フェルメール・ブルー
私の好きな色、青色。
以前、ラピスラズリの青色とそこに混ざる金色の配色に惹かれ、本屋さんで開催されていた鉱物展でたまたま見つけたラピスラズリの勾玉を購入したことがありました。
この小さな勾玉を眺めていると、深く濃く青い宇宙の中に銀河が散りばめられている光景と重なるのです。
見る人を引き込むような力を持つラピスラズリの石。
この石が原料となっている絵の具「ウルトラマリンブルー(海を越える青)」を、17世紀のオランダ画家フェルメールはふんだんに使用し、女性達が身につける衣服やテーブルクロス等のファブリックを表現しました。フェルメール独特の深く鮮やかな美しい青色は、フェルメール・ブルーと呼ばれています。
当時、ラピスラズリはアフガニスタン、その周辺で算出された稀少鉱物で、地中海を渡りオランダに輸入されてくるこの顔料は、金にも匹敵する程高価なものだったそうです。
青色やラピスラズリの石が好きだったこともあり、フェルメール・ブルーを実物でどうしても見てみたい!と思い立ち、上野の森美術館のフェルメール展へ1人足を運ぶことにしました。
その日は土曜日で17時半からの入場予約をしたにも関わらず長蛇の列で、暗闇の寒空の下、40分位並びました。やっと中に入れた所で、受付のお姉さん達が青いターバンを頭に巻き、青い衣装を着ていたのがとても印象的で、入り口からフェルメールブルーへの期待が高まります。
美術館に来るまで音声ガイダンスがある事を知らなかったのですが、女優:石原さとみさんの可愛い声に導かれながら作品を巡りました。
フェルメールの絵は、他の西洋画家達の作品を見た後の、一番最後の部屋にまとめて飾られていたのですが、そのブルーは思ったよりも落ち着いた深い青色(黒に近い?)でした。ライトアップの加減にもよるのかもしれませんが、私が持っているラピスラズリの勾玉の方が鮮やかな青色だったので想像と少し違いましたが、きっとこの落ち着いた青色が、他の色を際立たせ、光の画家と呼ばれていたフェルメールの繊細な淡い光を表現していくには欠かせない存在だったのだろうなと思いました。
そして、フェルメールブルーを見に行ったのですが、作品の中に度々登場する白い毛皮で縁取られた鮮やかな黄色いガウンの色合いに目を奪われました。フェルメールがこの服を好んで、モデルの女性達に度々着せて描写したとだけあって、とても洒落た素敵な服でした。今回のフェルメール展では、3点の作品にこの黄色い衣装が登場していて、フェルメールは相当この服が好きだったようです。
本屋さんで惹かれて、たまたま購入したラピスラズリの石から発展してフェルメール展にまで行くことになり、自分の好きな事はどんなことに繋がっているか本当に分からないなぁと思いました。
自分の好きな事の1つ1つはビーズのようで、それが後になってビーズの紐を通すように繋がり、思いもよらない方向につながっていくと前に本で読んだ事があるけれど、本当にそうだなぁと思います。
そんなことを教えてくれたこの本も、表紙のカバーがラピスラズリの色みたいだなぁと思って手にとった本でした。ワクワクすることをする!という、とてもシンプルな人生教訓に沢山の元気を貰える本です。
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