「どうしたらいいですか?」に、「どうしたらいいと思う?」と答える上司を分解してみた
この部下と上司、2人は永遠に噛み合わない。
会社でよく見る光景だと思うが、タイトル通りこの問いに対するこの返答をすると話は並行線、もっと言うと気持ちも並行線のまま一向に噛み合わない。お互いモヤモヤしたまま結果的に仕事は進まない。それぞれの問いと返答を分解して「どうしたらいいですか?」をどうしたらいいか考えてみた。
部下:どうしたらいいですか?
誰しもみんな新人時代があり、かつては上司にこの「どうしたらいいですか?」と質問した経験があるかと思う。その時の気持ちは
・自分で色々考えたけど結局わからないから上司に聞こう
・時間の無駄が嫌、締め切りが迫っていてすぐ答えがほしい
・結局いつも上司が決めるので回り道をしたくない
ざっとこんな感じだろうか。そして「どうしたらいいと思う」の質問返しにイラっとするだろう。
上司:どうしたらいいと思う?
管理職になりたての頃、プレイヤーだった時と違う悩みにぶち当たる。自分は(努力して)やってきたのになぜ皆んな考えないんだ。そしてビジネス書を手に取る。大概以下の事が書いてあり、最後は丸投げするな!自分で考えろ!となる。
・部下に答えを教えず、まず考えさせよう
・正解はあるが質問をしていって引き出す
・その質問はこっちに丸投げか?
どうしたらいいのか考えた
部下:自分の意思を伝えてからどうしたらいいかを問う
タイパやコスパ情報が溢れている昨今、時間の無駄だと思う事はショートカットして不要な揉め事はなく進みたい気持ちもわかるが「A、Bどちらも考えて私はBだと思うのですがどうでしょうか?」など自分の意思や考えを述べてから問うと上司の返答も変わってくる。ChatGPTなどもそうだが具体的な質問には具体的に返ってくる。このとき上司から全く違うCの答えが返ってきても時にがっかりする事はない。自分で意思決定をする勉強ができたのだ。これを積み重ねると自分の頭で考えて決定する→相談→行動→検証→修正ができてきて力になっていく。他人の決定で動くばかりではいつまで経っても厳しい言い方だが便利な駒に過ぎない。
上司:最初に変わらなければいけないのは上司
何人もの部下に「どうしたらいいですか?」を言われていたらまず変わらなければいけないのは自分自身(上司)である。結局いつも自分に都合の良い答えだけを言っていないか、部下の意見をバッサり切っていないか、安易に「どうしたらいいと思う?」と言うことで部下を育てている気になって勘違いしていないかなど。
この質問をされたらまず部下の状況を見る。差し迫って決定が必要な場合と判断したら「こうしてほしい」としっかり伝え、後で理由やフォロー入れたり、差し迫る前の段階で相談がほしいなどきちんと対話をする。
真面目に色々考えて迷子のようになった部下がやっとの思いで相談に来た時「どうしたらいいと思う?」など質問返ししたらその社員は明日から出社する気にもならないだろう。この場合は話をしっかり聞いてチームや会社のビジョンにずれないよう整理をし、部下自ら意思決定をしたかのようにやるべき事を導く。つまり、上司にとって必要なのは「状況をよく見て判断せよ」という非常に基本的なことの積み重ねなのだ。
まとめ
個人的に組織における上司、部下という言い方は好きではないがわかりやすく伝えるために用いました。この話は会社組織だけでなく生活の中で誰かに相談するときや、子どもとのやりとりの中でも非常に有効なのではないかと思います。例えば占い師に「私、結婚できますか?」と聞くより「私は結婚したいと思うがこんな事が心配で踏み切れない。アドバイスや結婚するタイミングが知りたい」と自分の意思も交えて相談できたら(占い師の力量は別として)返ってくる答えも具体的なアドバイスになるのではないでしょうか。ちなみにChatGPTは生年月日を入力しても占いだけはしてくれません。AIが発達しても「なくならない仕事」の一つなのです。