タイパ良しの逆をいく
時間対効果を求められ
ショート動画、ファスト映画が流行とされるこの時代に
あえてスピードを緩めて生きてみました
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日暮里駅を出て横断歩道を渡ると、
子連れまたは鉄道ファンと思われるカメラを持った男性が歩道の柵から奥を覗き込んでいる
まだ春なのに初夏を感じさせる暑さの中
アイスコーヒーを買って、その集団の少し左隣に立ち位置をとった
かがやき、こまち、はやぶさ、、
子供がいなかったら絶対にご縁のない名前が頭の中に駆け巡る
よくこんなに新幹線と電車の名前を覚えたな
と自画自賛してしまうほど、興味のない分野だった
しかしプラレールで勉強した知識を、いざ実践!と言わんばかりに、実物を見ると不思議と興奮するものだ
連休のダイヤなのか本数は普段より多いらしく
それでも次の新幹線が来るまで数分の間がある
じっと待つ間に余計じんわりと背中に汗を感じる
YouTubeだったら一瞬で早送りされてしまいそうな時間も、次の電車が来るまでじっと大人しく待つ我が子を見て、愛おしく感じた
20年後思い出として思い出すにはかなり上位に上がりそうな瞬間であった
カナダに住んでいる前の会社の先輩とは3ヶ月に1回くらいのペースでビデオ電話をする
時間は決まって彼女の夕方のウォーキングまたは夕飯後のタイミングで1時間〜2時間くらい他愛もない会話を繰り広げる
サマータイムが始まったカナダは19時というのに昼間みたいに明るかった
-ショート動画とかって脳にはストレスらしいよ!
私が最近小説を読むことにはまっていることを話し、(これまでの人生でこのブームは度々訪れる。そしていつの間にか去り、また現れる)
-小説て最後のページの結論を早々に読むわけにもいかず、その過程が楽しいから読んでるわけじゃないですか!
と力説していると、自分はあえて読む行為に時間を使っているなんて、なんて贅沢なんだ
と思った
わかるわかる!と賛同してくれた先輩は
ショート動画が脳に与える影響について教えてくれた
とにかくアドレナリンが出まくるらしい
3秒で結果がわかり、そしてそれが連続で行われるのだ
そりゃそうだと思った
仕事柄ショート動画を撮影して配信しまくっている身としては
あまり会社の人には聞かれたくない内容であった
そんな話をしていたらあっという間に1時間が経ち
先輩は、-ホッケーの試合を見るから!
とカナダに行ってからはまった趣味に集中するため
電話を切った
彼女は私よりもはるかに時間がゆっくり流れている気がした
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