反応を起こしながら、コンテンツを作る。それが、時が流れても錆びないChrome Vision - 毒を制して、彩りを添えて。
そう、私の名前も「彩」。目指しているのは…
Chrome won't get you home, but Chrome Vision can take you to the world you've never seen.
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