やっとしっくり来ました!▶舞台『嵐になるまで待って』観劇レビュー
2023/7/30(日)
舞台『嵐になるまで待って』の千秋楽を観てきました。
学生時代から推している劇団・演劇集団キャラメルボックス原作の舞台です。
初演はなんと30年前。
さすがに私も観ていません(笑)
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初演は30年前ですが、その後5回再演され、その度にキャストも変わります。
今回はさらに、劇団の本公演ではなくプロデュース公演なので、今回限りのチーム編成です。
そんなこともあって、実は主演の2人を存じ上げませんでした。
ポスターを見た瞬間、「主演のユーリは二階堂ふみさん?」と思ってしまったり……。
元AKB48の田野優花さんでした。ごめんなさい。(疎いの……)
ヒロインの相手役・幸吉には土屋神葉さん。
太鳳ちゃんの弟さんだとはつゆ知らず。
やっぱり、たまには推し劇団以外も観なきゃダメですね(笑)
再演回数が多いので、それだけ人気作なのですが、実は私、あまり得意な物語ではありませんでした。
ずっと再演を心待ちにしている『キャンドルは燃えているか』のが観たいんだーという気持ちもあるのですが、何より、主人公の相手役・幸吉の気持ちが何度観てもしっくり来ないのです。
主人公・ユーリの中学時代の家庭教師だった幸吉。
年齢差は5歳くらいだと思います。
ユーリはきっと中学の頃から幸吉が好きで、だけど21歳になった今も伝えられずにいます。
そんなユーリの気持ちを知っているのか、知らないフリをしているのか、幸吉は「教え子」として大事にしていますが、それが恋愛感情かというと……?
という状態。
今までの「幸吉」役は、何度観ても「ユーリのことはあくまで教え子」な印象なのです。
自分の身体や命を張ってユーリを助けようとするけれど、やっぱり「兄(身内)」とか「教え子」の感情を出ていないように見えていました。
劇中後半の、キーになるあるセリフを考えれば、それが「正解」なんだと思います。
でも、今回の土屋版幸吉は、ユーリの身に事件が起きる前から、身内や教え子の感情の域を出ていたように思えたのです。
つまり、幸吉もユーリが気になる存在で、ちゃんと「自分もユーリが好きだ」と自覚している、ということです。
幸吉自身もユーリが好きならば、自分の命を張ってでもユーリを助けることが理解できますよね。
それは多分、土屋さんのセリフの言い方や、しぐさや視線に現れていたんだと思うのですが、私が肌感覚で感じただけなので、はっきり「これが理由」とお伝えすることができず……悔しいな。
(もう一度観れば解るのかも?)
キーなセリフのことを考えれば、これは「正解」な幸吉ではないかもしれないのですが、彼の感情が「やっと見えた!」と思える舞台でした。
もうひとつ。
この舞台を観たいと思った理由に、粟根まことさんの存在があります。
劇団☆新感線の方で、凛々しいイケオジの風貌とは裏腹に、ギャグマンでもあります。
即興で、笑いの絶えない芝居ができてしまう方です。
粟根さんの役柄は、ユーリたちの導き者である広瀬教授という役なのですが、これはキャラメルボックス本公演では西川浩幸さんというベテラン俳優さんの持ち役です。
(西川さんは、万物に優しいホッとするギャグマンだと私は思っている)
西川さんの役を粟根さんが演じるとどうなるのかな……と、舞台好きの楽しみ方でワクワクしていました。
いざ幕が開いて私が感じたのは、「あれ、西川さんいる?」と。
なんだか、粟根さんの中に西川さんを感じたのです。
もちろん、西川版広瀬教授を見慣れているし、なんならセリフも所々覚えているので、そんな感覚になったのかもしれません。
ベテランの粟根さんのことなので、西川版広瀬教授の演技をなぞったわけではないと思います。
つまり、粟根さんは自分を通して西川さんを舞台に上げたのではないか、と……。
私のめちゃくちゃな思い込みではありますが、なんだか舞台俳優の底知れぬ凄さを感じたのでした。
今回、ちょっと観ていて悔しかったのは、私が手話をだいぶ忘れていること。
この舞台には、ろう者である雪絵という役があるので、手話がたくさん出てきます。
そして、手話指導をろう者で女優の忍足亜希子さん夫妻がされているので、とってもキレイで見やすい手話なのです。
(忍足さんは2002年版に雪絵役で出演されて、それがご縁でキャラメル俳優・三浦剛さんと結婚されています)
手話がわからなくても、話している内容は解るようになっているのですが、やっぱり実際に演者が手で会話している内容をそのまま知りたい!
手でなんて言っているのか知りたい!
2016年の本公演の際は、ちょうど手話を習っていたので、役者が訳してくれなくても解ったのです。
現在はもう手話教室には通っていないので、細かいことは理解できませんでした。
残念だー。
手話を使ったダンスシーンも以前とは変わったようなので、ちゃんと理解したかったなぁ。
ただ、雪絵が一番言いたかったことは変わっていなかったので、そこは解りました。嬉しかった!(満足げ)
もし配信とかでもう一度観る機会があったら、スロー再生で手話アプリとともに目を皿にしたいと思います(笑)
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本日も相棒・MacBookAirミッドナイトちゃんからお送りしました。
また次の記事でお逢いしましょう。
さいごに覚書。
多田版波多野は、三つ揃いに銀鎖ついててイケメンだった。
でも、傘でカツーン、カツーンと床を叩くのがなくて、残念でした。
あれが怖いんだよね。
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