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ミレディ♡チャーム「アリゲイター・ナイト」ライナーノーツ 深掘りver.

前にどこかで述べたかもしれませんが、エンジニアさんに楽曲を依頼する際に、様々な既存の楽曲の要素やアレンジなどを混ぜ合わせて、歌の構成を練って依頼する事が多いです。

80's、citypop、メンヘラブームの時代が来たおかげで自分が表現したい要素を素直に落とし込みやすくなった反面、私は本当に歌謡曲、テクノ歌謡、ガレージロック、フォークばかり聴いてしまうので時代と逆行する自分の好みをあまり反映させないようにしておりました。

もちろん構成やメロディやリズムは耳馴染みの良い歌謡曲からの要素をリクエストする事が基本になっていますが、流行りの音楽も聴いた上で最終を判断する事が多くありました。

私の「好き」だけを反映させたら「いばら姫」みたいな感じになるんじゃないかな。
なので、女性二人が歌って踊っている意味みたいなのはなるべく感じられるようにしたり、お若い層の気持ちもかなり汲むようにはしているので、その音楽をカルチャーオヂ達が好んでくださるのは願ったり叶ったりですし、やはりなんだかんだ自分の好みはあなた達の世代なんだなと感じます。

振り付けと歌詞を両方考えさせて頂いてるので、こんなシーンをライブで見れたら興奮するなぁというインパクトに残るダサさみたいなのは、歌詞でも振り付けでもずっと大事にしております。

前回の曲とは被らないけど、なぞるように進化していく事で一貫性が出てきてコンセプトが見えてくると信じて、1番最初にリリースした「オーダーメイドガール」から抽象的版山手線ゲーム方式で「アリゲイター・ナイト」に辿り着きました。

「アリゲイター・ナイト」を制作するタイミングで自分たちの環境が変わろうとしていたので、いっそここで世界観をオープンにしてふるいにかけても良いかなと思い、あまり提供的な雰囲気にはしませんでした。

自分がやりたい楽曲の中で、あまり観客に寄り添ってはいないが尖りすぎていないジャンルを探した時に思いついたのが「テクノ歌謡」でした。

歌詞も今までのように少女的であったり、現代人の恋情のアレやコレみたいな輪郭がハッキリしていて共感ベースみたいな歌詞ではなく、要素要素に正論をバシッと入れて、自分の引き出しにある固有名詞を入れて、耳に残りやすく言葉より音に比重を置いた曲が良いなと思ってこのような歌詞になりました。

繰り返しのフレーズを入れることはゾンビあたりから意識し始めましたが、一度出たフレーズを繰り返さなければ、もっと色々書けるのになぁと思ってしまうのが本音です。

「メメント・ドライブボーイ」みたいに言葉が詰まりに詰まった感じが好きなんですよね。
でも、繰り返し聴いてもらえないと意味がないので、ループ系ソングを目指している過程の一つがアリゲイター・ナイトです

ここに出てくる「not not…パラレル」とか「口笛吹いてみたら」とか「呪文唱えて」とか正直現実世界に関係ないし、ぶっちゃけどうでも良いですよね。

でも非現実的でどうでもいいフレーズの繰り返しって私の思考の真逆にあるからこそ、憧れがありました。

全てに意味を持たせるより情景描写があったり、固有名詞が出てきたり、SNSのプロフィールに書きたくなるような毒っけと可愛さがあるフレーズが出てきたりした方が聴き手としては楽しいですよね。

重い小説を読んだ気分になりたい方はそれこそ月光の囁きとかを選ぶでしょうし、人間の気持ちは数えきれないぐらい着せ替えられるので、全ての気持ちに当てはめられるような、色々な楽曲を世に残したい目標を達成する為にミレチャの楽曲内に沢山の選択肢があれば良いと思います。

ライナーノーツは私的な部分しか綴っておりませんが、アリゲイターはエドワード・ゴーリーの絵を見た時の感覚に近いものをみんなに感じて欲しいなと思いました

「ミニドレス・モンドリアン」とか自分の引き出しから出したまんま過ぎるかなと思っていたのですが、ファッションが浮かび上がる曲って良いですよね。

本当は髪型とか色とか香りとかを文章に落とし込みたいと前々から思っていたので、ここで少し発揮できて嬉しい限りです。

「パパ」や「ママ」に内緒という要素は一人暮らしの方には共感要素が薄いんじゃないかと、はるきちゃんに相談した時に「一人暮らしだけど乃木坂46のガールズルール好きだったよ」と言われて、人間は私が思うよりフラットな気持ちで音楽を求めている事に気付きました。

ALI PROJECT様を聴いて「これは共感できない」とかいちいち考えませんよね。聴き手は素直にその世界観を受け止めて好きかどうかを判断する事を思い出しました。

「7インチに寝かせられて」は7インチレコードを子守唄に寝ているのか、7インチレコードの上で寝ているのかは皆様の判断にお任せします。

「シュガ・シュガ」は私が幼い時に好きだった、安野モヨコ先生のシュガシュガルーンから拝借しました。

アリゲイター・ナイト自体に全てのフレーズに一つの信念を込めたわけではなく、今まで以上に抽象的な分、色々な解釈をしてほしいという思いです。

CDに付属のライナーノーツに記載した内容はまさに「私が思うアリゲイター・ナイト」なので、みんなの「私が思うアリゲイター・ナイト」を聞かせてほしいです。

余談ですが、振り付けのお話もさせていただくと、体を大きく使ってアップの動きが多いダンスは好きなのですが(city、ゾンビ、月光とか特にそうかな)

巧妙なコミカルさがアンニュイで一生懸命さよりもトリッキーさに胸が熱くなるダンスがかなり好きなので、体全体はあまり動かさないけれど、手の動きが多い振り付けにしました。

cityにBaBeの「I Don't not」的な振り付けがあるように、触れ合ったり見つめ合う振り付けが好きなので、今回も頭からずっとそんな感じの振り付けです。

この先、はるきちゃんに嫌悪感を抱く事がないからやれる振り付けでもあるなと思います。はるきちゃんはどう思っているかはさておき…

あと、リズムをそのまんま体で表す振り付けをやってみたかったので、イントロやAメロの雰囲気などまさしくそういった感じになっております。

初っ端クールタイムみたいな感じが奇妙ですよね。

振り付けに関しては歌詞よりももっと、感覚的で抽象的なお話になるので解説が難しいのですが、何度も言うようにサビだけは絶対に真似しやすい手の動きにしております。

長くなりましたが、この歌詞や振り付けの解説が聞きたい!みたいな私の楽曲がございましたらリクエスト下さいませ。

皆様の感想を励みに、次回作も素敵に仕上がりそうな予感なので楽しみにしていてください

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