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著作権法の一部を改正する法律案(第211回国会)の調査✨浜田先生のお手伝い R5.4.16

 令和4年1月1日施行された改正案を調査していました。ホームページにも、法律案の文面にもどこにも書類の公開年月日とか、第何回国会の提出なのか、とかどこにも無いので、疑いもせず。。。文書には日付と文責を記すものなのではないでしょうか。。。せめてホームページの文書のタイトルに付与するとか。。。(;^_^A
 調査結果は【番外編】としてブログ2編に分けて書きました。

https://note.com/aya7045/n/n185d6a98aeb3

大変勉強になりました。このミスは、きっと今回の調査には必要な事だったんだと思います。

【改正法案について】


さて、第211回国会に文部科学省から提出される改正法案について解説していきます。

文科省ホームページから、法律案について、検索URLリストがありますので
ご興味のある方はこちらから。

著作物等の公正な利用を図るとともに著作権等の適切な保護に資するため、立法又は行政の目的のために 内部資料として必要と認められる場合等に著作物等の公衆送信等を可能とする措置、著作物等の利用の可否 に係る著作権者等の意思が確認できない場合の著作物等の利用に関する裁定制度を創設する等の措置及び著 作権等の侵害に対する損害賠償額の算定の合理化を図る措置について定める必要がある。これが、この法律 案を提出する理由である

著作権法の一部を改正する法律案(案文・理由)p52

うーんとひらたくいうと、大きく3点でしょうか。
①出所がよく分からない作品も含めて、お金を払えば使えるようにするための新制度をつくり、手続きを簡単にする。
②立法、行政で著作物を使うとき、クラウドなどのインターネットが使えるようにする。
③海賊版被害の損害賠償額の算定方法を見直す。

今回は特に、①についてみていきます。法律案の概要にはこのようにあります。

著作権法の一部を改正する法律案(概要)

繰り返すようですが、新しい点は、著作権者が見つからない場合の裁定制度を創設し、それに伴って、申請制度、補償金額決定とその支払いなどの手続きを円滑にできるように民間機関に窓口を依頼する、ことです。

 具体的な裁定制度、補償金額は、すでに関係者で検討されているのかもしれませんが、今回はそこまで調査しませんでした。番外編その1 でも書いたように、具体的な補償金額などは改正案提出時は検討中で、ほぼ1年後に公表されていました。
 いわゆるレジ袋規制も、容器包装プラスティック新法、という法律の下で、省令として細々したことが決められています。そしてそれは議会を経ることなく、省庁が勝手に決めていることです。(参照 救国シンクタンク叢書『なぜレジ袋は「有料化」されたのか』

 今回その中で注目したいのは、概要②にある、補償金などの窓口組織(民間機関)である、文化庁長官が指定する指定管理団体です。これは、著作物の種類によってそれぞれ団体が指定されているようです。
例えば、ざっと調べただけでもこんな感じです。

 図書等 SARLIB
 授業目的 SARTRAS  
   作詞作曲楽譜 JASRAC
 芸術活動 CPRA
    私的録音録画 Sarah

SARLIBについては番外編その1
JASRACおよびCPRAについては番外編その2 に、その仕組みのポンチ絵を掲載しました。
 この指定管理団体自体が、あるグループ(CRPAならば、演奏家などの世界)での中央集権のトップとして集中管理しており、その周辺に絡む組織があります。
 代表的なものとして、CRPAの図を再掲します。

CPRAホームページより

  もし、このような団体がなかったらこうなる!という絵までありました。

教えて、先生!【第5回】芸団協CPRAって何をするところ? 

 このような管理団体は、著作物の種類、性質ごとに増えていくのではないでしょうか。例えば、いまだに団体が存在しない種類に、Spotifyのようなサブスク音楽配信についての補償金分配の団体は無いようです。 
 著作者の権利や、報酬を第一に考える姿勢には賛成します。そして、民間に管理を任せる、という考え方(参考:総務省 指定管理者制度)も否定しません。しかし、どこまでいっても中央集権的な管理の仕方であり、どこまでいっても行政の管理下にあることには変わりがありません。  
 技術革新は日進月歩です。芸術の表現方法手段の変化、それに伴う権利の概念の変化などなど、従来の法律でカバーできる範囲を簡単に超えるでしょう。政府が中央集権により権利を「守る」考え方を変えない限り、それに追いつくための法改正は、永遠に続き、無限に規制が増えていく一方なのではないでしょうか。そのとき、著作権を預けるアーティストは、ほんとうに幸せなのでしょうか。
 こんな複雑なことを乗り越えなければならないのなら、いっそ他の世界に逃げて楽になりたい。。。そんな風に思うことはないのでしょうか。

 法律についての調査は以上になります。著作権法については、あまりに無限であまりに広範囲。今回は調査はここまでといたします(;^_^A 
 以下に、新しい可能性、展望について記したいと思います。

【DAO的な世界で】


 地方分権にも通じますが、政府が管理するのとはまた違う世界でコミュニティを構築する、DAOが注目されています。そこで流通する貨幣に相当するものがNFTなどの仮想通貨です。
 

こちらは参考文献です。
https://amzn.asia/d/fwa7w73

 山古志村の取組も有名です。

最近の渡瀬裕哉氏の著作にも、DAOについて言及されていました。

まさに、中央集権という権威主義から自由になるDAOの仕組みについて言及され、未来への希望が感じられます。
 芸術、という自由の表現は、DAOという仕組みでこそ生かされていくのではないか、と思いました。
 余談ですが、今、大人気のアーティスト、藤井風、は、楽曲のフルバージョンPVもYouTubeで公開し、Spotifyで聴き放題、ファンクラブではなく藤井風アプリ、なるものを開発しています。これからの時代、支持されるアーティストは、もしかしたら著作権に対して従来と違う考え方を持っているのかもしれません。アーティストよ、自由になれ!!

【議員だったら質問してみたいこと】


①文化庁長官が指定する、指定管理団体の一覧は公表されていますか。
②指定管理団体は民間ではありますが、文化庁はその会計書について把握していますか。
③裁定基準や、補償金額、補償金算定式などについては、政省令になりますか。それはどのようなメンバーによって審議され、いつ頃決定、公表される予定ですか。


結局のところ、番外編1,2も含め、三部作構成のようになりました。
ここまでお読みいただき、感謝します。

かわさき減税会
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