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【Prologue Side B】こみーとの出会い
こみーとの出会いは、まみーごとのそれとはまったく毛色が異なるものだった。対照的と言ってもいい。
まみーごとはお互いの「相違点」をきっかけに言葉を交わし、違うからこそ、それぞれの良さを活かしあうことを意識してきた。
一方こみーとは、お互いの「共通点」から話が弾み、共感をベースに関係性を作ってきたと感じている。
最初にやりとりをしたのは、コミュニティの自己紹介スレッド上だった。
そこにはコミュニティの参加者が趣味やライフワーク、エレコ属性などを書き込むことができる。参加者同士がお互いを知り、関係性を築くきっかけとして活用されている。
こみーはわたしの自己紹介に対して、コメントをくれた数人のうちの一人だった。
最初は読書が趣味であること、家に卓球台があることが共通項の働きをした。
(なんでも、こみーのご実家にもかつて卓球台があったとのこと。わたしの周りの卓球関係の友人知人でも、自宅に卓球台がある人は決して多くない。まさかコミュニティの中で卓球台持ちの人と知り合うとは思ってもみなかったため、ものすごく驚いたのを覚えている)
返信を書く前に「こみーさんってどんな人だろう」と、コメントを遡って彼の自己紹介を見にいった。
仕事内容や趣味、コミュニティ参加の動機などが丁寧に書かれている中、しれっと紛れ込ませるかのごとく書かれた一文が目についた。
趣味に「ぷよぷよっていうゲーム」と書いてあったのだ。
「ぷよぷよっていうゲーム」って、「っていう」ってなんやねん。
ぷよぷよなら当然知っている。
なんなら、小学生の頃からもっともやりこんだゲームのひとつだ。
最初の2つの共通項のうち、読書の話題はその中に無数のジャンルが含まれるため、どの切り口から話そうか少し迷っていた。
反対に卓球台トークはそれ以上の広げ方が分からない。
そこで、これらをきっかけに話しかけてくれたことへの感謝を示したうえで、「わたしもぷよぷよ好きです!」と返した。
そこからぷよぷよトークに花が咲き、好きなキャラクターのこと、周りにあまりぷよぷよ好きがいないことへのもどかしさなどを話した。
こうしてコメントのやり取りをしているうちに、面白いことが起きた。
あれよあれよと「実はわたしも、ぼくもぷよぷよ好きです!」という「隠れぷよらー」が集まってきたのだ。お、結構いるじゃーん!
そんなちょっとしたムーブメントの末に、コミュニティ内で「ぷよぷよ会(後に「ぷよぷよ同好会🍛」に改名)」が結成された。
ぷよぷよ同好会🍛はその名の通り、ぷよぷよ好きな人たちが集まり、おしゃべりしたり、オンラインで対戦したり、対戦の様子を見て周りからガヤを入れるのを楽しんだり…と、ひたすらゆるーく楽しむ会である。
しかし、ゆるい会だからと侮れない。
フォトブックプロジェクトを進めるにあたり、ぷよぷよ同好会🍛が果たした貢献は大きい。それも、2つの意味で。
ひとつは、わたしにとって程よい息抜きの場になったということ。笑
もうひとつは、こみーのプロジェクトチーム加入に際し、土台となる関係性を事前にある程度築くことができたということだ。
こみーは、地元の千葉県市原市で空き家のマッチング事業に携わっており、その広報誌のライター、カメラマン、編集などを担当している。
その他にも仲間内で定期的にエッセイを刊行していて、冊子制作の知識、経験が豊富だ。
そのため、こうした事前の繋がりがなかったとしても、きっとどこかのタイミングで彼の力を借りる場面はあったかもしれない。
しかし、ぷよぷよ同好会🍛での関わりがあり、お互いにどんな人物なのかを多少なりと知っていたことで、より安心感や信頼感を持ってプロジェクトに取り組めたのは大きい。
さて、ここまでこみーの人柄よりも、バックグラウンドや趣味の話を中心に進めてきたのには、実は訳がある。
ここで彼の人柄や印象をお伝えするより、物語本編での彼の立ち位置や発言に注目いただければと思い、あえて最小限の情報にしてみたのだ。
こみーの加入によってプロジェクトは一気に加速度を増し、フォトブックの誕生がぐっと現実味を帯びたものとなった。そればかりか、彼の存在はこのnoteマガジンの誕生にも大きく影響している。
彼が生み出したとんでもない逸話があり、その出来事を機にnote執筆を決めたと言っても過言ではない。早く詳細を伝えたくて仕方ないのだが、お楽しみは少し先にとっておこうと思う。
こみーがプロジェクトに加わるのは、物語が中盤にさしかかる頃のこと。それまでは、ひたすらわたしとぷよぷよトークをしているだけだ。笑
彼のスキルや人柄が、プロジェクト全体にどう影響していくのか。
そのあたりもぜひご注目いただきたい。